新たな"柱”がひとつ加わる
B&WはSound Unitedの買収でどう変わる? 他ブランドとのシナジーは? D&Mに訊く
過日、D&M Holdingsの親会社であるSound United(米国)によるBowers & Wilkins(英国)買収が発表された。日本市場において何か変化があるのか。D&Mの製品開発におけるシナジーは — 気になるポイントをD&M Holdingsの野元茂樹氏に聞く。
■傘下に入ったカタチであり、当面大きな変化はない
―― D&Mの親会社でもあるSound United(米国)による、Bowers & Wilkins(英国)の買収が発表されました。これまでD&Mは日本のマーケットにおけるBowers & Wilkinsの代理店という立場にありましたが、何か変化はあるのでしょうか。
野元 この度の買収は現地時間の10月9日(金)に完了し、翌週明け早々には販売店各社様に対し、米国本社の販売責任者名でご案内を出しています。新たにSound Unitedグループの一員となったBowers & Wilkinsですが、当面の間は“傘下に入った”というカタチにとどまります。これまでと変わらずBowers & Wilkinsのブランド・アイデンティティを尊重し、彼らのオペレーションで事業を進めてもらいます。
現在、日本のD&M Holdingsではインポートブランドグループの狩野がビジネスの窓口となり、香港にあるBowers & Wilkinsのチームとやりとりを行っていますが、その進め方にも一切変更はありません。
Bowers & Wilkinsのラインナップには、日本で取り扱いのない製品もありますが、これまで築いてきた販売の環境がいきなり変わってしまうこともありません。創業時からBowers & Wilkinsが提唱して来た「Less is more(レス イズ モア)」、すなわち、販売チャネルを集中させることでより質が高められるという基本姿勢のもと、試聴環境があり、きちんと製品の説明ができる販売員の方が常駐されていること、展示品を置いていただけることなどのポリシーにご理解をいただいた販売店様に商品をお取り扱いいただいています。これは、弊社が代理店を始めてから25年間にわたり続けているBowers & Wilkinsのポリシーを反映したやり方です。
―― 日本では現在、800シリーズ、700シリーズ、600シリーズ、そして、カスタムインストール向けのスピーカーがラインナップされ、さらにヘッドホンとカーの展開(D&Mでの扱いは無し)がありますが、これも変わりはないわけですね。
野元 各国で市場背景は異なると思いますが、Sound United傘下になったことでこれらが急激に変化することはないと私は考えています。そもそも商品企画は2年、3年先を見据えているものですし、開発スタートから製品化までも1、2年はかかります。Bowers & Wilkinsは特に製品の企画や研究に時間をかけるブランドとして知られています。この点においても急激な変化はないと聞いております。
過去、デノンとマランツの合併を経験してきた弊社はそのノウハウやメリットを心得ていると思います。例えば音質やブランドのアイデンティティに影響しない部分は、統合した方が確実にコスト減につながります。それぞれに時間と資金をかけてやるのではなく、R&Dセンターで一緒にやってそれぞれに下ろす方が効率的ですからね。
ただし、ブランドによって設計者も使用部品も、何よりサウンドフィロソフィーが違うわけですから、できあがる製品は違ってきます。ブランドのアイデンティティに影響する内容の統合は今後も無いだろうと思います。
Sound Unitedでは今、これまで以上にブランド別に進めてきた商品企画やビジネスの進め方を強化しています。どのようにビジネスを進めるか、そこにどのような製品が必要となるか。商品企画からそのビジネスの責任まで、個々のブランドが主体となる考え方ですが、そこにBowers & Wilkinsという柱が1つ加わることになります。
日本国内の場合、これまではBowers & Wilkinsに対して、“代理店”という立場でした。また先ほどもお話ししましたようにBowers & Wilkinsの全ての製品を扱っているわけではありません。現在D&Mで取扱いの他の海外ブランドの担当者とも頻繁にやり取りが行われており、彼らも日本市場に向かない製品などを無理に押し付けることはありません。もっとも「これは絶対に日本市場で売れるから」「このモデルは世界レベルで力を入れているのでぜひ」と強力にプッシュされることはありますが(笑)。
