USB-DACは5.6MHz DSD、192kHz/24bit PCMに対応
【試聴レビュー有】デノン、同社初のDSD対応USB-DAC内蔵ポタアン「DA-10」
デノンは、同社初となるUSB-DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「DA-10」を10月より発売する。価格はオープンだが45,000円前後での実売が予想される。
なお、明日7月19日に東京・中野サンプラザで開催される“ポタ研”「FUJIYA AVIC Presents ポータブルオーディオ研究会2014夏」では、DA-10の発表会が開催。一般来場者の参加も可能で、同社の企画/設計担当者に加え、オーディオライターの野村ケンジ氏が登場。製品の詳細や試聴インプレッションの紹介が行われる。こちらの詳細についてもPhile-webでレポートする予定だ。
■USB-DACは5.6MHz DSD、192kHz/24bit PCM再生に対応
DA-10が内蔵するUSB-DAC機能はアシンクロナスモードに対応し、5.6/2.8MHz DSD(ASIO、DoP)、192kHz/24bitまでのPCM再生が可能。対応OSはWindows(WASAPI対応)、Macとなる。PCからの入力は本体背面のmicro BタイプのUSB端子から行う。
なお、試作段階のDA-10デモ機のUSB-B端子にLightning - USBカメラアダプタ経由でiPhone 5sを接続したところ正常に認識し、ハイレゾ再生対応アプリ「Onkyo HF Player」から5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMを含むハイレゾ音源を再生することもできた。
iOS端末とのデジタル接続に対応したUSB-A入力も搭載。こちらは48kHz/24bitまでの入力に対応する。また、3.5mmステレオミニ端子によるアナログ入力(最大入力3V)も備えている。
■デノンが誇るアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」を搭載
本機はデノン独自のビット拡張&データ補完技術「Advanced AL32 Processing」を搭載。PCMで入力された16bitなどの音楽信号を32bit精度にアップコンバートするハイビット化処理し、さらに時間軸方向の情報量を拡大するために44.1kHzの信号を16倍、192kHzの信号を4倍にオーバーサンプリング処理する。この処理は単純な補間ではなく、音楽信号から本来あるべきデータを推測してデジタル変換の過程で失われた本来のアナログ信号の滑らかな波形の再現するもの。据え置きUSB-DACの「DA-300USB」(関連記事)や、フラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」(関連記事)にも搭載されている。なお、本機能はDSD信号には対応していない。
DACチップは5.6MHz DSD、192kHz/32bit PCMに対応したバー・ブラウンの4ch DAC「PCM1795」搭載。L/Rそれぞれに2chを使用し差動出力とすることで、S/N、ダイナミックレンジを大幅に改善できたとのこと。ちなみにこのDACチップはDA-300USBやDCD-SX1(SX1の場合はLRに1基ずつ搭載)でも採用された実績があるものだ。
さらに本機はポータブル機ながら、DACをマスターとして周辺回路にクロックを供給することで、デジタル回路の高精度な同期を実現する「DACマスター・クロック・デザイン」を採用。DACに供給するクロックの精度を最優先するために、DAC近傍にクロックモジュールを配置している。この技術も旗艦モデルDCD-SX1で培われ、DA-300USBでも採用されたものだ。
さらに、44.1kHz系と48kHz系で2系統のクロックを搭載する「デュアル・クロック」方式を採用。各クロック回路には、低位相ノイズクリスタルを用いている。USB伝送については、アシンクロナスモードに対応。このように、本機は低ジッター設計を徹底している。
■ハイ・インピーダンス機にも対応するヘッドホンアンプ部
ヘッドホンアンプ部には、低ノイズ、低歪のオペアンプとディスクリート電流バッファー回路を搭載。また、独立電源回路基板を採用し、ポータブル機ながらアナログ回路を±6.5Vの高電圧で駆動。さらにアナログ/デジタル独立電源とし、アナログ回路やD/Aコンバーターなど機能別に専用のレギュレーターを用いて相互干渉を防止している。同社によれば、本機のアンプ構成について「デバイス自体の音をそのまま出すのではなく、デノンとしての音作りをするために、回路設計やデバイス選定の自由度が高い構成を採用している」とのことだ。
また、ニチコン製のオーディオ用アルミニウム電解コンデンサー、標準的なチップ抵抗よりも低ノイズ・低歪みのメルフ抵抗など、各種パーツにもハイグレード品を奢っている。
ゲイン切り替えスイッチは「Normal」「High」(+12dB)から切り替えが可能で、ハイインピーダンスヘッドホンにも対応できる。対応インピーダンスは8〜600Ωとなる。同社によれば、このアンプ構成については、「デバイス自体の音をそのまま出すのではなく、デノンとしての音作りをするために、回路設計やデバイス選定の自由度が高い構成を採用した」とのことだ。
