<高橋敦のハイエンドショウレポート>トライオード iPod対応DACへの期待
トライオードのブースは、同社のプレーヤーとアンプでスペンドールのスピーカーが鳴らされている。
筆者が訪れたタイミングでデモンストレーションされていたのは、プリメインアンプ「TRV-88SE」とやや大柄のブックシェルフスピーカー「SP2/3R」の組み合わせ。スペンドールらしいゆったりとした響きと端正な描写が見事に引き出されており、アンプの素直な特性を感じさせられた。
他にもセパレートシステムや大小のスピーカーが用意されており、それらを順次デモンストレーションしているようだ。
しかし今回の出展で特に目に留まったのは、メインシステムの脇に置かれた参考出品のDAコンバーター「TRV-DA1SE」。USB入力とiPod Dockを備え、現代的なニーズに応える仕様。しかし見た目は同社の他の製品と同系統の、温もりを感じさせる形状と質感だ。
コンセプトとルックスは非常に魅力的。完成版がどのような音を奏でてくれるのか、楽しみな一台である。
完実電気ブースのデモンストレーションシステムも気合いが入っていた。
プレーヤーはonixの「CD-5SE」。そこからフライングモールのプリアンプ「PA-S1」へとつなぎ、仕上げはモノラルパワーアンプ「DAD-M301」4台によるバイアンプ駆動。そのシステムでモニターオーディオの「PL-100」が鳴らされていた。さらに電源環境はPS AUDIOの「Power Plant Premier」で整えられているという、手抜かりのなさ。
タイミングが合わずに本格的なデモンストレーションは聴けなかったのだが、小音量でのウォームアップでも、その音の純度の高さを感じられた。ギターの音の粒立ちが明瞭で、心地よい抜け方をしていたのが印象的。
さて、今回出展されているスピーカーでいちばんの変わり種はファオンの「テナム」であろう。何と言うか、どこかの民族のパーカッションのようにも見える外観である。
それほど大柄ではないのだが、キャビネット(竹製)の鳴りを活かして遠くまで抜けるような響き方をし、サイズ以上のスケール感がある。
細かく言えば、抜けると言っても一直線の抜け方ではなく、全方位に音を飛び散らせるタイプ。そして響くと言っても尾を引く響き方ではなく、入力された音に瞬間的に反応して響き、下手な余韻は残さない。明朗快活、かつほどよく力の抜けた音と感じた。
(高橋敦)
執筆者プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。
筆者が訪れたタイミングでデモンストレーションされていたのは、プリメインアンプ「TRV-88SE」とやや大柄のブックシェルフスピーカー「SP2/3R」の組み合わせ。スペンドールらしいゆったりとした響きと端正な描写が見事に引き出されており、アンプの素直な特性を感じさせられた。
他にもセパレートシステムや大小のスピーカーが用意されており、それらを順次デモンストレーションしているようだ。
しかし今回の出展で特に目に留まったのは、メインシステムの脇に置かれた参考出品のDAコンバーター「TRV-DA1SE」。USB入力とiPod Dockを備え、現代的なニーズに応える仕様。しかし見た目は同社の他の製品と同系統の、温もりを感じさせる形状と質感だ。
コンセプトとルックスは非常に魅力的。完成版がどのような音を奏でてくれるのか、楽しみな一台である。
完実電気ブースのデモンストレーションシステムも気合いが入っていた。
プレーヤーはonixの「CD-5SE」。そこからフライングモールのプリアンプ「PA-S1」へとつなぎ、仕上げはモノラルパワーアンプ「DAD-M301」4台によるバイアンプ駆動。そのシステムでモニターオーディオの「PL-100」が鳴らされていた。さらに電源環境はPS AUDIOの「Power Plant Premier」で整えられているという、手抜かりのなさ。
タイミングが合わずに本格的なデモンストレーションは聴けなかったのだが、小音量でのウォームアップでも、その音の純度の高さを感じられた。ギターの音の粒立ちが明瞭で、心地よい抜け方をしていたのが印象的。
さて、今回出展されているスピーカーでいちばんの変わり種はファオンの「テナム」であろう。何と言うか、どこかの民族のパーカッションのようにも見える外観である。
それほど大柄ではないのだが、キャビネット(竹製)の鳴りを活かして遠くまで抜けるような響き方をし、サイズ以上のスケール感がある。
細かく言えば、抜けると言っても一直線の抜け方ではなく、全方位に音を飛び散らせるタイプ。そして響くと言っても尾を引く響き方ではなく、入力された音に瞬間的に反応して響き、下手な余韻は残さない。明朗快活、かつほどよく力の抜けた音と感じた。
(高橋敦)
執筆者プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。