2011年のアナログについても予想
【年末年始特別企画】季刊analog編集長・久我が振り返る2010年のアナログ界隈 − 注目製品を通して1年を総ざらい
輸入盤新譜アナログレコードを買うと、MP3データをダウンロードするためのURLが書かれたカードが入っていることが多い。個人的にこれはなぜだろうと思っていたが、iPodなどの携帯プレーヤー用だと教えられ、なるほど、と納得がいった。
アナログ全盛期に、ポータブルプレーヤーやカーオーディオ用に、レコードからカセットテープに録音(当時は「カセットに落とす」などと言っていましたね)していたのと同じことなのだ。家ではアナログレコード、外出先では携帯プレーヤーという使い分けが、若干かたちを変えて今も生きているのだということに気づき、感心してしまった。音楽の楽しみ方に、そう大きな変化はなかったのだ。
さて、2010年も面白いアナログ製品が多く登場した。
注目したいのは、国産MCカートリッジの新製品だ。
オーディオテクニカのAT33PTG/IIは、ロングランモデルのバージョンアップ機。振動系の軽量化による性能の向上が、すでに高く評価されている。
老舗コンポーネントブランドのアキュフェーズが久しぶりに発表したAC-5は、同ブランドのフォノイコライザーアンプC-27とのマッチングが図られた高級モデル。素材、構造に対しての老舗らしい取り組みが注目ポイントとなるだろう。
コイルの巻き線を換えた3バージョンが用意された、ZYXのR50Bloom限定モデルも注目機だ。3バージョンをセット販売するというのも、マニア心をくすぐる。
信号の入り口であるカートリッジに注目機が多いのは、アナログオーディオファンにとっては大歓迎。カートリッジによる音の違いを楽しむのは、アナログの醍醐味のひとつであるから(もちろん、カートリッジをひとつに決めて徹底的に追い込んでいく「求道型アナログ」も、アナログオーディオの楽しみ方です。誤解なきよう)。
たくさんのカートリッジの違いを楽しみたいファンにとって、ヘッドシェルごとカートリッジの交換のできるユニバーサル型トーンアームは必需品。長いオーディオの歴史の中では多くの銘機と呼ばれるアームが存在するが、現行モデルとなると選択肢は限られてくる。
ターンテーブルへの取り付けも簡単ではないので、ViV laboratoryの後付け型ストレートトーンアームRigid Floatは、カートリッジの交換が容易なアームを探しているファンにお薦めしたいモデル。汎用ヘッドシェルが使えるストレートアームというのも珍しい。
「求道型アナログ」ファンに注目してもらいたいのがTHALES TonarmのSIMPLICITY。高価なモデルだが、これまでのトーンアームの概念を変える製品といえるだろう。
ターンテーブルにも注目機は多いが、ここでは割愛させていただく。『季刊 analog』誌のバックナンバー、および今年度のアナロググランプリ受賞一覧を参考にしていただきたい。
2011年のアナログ関連製品はどうなるだろうか。
すでに各所で言われていることだが、ここ数年のアナログ機器の進化には、デジタル技術が大きく寄与している。2011年はさらに踏み込み、デジタル機器との融合が進むだろう。すでにいくつか製品が出現しているが、USB出力を持つフォノイコライザーアンプなどがその代表例である。オーディオ機器のデジタル化が進む中、いろいろなソースを楽しみたいというオーディオファンには歓迎されるものだと思う。
デジタル技術が進歩することでアナログの世界がより深化していく。これを楽しんでいくのが、これからのアナログファンなのではないだろうか。
(季刊 analog 編集長 久我智昭)
アナログ全盛期に、ポータブルプレーヤーやカーオーディオ用に、レコードからカセットテープに録音(当時は「カセットに落とす」などと言っていましたね)していたのと同じことなのだ。家ではアナログレコード、外出先では携帯プレーヤーという使い分けが、若干かたちを変えて今も生きているのだということに気づき、感心してしまった。音楽の楽しみ方に、そう大きな変化はなかったのだ。
さて、2010年も面白いアナログ製品が多く登場した。
注目したいのは、国産MCカートリッジの新製品だ。
オーディオテクニカのAT33PTG/IIは、ロングランモデルのバージョンアップ機。振動系の軽量化による性能の向上が、すでに高く評価されている。
老舗コンポーネントブランドのアキュフェーズが久しぶりに発表したAC-5は、同ブランドのフォノイコライザーアンプC-27とのマッチングが図られた高級モデル。素材、構造に対しての老舗らしい取り組みが注目ポイントとなるだろう。
コイルの巻き線を換えた3バージョンが用意された、ZYXのR50Bloom限定モデルも注目機だ。3バージョンをセット販売するというのも、マニア心をくすぐる。
信号の入り口であるカートリッジに注目機が多いのは、アナログオーディオファンにとっては大歓迎。カートリッジによる音の違いを楽しむのは、アナログの醍醐味のひとつであるから(もちろん、カートリッジをひとつに決めて徹底的に追い込んでいく「求道型アナログ」も、アナログオーディオの楽しみ方です。誤解なきよう)。
たくさんのカートリッジの違いを楽しみたいファンにとって、ヘッドシェルごとカートリッジの交換のできるユニバーサル型トーンアームは必需品。長いオーディオの歴史の中では多くの銘機と呼ばれるアームが存在するが、現行モデルとなると選択肢は限られてくる。
ターンテーブルへの取り付けも簡単ではないので、ViV laboratoryの後付け型ストレートトーンアームRigid Floatは、カートリッジの交換が容易なアームを探しているファンにお薦めしたいモデル。汎用ヘッドシェルが使えるストレートアームというのも珍しい。
「求道型アナログ」ファンに注目してもらいたいのがTHALES TonarmのSIMPLICITY。高価なモデルだが、これまでのトーンアームの概念を変える製品といえるだろう。
ターンテーブルにも注目機は多いが、ここでは割愛させていただく。『季刊 analog』誌のバックナンバー、および今年度のアナロググランプリ受賞一覧を参考にしていただきたい。
2011年のアナログ関連製品はどうなるだろうか。
すでに各所で言われていることだが、ここ数年のアナログ機器の進化には、デジタル技術が大きく寄与している。2011年はさらに踏み込み、デジタル機器との融合が進むだろう。すでにいくつか製品が出現しているが、USB出力を持つフォノイコライザーアンプなどがその代表例である。オーディオ機器のデジタル化が進む中、いろいろなソースを楽しみたいというオーディオファンには歓迎されるものだと思う。
デジタル技術が進歩することでアナログの世界がより深化していく。これを楽しんでいくのが、これからのアナログファンなのではないだろうか。
(季刊 analog 編集長 久我智昭)
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