USB再生は11.2MHz DSDにも対応

エソテリック、デュアルモノDAC採用のSACDプレーヤー「K-05X」「K-07X」

公開日 2015/02/17 20:01 ファイル・ウェブ編集部
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エソテリックは、USB-DACを内蔵するSACDプレーヤー「K-05X」「K-07X」を2月25日より発売する。価格は「K-05X」が580,000円、「K-07」が430,000円(いずれも税抜)。

「K-05X」

「K-07X」

一体型SACDプレーヤーの「Kシリーズ」は、昨年7月に最上位「K-01X」、および「K-03X」が旗艦モデルGrandiosoの技術を引き継ぐ最新「X」ラインとして登場。今回、シリーズ中堅の「K-05」「K-07」も「X」へと進化したかたちだ。なお、K-05XとK-07Xの違いは搭載するドライブメカが異なる点のみで、それ以外の仕様は基本的に共通。またUSB-DACは、11.2MHz DSDの再生にも対応した。

K-05Xはディスク回転時の面振れを補正して読み取り精度を高めるオリジナル・ドライブメカ“VRDS-NEO”「VMK-5」を搭載。ターンテーブルには、回転時の慣性を最小化するために高精度アルミニウムとポリカーボネートによるハイブリッドタイプを採用している。ブリッジ部は、内部損失の高い高剛性BMC(BulkMolding Compound)素材とスチールによるハイブリッド構造により、回転振動を大幅に減衰。スピンドルモーターは回転検出信号を使った高度なサーボコントロールを行うことで、読み取り精度を高めている。また、トレーの開閉からディスククランプまでの動作を独自技術の差動ギア方式で行い、滑らかなディスク・ローディング動作を実現している。

K-05Xに搭載の“VRDS-NEO”「VMK-5」

K-07Xは、Grandiosoをはじめとする上位モデルと同一の軸摺動型ピックアップを採用した独自ドライブメカ「VOSP」をを搭載。レンズ移動にレーザーの光軸を垂直方向に維持させることで、高精度な信号読み取りを実現する。メカニズムのハウジング部には8mm厚スチールによる大口径スタビライザーを装着し、メカニズムの剛性を高め、ディスクの高速回転による振動を排除。安定したデータ読み出しを可能としている。

K-07Xに搭載の「VOSP」

USB-DACについては、K-01XとK-03XがPCMで最大384kHz/32bit、DSDが5.6/2.8MHzに対応していたが、K-05X/K-07Xでは11.2MHzの再生にも対応。DSDはASIO2.1およびDoPによる再生が可能だ。

DACデバイスは、旭化成の32bit DAC「AK4490」を搭載し、左右チャンネルごとに差動4回路/8出力のパラレル/ディファレンシャル構成を採用。回路規模は従来モデルの倍で、さらなるリニアリティーと低ノイズ化を達成したとのこと。このDAC部とアナログ出力回路はデュアル・モノ構成をとっており、デジタル信号処理回路から左右対象に配置。優れたチャンネル・セパレーションを狙っている。

デジタル信号処理部およびデュアルモノ構成のD/Aコンバーター部

さらには「Grandioso C1」に搭載されたEDLC(スーパーキャパシター)を用いた安定化電源も搭載。チャンネルあたり合計500,000μFの容量を備えており、特に低域再生でその効果を発揮する。また、32bit DACデバイスを複数個組み合わせ、34bit PCM信号をアナログ信号へ変換する「34bit D/Aプロセッシング・アルゴリズム」を採用。ハイビットの階調を活かすと共に演算誤差を最小にとどめることで、より忠実なアナログ変換を行う。

Kシリーズの「X」バージョンについては、アナログ出力回路のブラッシュアップがひとつの特徴。K-05XとK-07Xは、高い電流伝送能力とドライブ力を持つ「ESOTERIC-HCLD Type2」バッファーアンプ回路をチャンネルあたり2回路搭載する。XLR出力の場合はディファレンシャル(差動)、RCA出力の場合はパラレル(並列)駆動させている。

K-05Xはカスタム仕様の大型トロイダル・トランスを採用。K-07Xについてはやはりカスタムされた大型EIコア・トランスを採用する。いずれも複数の大型コンデンサーを組み合わせることで、各回路ブロックへ安定したクリーンな電源を供給する。

K-05Xの電源部

クロック回路には、両モデル共にVCXO(電圧制御型水晶発振器)を採用。特にK-05Xについては、水晶振動子メーカー大手と共同開発した大型のカスタムVCXOを搭載しており、±0.5ppmの精度と位相雑音の低減を実現したという。

クロックシンク機能も搭載。同社のマスタークロックジェネレーター「G-01」「G-02」などと接続することで、本機の動作を外部からのクロック信号と同期させることができる。入力可能周波数は44.1/88.2/176.4kHzに加えて、10MHz・22MHzダイレクトマスタークロックLINKにも対応。また、PCM信号を最大8倍にアップコンバートする機能や、DSDへ変換する機能も備える。

PCM信号に対しては4種類のデジタルフィルターを搭載。FIR型を2種類、ショートディレイ型も2種類備えている。またデジタルフィルターを経由しないデジタルフィルターOFFモードもPCM用、DSD用それぞれに用意する。

アナログ出力はXLR端子、RCA端子を1系統ずつ搭載。デジタル入力はUSBに加えて光/同軸デジタルを各1系統、デジタル出力も光/同軸デジタルを各1系統搭載する。

K-05X・K-07Xの共通仕様は以下の通り。周波数特性は5Hz〜70kHz(-3dB)、S/Nは117dB、歪率は0.0007%(1kHz)。外形寸法は445W×131H×355Dmm、質量は約14kg。専用リモコンも付属する。

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  • ジャンルSACDプレーヤー/トランスポート
  • ブランドESOTERIC
  • 型番K-05X
  • 発売日2015年2月25日
  • 価格¥580,000(税抜)
【SPEC】●再生可能ディスク:SACD,CD(CD-R/-RW対応) ●出力端子:アナログ音声出力(XLR/RCA)×各1、光/同軸デジタル音声出力×各1 ●周波数特性:5Hz〜70kHz(-3dB) ●S/N比:117dB ●歪率:0.0007%(1kHz) ●入力端子:光/同軸デジタル×各1、BNC×1、USB ●入力可能周波数(±15ppm):44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、10/22.5792/24.576MHz ●消費電力:15W ●外形寸法:445W×131H×355Dmm(突起部含む) ●質量:約14kg
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  • 型番K-07X
  • 発売日2015年2月25日
  • 価格¥430,000(税抜)
【SPEC】●再生可能ディスク:SACD,CD(CD-R/-RW対応) ●出力端子:アナログ音声出力(XLR/RCA)×各1、光/同軸デジタル音声出力×各1 ●周波数特性:5Hz〜70kHz(-3dB) ●S/N比:117dB ●歪率:0.0007%(1kHz) ●入力端子:光/同軸デジタル×各1、BNC×1、USB ●入力可能周波数(±15ppm):44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、10/22.5792/24.576MHz ●消費電力:27W ●外形寸法:445W×131H×355Dmm(突起部含む) ●質量:約14kg