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PR驚くべきコストパフォーマンスを紐解く

ここまでこだわるの!? “最強コスパ”入門スピーカー「Monitor XT」の秘密が凄い

公開日 2024/06/28 06:30 生形三郎
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スピーカーユニットの磁石は“上位機よりも大きい”



生形 次に、スピーカーの要ともなるスピーカーユニットについてからお伺いしたいと思います。

澤田 現在、日本には3つのシリーズが導入されていますが、それぞれに16.5cmのウーファーを用いた2ウェイ・ブックシェルフスピーカー、いわゆるロクハン2ウェイが存在します。実はその中で、Monitor XTシリーズのマグネットが一番大きいのです。

MXT20に搭載するユニット。左がトゥイーター、右がウーファー

生形 実物を見せて頂くと、驚愕する大きさですね。しかも、異なるマグネットが3枚も重ねてある。例えばフルレンジスピーカーなどでも、高音質を狙ってあえてマグネットを強化したものが存在しますが、このXTシリーズのマグネットはなぜこのような重装備になっているのでしょうか?

澤田 マグネットは、必要な磁束密度や駆動エネルギーを得るために存在します。ひとくちに磁束を確保すると言っても、そこには歪みや密度などの精度が存在します。磁石のもととなるフェライトの固め方にしても、等方性なのか異方性なのか、あるいはバリウムフェライトなのかストロンチウムフェライトなのかで得られる磁束密度が異なりますし、形状によっても歪み特性が変わってきます。

左がReserveシリーズのユニット、右がMonitor XTシリーズのユニット

それらを精度高く実現するために、例えば上位モデルのReserveシリーズではボトムの形状にテーパーを付けたりして、専用設計で最適化しています。ですが、専用の磁気回路を持たせると当然コストがかかってしまいます。Monitor XTシリーズでは、マグネットも汎用の中から選んでスピーカーに必要なエネルギーや磁束密度を、いわば力技で確保して大幅にコストを抑えているのです。

生形 これだけ質量があると、磁束密度だけでなく、もしかすると制振面でも効果がありそうですね。

それぞれの要素の全てに工夫とこだわりが詰まっている

「エントリークラスにここまでこだわるメーカーも珍しい」



生形 次に振動板についてお伺いします。トゥイーターには、上位モデルと同様にテリレン・ドームトゥイーターが採用されていますね。

澤田 テリレンとは商標名で、素材としてはポリエステルの織物になります。ソフトドームの素材としては、一般的にもっともグレードが高いのはシルクです。しかし、当然シルクは高価になりますので、膨大に存在する素材の中から、それになるべく近い特性を持ち、周波数の高くなる高域まで強度を保てるポリエステルが選択されています。

上位モデルと同様、テリレン・ドームトゥイーターを搭載する

生形 ここでもなるべくコストを抑えながらも、理想的な特性を得られるものが吟味されている、と。ウーファーの方はいかがでしょうか。

澤田 ウーファーの振動板は樹脂系を使っています。樹脂系コーンは、紙系単体のように音がカサカサせず、細やかでクリーミーな音が出しやすいのです。ただ、全て樹脂製にすると金型にお金がかかってしまうので、型で作った樹脂と紙をプレスしているとかではなくて、単純に紙コーンの上に樹脂コーンを重ねたラミネートコーンです。

左がReserveシリーズのユニット、右がMonitor XTシリーズのユニット

これでも、紙っぽいカサカサした音になることなく、綺麗にまとめられています。それでいて、質量があまり重くならないで、軽くてそこそこの強度を満たすというアプローチです。

安かろう悪かろうではない、というのがPolk Audioの特徴

生形 ペーパーコーンはコストも安いですし、耳馴染みもよいですね。しかしながら、やはりキャラクターも付きやすいですし、様々な素材を混ぜたりと強度を得る工夫も必要になります。そこを、樹脂素材とシンプルに重ね合わせることでクリアした。

Reserveシリーズでは、巧みな射出成型によって表面と内部の密度が異なる成型をするなどして高音質を実現していますが、ここでもやはり、それに近い音をいかにコストをかけずに実現できるか、ということにPolk Audioの凄みを感じますね。

澤田 エントリークラスにここまでこだわるメーカーも珍しいですね。

次ページ実は少しずつ違う!同じ口径の振動板でも“形状を最適化”

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