中国最大のオーディオショウ

広州AVフェア2011レポート − アナログ&ネットワーク系など「プレーヤー系」の注目展示

公開日 2011/09/09 18:32 季刊・オーディオアクセサリー編集部:伊佐山 勝則
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9月2日から4日まで、3日間に渡って中国・広州を舞台に開催されたオーディオショウ「広州AVフェア2011」のレポートをお届けする。

同ショウは例年11月下旬に行われていたが、昨年から開催時期が9月初旬に変更された。2年ぶりに訪れた編集子は、この時期には初めて広州を訪れた。香港に隣接し、中国でもかなりの南西に位置することから、湿気を帯びた空気が重くて暑い。まさに南国という感じだ。そんな中で開催された同ショウであるが、会場となっている「ホワイトスワンホテル(広州白天鵝賓館)」は、例年以上のオーディオファンの熱気に包まれていた。


会場となっているホワイトスワンホテル(広州白天鵝賓館)の入り口にはショウの大きな看板が掲げられている

入場券を買い求める来場者が列をなしている
昨今の世界的な経済不況をもろともしない盛況ぶりで、参加メーカーが大幅に増えているのは、ホテルの使用スペースが1フロア分増えていることからも容易に把握できる。例年なら1日で全てのブースを見て回れたのだが、今年はまる2日間を要してしまったほどだ。

50元(約650円)の入場料にもかかわらず、どのブースも人で混み合っており、カメラを持って近づくことすら難しい状況。そんな中に大きすぎる音と、大きな声で話す人の声が交わり、たまらない状況になっている部屋も多く存在し、中国のオーディオファンの熱気に圧倒された。

参加メーカーの構成としては、管球アンプとスピーカーを中心とした中国国内のブランドが多数を占め、その他には台湾ブランドや欧米、日本の主力ブランドを取り扱う商社も軒を連ねていた。

記者がまず注目したのは、来場者が関心を寄せる再生メディアに大きな変化が出てきていることだ。アナログがブームの兆しを見せている。アナログ関連製品を扱うメーカーが増え、カートリッジやプレーヤー、トーンアームなどを実際に作る会社も出てきている。ただ、従来からアナログレコードをソース源のひとつとしているブースは例外として、製品の精度やセッティング方法などは発展途上という感じだ。CDなどのデジタル再生からブームが始まった中国のオーディオファンにとって、アナログはまだまだ未知数な部分が多いはずである。

一方、ネットオーディオの分野はスムーズに加速している感がある。各社がネットワークオーディオプレーヤーやUSB-DAC、USB入力を搭載したアンプなどを展示し、これらに若い世代のオーディオファンが大きな興味を示していた。ヘッドホンアンプや質の高いコンパクトなシステムも数多く展示されているが、音質はもちろん、外観的な仕上げも洗練されてきており、アジア圏はもちろん、欧米のオーディオファンにも今後話題となる製品が多く登場してくるだろう。

以下、イベントの模様と、会場で見つけた注目すべき製品の展示をフォトレポート形式でお伝えしよう。

プレゼント企画の景品として進呈されたLine Magnetic社のプリメインアンプ「LM-219IA」

スイスのハイエンドブランド、オルフェウスのブースで使われていたアナログプレーヤー。同ブースの関係者が製作したもので、売り物ではないそうだ


ドイツ、Reed社のトーンアーム。ウッド調のデザインが魅力。精度も高そうだ

中国(広東省東莞市)生まれのアナログブランド、LPAUDIOのブースではトーレンスのプレーヤーを使いオリジナルカートリッジ等をデモンストレーション


LPAUDIOでカートリッジを開発するWinfred Peng氏。今後の展開に注目が集まる

北京発consonanceブランドのユニークな形状のアナログプレーヤー。ダブルアームが搭載できる


ドイツBergmann社のアナログプレーヤー。精度の高いリニアトラッキングアームを搭載している。日本での販売が待ち遠しいブランドだ

中国のソフトメーカーではABC RECORDSが多くのアナログ盤をプロデュースしている


ユニークな形状のCDプレーヤーはポーランドのオーディオブランドTURTLE社のハイエンドCDプレーヤー「CD16」

中国YAOINの真空管式CDプレーヤー「SD-32A」


中国北京Original社のCDプレーヤー「CDA9.8MKII」。巨大なトップローディング。LPまで入りそうな大きさだ

カナダ発、LegendsoundのCDプレーヤー「CD4」。手前にあるスタビライザーは3種類から選べるのだろうか


中国の新ブランド、玄道の192kHz/24bit対応デジタルストリーマー。WAVファイルを再生していた

香港のStageline Technologyが開発したデジタル・ストリーム・ネットワーク・ミュージックサーバー「HDM-03」。USB、NASからのデータ(FLAC、WAV)に対応。CDからの外部入力も可能となっている


中国深せんにあるDUGOODブランドのUSB-DACとUSB-DDC。SDカード用のスロットを装備している。192kHz/24bitまで対応

同じくDUGOODブランドのワイヤレスDACとDDC。こちらも192kHz/24bitまで対応


日本でもお馴染みSHANLINGからもついにネットワークプレーヤー「M3.1」が登場。FLAC、WAVほか多くのファイルに対応でき、192kHz/24bitまで対応。写真右は192kHz/32bitまで対応できるDAC「H1.1」

台湾ブランド、LA Audioのプリメインアンプ「M-2」にはiPodドッグやUSB入力端子が装備されて、シンプルなデザインも好印象


中国を代表するブランドであるCAYINからもネットワークプレーヤーが登場。NASからのWAV/APE/FLAC等のデータ(192kHz/24bit)に対応でき、iPhoneやAndroid用の専用コントロールアプリも用意されている

スウェーデンのハイエンドブランド、BLADELIUSからもネットオーディオプレーヤーが登場。日本での発売が待たれる


英国ブランドMERIDIANからはデジタルメディアシステム「Media Core 200」を発表。500GBのハードディスクドライブを内蔵し、アナログ、SPDIFとメリディアンSpeakerLink出力を装備している

イタリア、パトス社の管球式プリメインアンプでUSB-DACを内蔵している。ヒートシンクにPATHOSの文字がデザインされている


北京のオーディオブランドで、5月の「ミュンヘンハイエンド2011」にも出展したQAT AUDIO TECHNOLOGY。同社はシンプルで美しいデザインのCDプレーヤーやプリメインアンプを手掛ける一方、ネットオーディオ製品も続々と登場させている。写真はミュージックサーバー「MS1」。1TBのSSDを搭載

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