音量調整用のボリュームについては、アルミ無垢材を使用する。また、本体側面のスイッチから、ヘッドホン出力は可変(ヘッドホン)/固定(LINE)出力切り替えが可能。据え置き型のオーディオシステムにUSB-DACとして組み込むことも可能だ。
電源として大容量リチウムイオンバッテリーを内蔵。再生時間 はiPod接続時で7時間、AUX接続時で24時間となる。充電時間は、1A以上のUSB充電器を用いた場合で3.5時間、パソコンなどでした場合で6.5時間となる。本機を使用しながら充電することも可能だ。また、充電ON/OFF切り替えスイッチも備えている。
筐体にはヘアライン仕上げのアルミハウジングを採用する。そのほかの主なスペックについては、再生周波数範囲は2Hz〜100kHz、外形寸法は63W×23H×136Dmm、質量は240gとなる。
付属品として、長さ50cmのUSB(Micro B) − USB(A)ケーブル、長さ10cmのLightning − USB(A)ケーブル、Apple 30pinドックコネクタ − USB(A)ケーブル、3.5mmステレオミニプラグケーブルが同梱される。
■開発段階の試作モデルを編集部で試聴
なお、開発段階の試作モデルを編集部で試聴する機会を得た。音質は最終ではなく、しかも試聴後にさらに音質面でのアップデートが加えられたとのことだったが、簡単に視聴時の印象を記しておきたい。なお、ヘッドホンはSHUREの密閉型モデル「SRH1540」を組み合わせたが、ゲインが「Nomal」でボリュームが12時で十分な音量が得られた。
まずはパソコンを接続してハイレゾ音源を試聴。ノラ・ジョーンズ「Come Away Witm Me」(192kHz/24bit)は、ボーカルは音像が立体的で実在感があり、声の質感が生々しい。ギターの倍音も艶やかに響く。ベースは解像感と量感を両立していて心地良い。ジャック・ホワイト『Lazaretto』(44.1kHz/24bit)では、厚みのあるディストーション・ギターの粒立ちにきめ細やかさがあり、ドラムの余韻が消え入り際までリアルに描かれる。
iPhone 5sをLightning - USBカメラアダプタ経由で接続して同様のハイレゾ音源を再生すると、基本的な音質傾向はそのままに、やや整理された印象になった。iPhone 5SをUSB-A端子経由でデジタル接続してのCDリッピング音源の再生では、解像感が高く端正なサウンドを味わうことができた。
これらは試作機における記者のファーストインプレッションだが、ポータブル機ながら据え置きモデルDA-300USBに共通する、デノンらしいリッチで質感の豊かなサウンドと感じた。音質最終版が入手でき次第、本誌評論家に集中レポートをしていただく予定なのでご期待いただきたい。
なお、明日7月19日に東京・中野サンプラザで開催される“ポタ研”「FUJIYA AVIC Presents ポータブルオーディオ研究会2014夏」では、DA-10の発表会が開催。一般来場者の参加も可能で、同社の企画/設計担当者に加え、オーディオライターの野村ケンジ氏が登場。製品の詳細や試聴インプレッションの紹介が行われる。こちらの詳細についてもPhile-webでレポートする予定だ。
■USB-DACは5.6MHz DSD、192kHz/24bit PCM再生に対応
DA-10が内蔵するUSB-DAC機能はアシンクロナスモードに対応し、5.6/2.8MHz DSD(ASIO、DoP)、192kHz/24bitまでのPCM再生が可能。対応OSはWindows(WASAPI対応)、Macとなる。PCからの入力は本体背面のmicro BタイプのUSB端子から行う。
なお、試作段階のDA-10デモ機のUSB-B端子にLightning - USBカメラアダプタ経由でiPhone 5sを接続したところ正常に認識し、ハイレゾ再生対応アプリ「Onkyo HF Player」から5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMを含むハイレゾ音源を再生することもできた。
iOS端末とのデジタル接続に対応したUSB-A入力も搭載。こちらは48kHz/24bitまでの入力に対応する。また、3.5mmステレオミニ端子によるアナログ入力(最大入力3V)も備えている。
■デノンが誇るアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」を搭載
本機はデノン独自のビット拡張&データ補完技術「Advanced AL32 Processing」を搭載。PCMで入力された16bitなどの音楽信号を32bit精度にアップコンバートするハイビット化処理し、さらに時間軸方向の情報量を拡大するために44.1kHzの信号を16倍、192kHzの信号を4倍にオーバーサンプリング処理する。この処理は単純な補間ではなく、音楽信号から本来あるべきデータを推測してデジタル変換の過程で失われた本来のアナログ信号の滑らかな波形の再現するもの。据え置きUSB-DACの「DA-300USB」(関連記事)や、フラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」(関連記事)にも搭載されている。なお、本機能はDSD信号には対応していない。
