全国各地でイベント開催
テクニクス/ナガオカ/東洋化成、アナログレコードの楽しみを伝えるコラボプロジェクト発足
アリス=紗良・オットさんは「テクニクスの『Rediscover Music』というスローガンに共感しています。というのは、クラシック演奏家も古い音楽に対峙し、譜面のなかから『音楽を再発見する』存在だからです。特にOTTAVAは、自分が目指しているような音を届けられて気に入っています」とコメント。
「私はウィスキーが好きなんですが、アナログレコードの音ってウィスキーに合う気がします。どこか懐かしい感じで、聴いていて『音に陶酔する』ような感覚ですね。いま自宅のアナログプレーヤーの針が壊れてしまっているので、直さないと(笑)」と、アナログならではの音の魅力についても語った。
鈴木慶一氏と和田博巳氏は、お互いのオススメ盤を持参してSL-1200GAEで試聴。鈴木氏はモービルフィデリティ盤のGrateful Dead「Box of Rain」を再生。和田氏は、はちみつぱいの再結成ライブを5月に控えていることもあり「まだ練習できてない曲を聴きたい(笑)」と、1stアルバム「センチメンタル通り」から「薬屋さん」をセレクトした。
和田氏は「はちみつぱいとSL-1200シリーズ初代機のデビューはほぼ同じ時期なんです。ブランド休止を経て登場したSL-1200GAEはコギングの問題も解決され、たぶんこの価格帯では世界最強のプレーヤーだと思います」とその性能を評価。
ピーター・バラカン氏は、「FMヨコハマでアナログレコードしかかけないラジオ番組を3月までやってたんです。放送を通してだと音の違いが伝わるだろうかと心配していたんですが、リスナーの方は違いが分かったとおっしゃってくれて、アナログはやっぱり音がいいんだなと。CD/ハイレゾ/アナログを聴き比べることもあるけど、何故かいつも最終的にアナログがいちばんいいなと感じるんですよね。いまアナログが盛り上がってきていますけど、ブームになると廃れやすいから殊更にプッシュしたくないな。でも、若い人も聴くようになって、音楽の聴き方も丁寧になったらいいなと思います」とコメント。持参したデレク・アンド・ザ・ドミノス「レイラ」や、藤本氏のビートルズのSP盤を、目を輝かせながら聴いていた。
イベント参加者には、特別にプレスされたアナログ盤がプレゼントされた。残念ながらかなり限られた枚数しかプレスされておらず、たとえば今後ユーザーにプレゼントされるといった展開があるかも未定だという。
ジャケットを開くとテクニクス チーフエンジニアの井谷哲也氏や、カッティングを行った東洋化成の手塚和己氏/西谷俊介氏、ナガオカでレコード針を製造する増川裕子氏のコメントが記されている。
アナログ盤のA面にはアリス=紗良・オットさんが弾くグリーク「抒情小曲集」より「蝶々」、大橋トリオ「愛で君はきれいになる」「赤いフィグ」、moonriders「Mt.,Kx」、Controversial Spark「Hello Mutants」を収録。B面には左右バランスや位相特性、回転むらなどをチェックできるトラックや、蒸気機関車やレーシングカーなどの効果音が収められている。
別会場には「SL-1200GAE」の試聴ルームも用意。特別アナログ盤の音を確かめたり、搭載されたパーツを確認したりすることができた。