Bowers & Wilkinsの場合もほぼ同じでしたが、これから同じ傘下に入ったことで、ラインナップをさらに拡充していくこともあるかもしれません。
■傘下に入ったカタチであり、当面大きな変化はない
―― D&Mの親会社でもあるSound United(米国)による、Bowers & Wilkins(英国)の買収が発表されました。これまでD&Mは日本のマーケットにおけるBowers & Wilkinsの代理店という立場にありましたが、何か変化はあるのでしょうか。
野元 この度の買収は現地時間の10月9日(金)に完了し、翌週明け早々には販売店各社様に対し、米国本社の販売責任者名でご案内を出しています。新たにSound Unitedグループの一員となったBowers & Wilkinsですが、当面の間は“傘下に入った”というカタチにとどまります。これまでと変わらずBowers & Wilkinsのブランド・アイデンティティを尊重し、彼らのオペレーションで事業を進めてもらいます。
現在、日本のD&M Holdingsではインポートブランドグループの狩野がビジネスの窓口となり、香港にあるBowers & Wilkinsのチームとやりとりを行っていますが、その進め方にも一切変更はありません。
Bowers & Wilkinsのラインナップには、日本で取り扱いのない製品もありますが、これまで築いてきた販売の環境がいきなり変わってしまうこともありません。創業時からBowers & Wilkinsが提唱して来た「Less is more(レス イズ モア)」、すなわち、販売チャネルを集中させることでより質が高められるという基本姿勢のもと、試聴環境があり、きちんと製品の説明ができる販売員の方が常駐されていること、展示品を置いていただけることなどのポリシーにご理解をいただいた販売店様に商品をお取り扱いいただいています。これは、弊社が代理店を始めてから25年間にわたり続けているBowers & Wilkinsのポリシーを反映したやり方です。
―― 日本では現在、800シリーズ、700シリーズ、600シリーズ、そして、カスタムインストール向けのスピーカーがラインナップされ、さらにヘッドホンとカーの展開(D&Mでの扱いは無し)がありますが、これも変わりはないわけですね。
野元 各国で市場背景は異なると思いますが、Sound United傘下になったことでこれらが急激に変化することはないと私は考えています。そもそも商品企画は2年、3年先を見据えているものですし、開発スタートから製品化までも1、2年はかかります。Bowers & Wilkinsは特に製品の企画や研究に時間をかけるブランドとして知られています。この点においても急激な変化はないと聞いております。
過去、デノンとマランツの合併を経験してきた弊社はそのノウハウやメリットを心得ていると思います。例えば音質やブランドのアイデンティティに影響しない部分は、統合した方が確実にコスト減につながります。それぞれに時間と資金をかけてやるのではなく、R&Dセンターで一緒にやってそれぞれに下ろす方が効率的ですからね。
ただし、ブランドによって設計者も使用部品も、何よりサウンドフィロソフィーが違うわけですから、できあがる製品は違ってきます。ブランドのアイデンティティに影響する内容の統合は今後も無いだろうと思います。
Sound Unitedでは今、これまで以上にブランド別に進めてきた商品企画やビジネスの進め方を強化しています。どのようにビジネスを進めるか、そこにどのような製品が必要となるか。商品企画からそのビジネスの責任まで、個々のブランドが主体となる考え方ですが、そこにBowers & Wilkinsという柱が1つ加わることになります。
日本国内の場合、これまではBowers & Wilkinsに対して、“代理店”という立場でした。また先ほどもお話ししましたようにBowers & Wilkinsの全ての製品を扱っているわけではありません。現在D&Mで取扱いの他の海外ブランドの担当者とも頻繁にやり取りが行われており、彼らも日本市場に向かない製品などを無理に押し付けることはありません。もっとも「これは絶対に日本市場で売れるから」「このモデルは世界レベルで力を入れているのでぜひ」と強力にプッシュされることはありますが(笑)。
Bowers & Wilkinsの場合もほぼ同じでしたが、これから同じ傘下に入ったことで、ラインナップをさらに拡充していくこともあるかもしれません。