<山本敦のAV進化論 第208回>
テレビが人の動きを理解する ー ソニーが「BRAVIA CAM」をつくる理由
ソニーが2022年に発売を予定するBRAVIAのグローバルモデルと、全8シリーズの新機種に対応する「BRAVIA CAM」をCESで海外発表した。テレビとユーザーとの視聴距離を自動計測して画質・音質を最適化したり、ハンドジェスチャー操作の機能などをテレビに追加する、ユニークな専用アクセサリーだ。
今回はソニーでBRAVIAの設計のプロジェクトリーダーを担当する池田 勇氏、BRAVIAの商品企画を担当する志岐卓也氏と伊藤慎氏にオンライン取材の機会をいただき、BRAVIA CAMがテレビにどんなスマート機能を付与する製品なのか詳細を聞いた。
■ミニLED搭載機などソニーが発表した2022年のBRAVIAグローバルモデル
まずはソニーが2022年のグローバルモデルとして発表した、8シリーズのBRAVIAを簡単に紹介する。
8KミニLED液晶テレビ「Z9K」と、新しい有機ELパネル「QD-OLED」を搭載する4Kテレビ「A95K」、40インチ台のコンパクトな4K有機ELテレビ「A90K」は同社最高峰のMASTER Seriesだ。A90KにはMASTER Series史上最小サイズの42型モデルがある。
そして4K有機ELテレビには3種類の画面サイズを展開する「A80K」も加わる。
「X95K」もバックライトにミニLEDを採用する4Kテレビだ。85型の大型モデルを揃えた。4K液晶テレビの「X90K」はフルアレイローカルディミングバックライトを搭載する。
ほかにもBRAVIAの4K液晶テレビとしてはスタンダードクラスになる「X85K」と「X80K」も発表された。
リンク先のニュース記事では各機種の詳細が伝えられている。併せて参照してほしい。
Z9KとX95Kの各機種は、ソニーのBRAVIAとして初めてバックライトモジュールにミニLEDを搭載した。グローバルモデルのプロジェクトリーダーとして設計を担う池田 勇氏は「新しいブラビアも認知特性プロセッサー“XR”により、表示する映像をリアルタイムに解析しながら、特に視聴者が注目する映像の部位を引き立たせるような高画質化処理を行っています。このXRプロセッサーがミニLEDバックライトの明滅を高精度に制御して、フレアノイズによる映像のにじみを抑えながら、明暗の表現が冴え渡る映像の再現に寄与します」と説いている。
スタンダードクラスのX85KとX80Kを除く上位6シリーズのBRAVIAが認知特性プロセッサーXRを搭載する。プロセッサー自体も昨年のBRAVIAに搭載するものから進化を遂げた。池田氏によると「映像の深度情報の解析能力が向上したことで、自然な立体感が再現できるようになり、さらに緩急を付けた深みのある色再現が可能」になっているそうだ。
オーディオはソニー独自の立体音響技術である「360 Spatial Sound Mapping」に対応したソニーのホームシアターシステム「HT-A9」「HT-A7000」、およびグローバルモデルの「HT-A5000」にXRシリーズのテレビを接続した時に、「Acoustic Center Sync」機能にて、テレビのスピーカーをそれらのシステムのセンターチャンネルに割り当てることができる(HT-A7000/A5000の「360 Spatial Sound Mapping」機能は、今後のアップデート対応)。その効果は一段と立体感に富んだサラウンド体験に結びつく。
■テレビの自動画質調整をサポート
本稿のメインテーマであるBRAVIA CAMは、上記8シリーズのBRAVIAに対応する専用アクセサリーだ。Z9KとA95Kは商品に同梱する。その他6シリーズには別売のオプションとして対応する。
BRAVIA CAMは名前からわかる通り、本体にカメラを内蔵している。同梱されるシリーズは、ブラビアが本体の背面に設ける専用のUSB端子につないで、テレビのフレームトップに固定する。本機を導入すると、テレビにビデオ通話機能が追加できるだけでなく、ほかにもソフトウェアアップデートにより様々な「BRAVIAらしい機能」が加わるのだ。志岐氏、伊藤氏に各機能を詳しく解説していただいた。
まずは「Ambient Optimization Pro」という、テレビの画質・音質を自動で最適化する機能だ。
テレビの前に座る視聴者の位置をBRAVIA CAMが認識。テレビからの距離や角度を識別して、映像は明るさを、サウンドはL/Rのバランスと「人の声」を強調するボイスズーム機能のレベルを調整する。
