PRわずか数年でシェア上位に
【対談】評論家も太鼓判の「Polk Audio」のスピーカー。VGP2023 SUMMERで「金賞」多数の理由は?
オーソドックスに見えて“ハイテク”なPolk Audio
生形 Polk Audioのスピーカーは一見、オーソドックスなユニット使った、オーソドックスなスピーカーに見えますが、ものすごく革新的な技術が入っていて、それが先ほど仰っていた低音の透明感を実現しているのだと思います。
北米という非常に大きな市場で大量生産しているということで、圧倒的な低コスト化を実現できると思いますが、色々な努力と工夫と技術によって、安い価格でこの音質を実現しているところが、実はすごい。ものすごくレベルが高いです。
大橋 北米のスピーカー産業は日本と桁が違うので、ロープライスだけど、中身はローコスト・ローパフォーマンスではないんですよね。具体的にどこへ現れているかというと、ユニットですね。ポリエステル繊維やポリプロピレンとマイカ(雲母)を組み合わせたような振動板を使うとか、あるいはReserveはリングラジエーター使っているけど、これはもう少し高いスピーカーに使われるものです。
高額なスピーカーシステムに使われるような技術を、10〜20万のエントリーゾーンに使っている。ペア20〜30万や10〜20万、このあたりのゾーンに投入しているというのは、やはり北米の量産できるメーカーだからであって、中身ははるかに高いスピーカーに匹敵するようなものを持っている。
生形 特にReserveシリーズのタービンコーンやXポートは、自分もすごく特徴的だなと思っています。タービンコーンで言えば、射出成形で独特の形状をしていたり、うまく射出することで、厚みと硬さが異なるような3層になるような構造になっていたりとか、ものすごく細かいことをやっています。
お金をかければ難しいことはいくらでもできると思いますが、それを再現性の高いかたちでコストを抑えてやっていくところが、ものすごくレベルが高い。Xポートにしても、普通のバスレフポートは単に共鳴させて低音を出しますが、独自形状の筒を設けることで、低域以上の帯域を効果的に、それを正確な測定で緻密に設計したうえで吸収することで、低域の再現性を高めていたりする。
こういった独自技術は自作スピーカーとか、ありもののユニットとの組み合わせでは決してできないし、かつものすごく低コストで実現されている。先ほど仰っていたように、そういったオリジナルユニットは、一般的にはもっと高い価格帯でしか実現できません。しかし、Polk Audioは一番高額なReserveシリーズでも30万円以下というところでそれが実現できてしまっています。そんなところが、私もスピーカーを自作する身として、ものすごいことだなというのを最初に実感しました。
大橋 内容が価格に対して濃い、ということはもちろん量販店も専門店も分かっていますし、さらにエントリーユーザーでも非常に鳴らしやすいスピーカーであるというのが根拠になって、シェアの拡大やVGPの受賞結果に結びついていると思います。
幅広いラインナップ、ハイファイからシアターまで
大橋 やはり感心するのはラインナップですよね。Reserveではブックシェルフ型のR100/R200/R300、センターにR350/R450、フロア型ではR500/R600/R700。ハイトモジュール、いわゆるイマーシブサウンドのためのスピーカーですが、これはR900というモデルが用意されています。
次にSignature Eliteでも、ブックシェルフ型のES10/ES15/ES20、フロア型のES50/ES55/ES60、センターのES30/ES35/ES50。Monitor XTでも同様に、センタースピーカー、ハイトモジュール、それからサブウーファーまで用意されている。各ラインナップで、ホームシアターへの発展性というものがしっかりと考えられている。
シアター用のセンタースピーカーで口径が大きくてしっかりと鳴るものって、なかなか、あるようでないんです。センタースピーカーというのは、実はシアターの音声の中で7割くらいを担うくらい重要なので、粗略にしてはいけないんですね。でも、各ブランドの中で完備しているかというと、そうでもなかったりします。
Polk Audioの場合、最初からそれが展開されているし、ハイトスピーカーまで用意されている。そのあたりの拡張性の高さみたいなことが、販売業界から好感を持たれる理由でもあると思います。
生形 Signature EliteシリーズでDolby Atmosを聴いたことがありますが、この値段が信じられないぐらい、すごく良い音がした記憶が鮮烈に残っています。これでいいじゃん、というくらい本当に良かったですよね。ラインナップも手広くて、色々な意味で扱いやすいシリーズです。