DACチップは5.6MHz DSD、192kHz/32bit PCMに対応したバー・ブラウンの4ch DAC「PCM1795」搭載。L/Rそれぞれに2chを使用し差動出力とすることで、S/N、ダイナミックレンジを大幅に改善できたとのこと。ちなみにこのDACチップはDA-300USBやDCD-SX1(SX1の場合はLRに1基ずつ搭載)でも採用された実績があるものだ。
さらに本機はポータブル機ながら、DACをマスターとして周辺回路にクロックを供給することで、デジタル回路の高精度な同期を実現する「DACマスター・クロック・デザイン」を採用。DACに供給するクロックの精度を最優先するために、DAC近傍にクロックモジュールを配置している。この技術も旗艦モデルDCD-SX1で培われ、DA-300USBでも採用されたものだ。
さらに、44.1kHz系と48kHz系で2系統のクロックを搭載する「デュアル・クロック」方式を採用。各クロック回路には、低位相ノイズクリスタルを用いている。USB伝送については、アシンクロナスモードに対応。このように、本機は低ジッター設計を徹底している。
■ハイ・インピーダンス機にも対応するヘッドホンアンプ部
ヘッドホンアンプ部には、低ノイズ、低歪のオペアンプとディスクリート電流バッファー回路を搭載。また、独立電源回路基板を採用し、ポータブル機ながらアナログ回路を±6.5Vの高電圧で駆動。さらにアナログ/デジタル独立電源とし、アナログ回路やD/Aコンバーターなど機能別に専用のレギュレーターを用いて相互干渉を防止している。同社によれば、本機のアンプ構成について「デバイス自体の音をそのまま出すのではなく、デノンとしての音作りをするために、回路設計やデバイス選定の自由度が高い構成を採用している」とのことだ。
また、ニチコン製のオーディオ用アルミニウム電解コンデンサー、標準的なチップ抵抗よりも低ノイズ・低歪みのメルフ抵抗など、各種パーツにもハイグレード品を奢っている。
ゲイン切り替えスイッチは「Normal」「High」(+12dB)から切り替えが可能で、ハイインピーダンスヘッドホンにも対応できる。対応インピーダンスは8〜600Ωとなる。同社によれば、このアンプ構成については、「デバイス自体の音をそのまま出すのではなく、デノンとしての音作りをするために、回路設計やデバイス選定の自由度が高い構成を採用した」とのことだ。
音量調整用のボリュームについては、アルミ無垢材を使用する。また、本体側面のスイッチから、ヘッドホン出力は可変(ヘッドホン)/固定(LINE)出力切り替えが可能。据え置き型のオーディオシステムにUSB-DACとして組み込むことも可能だ。
電源として大容量リチウムイオンバッテリーを内蔵。再生時間 はiPod接続時で7時間、AUX接続時で24時間となる。充電時間は、1A以上のUSB充電器を用いた場合で3.5時間、パソコンなどでした場合で6.5時間となる。本機を使用しながら充電することも可能だ。また、充電ON/OFF切り替えスイッチも備えている。
筐体にはヘアライン仕上げのアルミハウジングを採用する。そのほかの主なスペックについては、再生周波数範囲は2Hz〜100kHz、外形寸法は63W×23H×136Dmm、質量は240gとなる。
付属品として、長さ50cmのUSB(Micro B) − USB(A)ケーブル、長さ10cmのLightning − USB(A)ケーブル、Apple 30pinドックコネクタ − USB(A)ケーブル、3.5mmステレオミニプラグケーブルが同梱される。
■開発段階の試作モデルを編集部で試聴
なお、開発段階の試作モデルを編集部で試聴する機会を得た。音質は最終ではなく、しかも試聴後にさらに音質面でのアップデートが加えられたとのことだったが、簡単に視聴時の印象を記しておきたい。なお、ヘッドホンはSHUREの密閉型モデル「SRH1540」を組み合わせたが、ゲインが「Nomal」でボリュームが12時で十分な音量が得られた。
まずはパソコンを接続してハイレゾ音源を試聴。ノラ・ジョーンズ「Come Away Witm Me」(192kHz/24bit)は、ボーカルは音像が立体的で実在感があり、声の質感が生々しい。ギターの倍音も艶やかに響く。ベースは解像感と量感を両立していて心地良い。ジャック・ホワイト『Lazaretto』(44.1kHz/24bit)では、厚みのあるディストーション・ギターの粒立ちにきめ細やかさがあり、ドラムの余韻が消え入り際までリアルに描かれる。
iPhone 5sをLightning - USBカメラアダプタ経由で接続して同様のハイレゾ音源を再生すると、基本的な音質傾向はそのままに、やや整理された印象になった。iPhone 5SをUSB-A端子経由でデジタル接続してのCDリッピング音源の再生では、解像感が高く端正なサウンドを味わうことができた。
これらは試作機における記者のファーストインプレッションだが、ポータブル機ながら据え置きモデルDA-300USBに共通する、デノンらしいリッチで質感の豊かなサウンドと感じた。音質最終版が入手でき次第、本誌評論家に集中レポートをしていただく予定なのでご期待いただきたい。
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