ユーザーの視聴位置はカメラで撮影した画像情報から、人物と推定される被写体を元に計算する。最適化はユーザーが静止状態にある時に行われる。顔だけでなくユーザーの全身が家具などに遮られることなく、カメラに写る環境の方が最適化はより正確に動作するようだ。
今回はソニーでBRAVIAの設計のプロジェクトリーダーを担当する池田 勇氏、BRAVIAの商品企画を担当する志岐卓也氏と伊藤慎氏にオンライン取材の機会をいただき、BRAVIA CAMがテレビにどんなスマート機能を付与する製品なのか詳細を聞いた。
■ミニLED搭載機などソニーが発表した2022年のBRAVIAグローバルモデル
まずはソニーが2022年のグローバルモデルとして発表した、8シリーズのBRAVIAを簡単に紹介する。
8KミニLED液晶テレビ「Z9K」と、新しい有機ELパネル「QD-OLED」を搭載する4Kテレビ「A95K」、40インチ台のコンパクトな4K有機ELテレビ「A90K」は同社最高峰のMASTER Seriesだ。A90KにはMASTER Series史上最小サイズの42型モデルがある。
そして4K有機ELテレビには3種類の画面サイズを展開する「A80K」も加わる。
「X95K」もバックライトにミニLEDを採用する4Kテレビだ。85型の大型モデルを揃えた。4K液晶テレビの「X90K」はフルアレイローカルディミングバックライトを搭載する。
ほかにもBRAVIAの4K液晶テレビとしてはスタンダードクラスになる「X85K」と「X80K」も発表された。
リンク先のニュース記事では各機種の詳細が伝えられている。併せて参照してほしい。
Z9KとX95Kの各機種は、ソニーのBRAVIAとして初めてバックライトモジュールにミニLEDを搭載した。グローバルモデルのプロジェクトリーダーとして設計を担う池田 勇氏は「新しいブラビアも認知特性プロセッサー“XR”により、表示する映像をリアルタイムに解析しながら、特に視聴者が注目する映像の部位を引き立たせるような高画質化処理を行っています。このXRプロセッサーがミニLEDバックライトの明滅を高精度に制御して、フレアノイズによる映像のにじみを抑えながら、明暗の表現が冴え渡る映像の再現に寄与します」と説いている。
スタンダードクラスのX85KとX80Kを除く上位6シリーズのBRAVIAが認知特性プロセッサーXRを搭載する。プロセッサー自体も昨年のBRAVIAに搭載するものから進化を遂げた。池田氏によると「映像の深度情報の解析能力が向上したことで、自然な立体感が再現できるようになり、さらに緩急を付けた深みのある色再現が可能」になっているそうだ。
オーディオはソニー独自の立体音響技術である「360 Spatial Sound Mapping」に対応したソニーのホームシアターシステム「HT-A9」「HT-A7000」、およびグローバルモデルの「HT-A5000」にXRシリーズのテレビを接続した時に、「Acoustic Center Sync」機能にて、テレビのスピーカーをそれらのシステムのセンターチャンネルに割り当てることができる(HT-A7000/A5000の「360 Spatial Sound Mapping」機能は、今後のアップデート対応)。その効果は一段と立体感に富んだサラウンド体験に結びつく。
■テレビの自動画質調整をサポート
本稿のメインテーマであるBRAVIA CAMは、上記8シリーズのBRAVIAに対応する専用アクセサリーだ。Z9KとA95Kは商品に同梱する。その他6シリーズには別売のオプションとして対応する。
BRAVIA CAMは名前からわかる通り、本体にカメラを内蔵している。同梱されるシリーズは、ブラビアが本体の背面に設ける専用のUSB端子につないで、テレビのフレームトップに固定する。本機を導入すると、テレビにビデオ通話機能が追加できるだけでなく、ほかにもソフトウェアアップデートにより様々な「BRAVIAらしい機能」が加わるのだ。志岐氏、伊藤氏に各機能を詳しく解説していただいた。
まずは「Ambient Optimization Pro」という、テレビの画質・音質を自動で最適化する機能だ。
テレビの前に座る視聴者の位置をBRAVIA CAMが認識。テレビからの距離や角度を識別して、映像は明るさを、サウンドはL/Rのバランスと「人の声」を強調するボイスズーム機能のレベルを調整する。
ユーザーの視聴位置はカメラで撮影した画像情報から、人物と推定される被写体を元に計算する。最適化はユーザーが静止状態にある時に行われる。顔だけでなくユーザーの全身が家具などに遮られることなく、カメラに写る環境の方が最適化はより正確に動作するようだ。