PRヨーロッパとアメリカでサウンドに個性
DALI vs Polk Audio。スピーカーの“大人気”入門機、注目4モデルを比較テスト!
いま日本市場のハイファイスピーカーについて、エントリークラスで最も売れているブランドをご存知だろうか。その代表格が、デンマークのDALIとアメリカのPolk Audioである(GFK調べ)。
オーディオの最終変換器でシステムの「声」に相当するスピーカーには、製造国のカラーが反映される。そこで本稿では、DALIとPolk Audioから、ブックシェルフ型とフロア型から人気のモデルをそれぞれ選び、描き出す世界の違いをあきらかにしてみよう。
さて、あなたはDALIを選ぶだろうか、それともPolk Audioを選ぶだろうか……。
両ブランドの来歴をかんたんに紹介しておくと、DALI(Danish Audiophile Loudspeaker Industries)は1983年デンマークに創業、手頃な価格で高品位な家庭用スピーカーを提供したい想いで翌年最初の製品「DALI2」が誕生する。
一方のPolk Audioは、1972年にアメリカ・ボルチモアのジョン・ホプキンス大学に学ぶ若者たちが “音のよいスピーカーを自分たちが買える価格で” を創業の志に起ち上げた。DALIは近年ハイエンドにも進出したが、音楽ファンのためのリーズナブルな製品が主力という点で両社は共通している。
製造国のカラーがスピーカーに反映される要素として、第一に母国語の発音の特徴、次に音楽風土がある。ヨーロッパでは、ながく音楽が教会や歌劇場、コンサートホール等の間接音成分の多い大空間の中にあった。対してアメリカでは、母国音楽をミュージックホールやクラブで間近に聴いてきた。
さらにオーディオ機器の「育ち」がある。ヨーロッパでスピーカーは、放送局やレコード産業と共に発展した。一方アメリカでは、ショービズとりわけトーキー映画の隆盛が発展をうながした。劇場育ちといっていい。
こうした出自を背景に、ヨーロッパ産スピーカーは音場と音像のバランスを追求し、アメリカは音像をクローズアップして明解な描線でリアルに描く。かつて都内の有名映画館のベテラン館主氏が「映画館の隅々、最後列の一番端のお客さんにまでセリフが飛んでこなければダメ。そうでないスピーカーは使えない」と語っていたことが思い出される。
消費市場のグローバル化と生産の海外移転もあり、スピーカーの地域色は20世紀ほどでない。しかし、製造国によるキャラクター差はいまもバックボーンとして存在する。ヨーロッパとアメリカのキャラクターを異にする二つのブランドを日本の音楽ファンが「自分の音」として選び、一、二位を分け合っているのは偶然ではない。
オーディオの最終変換器でシステムの「声」に相当するスピーカーには、製造国のカラーが反映される。そこで本稿では、DALIとPolk Audioから、ブックシェルフ型とフロア型から人気のモデルをそれぞれ選び、描き出す世界の違いをあきらかにしてみよう。
さて、あなたはDALIを選ぶだろうか、それともPolk Audioを選ぶだろうか……。
■発展の歴史に差。ヨーロッパとアメリカのスピーカー
両ブランドの来歴をかんたんに紹介しておくと、DALI(Danish Audiophile Loudspeaker Industries)は1983年デンマークに創業、手頃な価格で高品位な家庭用スピーカーを提供したい想いで翌年最初の製品「DALI2」が誕生する。
一方のPolk Audioは、1972年にアメリカ・ボルチモアのジョン・ホプキンス大学に学ぶ若者たちが “音のよいスピーカーを自分たちが買える価格で” を創業の志に起ち上げた。DALIは近年ハイエンドにも進出したが、音楽ファンのためのリーズナブルな製品が主力という点で両社は共通している。
製造国のカラーがスピーカーに反映される要素として、第一に母国語の発音の特徴、次に音楽風土がある。ヨーロッパでは、ながく音楽が教会や歌劇場、コンサートホール等の間接音成分の多い大空間の中にあった。対してアメリカでは、母国音楽をミュージックホールやクラブで間近に聴いてきた。
さらにオーディオ機器の「育ち」がある。ヨーロッパでスピーカーは、放送局やレコード産業と共に発展した。一方アメリカでは、ショービズとりわけトーキー映画の隆盛が発展をうながした。劇場育ちといっていい。
こうした出自を背景に、ヨーロッパ産スピーカーは音場と音像のバランスを追求し、アメリカは音像をクローズアップして明解な描線でリアルに描く。かつて都内の有名映画館のベテラン館主氏が「映画館の隅々、最後列の一番端のお客さんにまでセリフが飛んでこなければダメ。そうでないスピーカーは使えない」と語っていたことが思い出される。
消費市場のグローバル化と生産の海外移転もあり、スピーカーの地域色は20世紀ほどでない。しかし、製造国によるキャラクター差はいまもバックボーンとして存在する。ヨーロッパとアメリカのキャラクターを異にする二つのブランドを日本の音楽ファンが「自分の音」として選び、一、二位を分け合っているのは偶然ではない。
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