日本のアクセサリーブランドも人気
韓国の一大オーディオイベント「Seoul International Audio Show」レポート
韓国・ソウルにて3月2日 - 4日の3日間、オーディオイベント「Seoul International Audio Show(SIAS)」が開催された。その模様をレポートしたい。
SIASを主催するのは「ハイファイクラブ」という韓国でも有数のハイファイオーディオファンのためのウェブサイト。SIASは主に輸入商社が中心となって出展する、韓国の一大オーディオイベントである。場所は「COEX」と呼ばれるカンナム地域にある巨大カンファレンスホールで、ショッピングモールに映画館、水族館、ホテルやカジノまで併設した一大商業エリアである。
今年は初の試みとしてポータブル関連を中心に扱う「MoFi」というイベントも同時共催。ハイファイファンからポータブルファンまで、幅広いオーディオファンを集めるイベントとなっていた。
SIASをざっと見て回ると、それぞれのブースの様子は日本のオーディオイベントと大きな差はなく、輸入商社やメーカーがそれぞれに部屋を展開して試聴を行なっている。年齢層は日本のオーディオイベントと比べると若く30代から40代が中心、ポータブル関連にはさらに若い層が多数来場していた。また家族連れや女性二人組といった来場者も多く、非常に広い世代にオーディオという趣味が浸透していることを感じさせた。
デモに使われる音楽ソースはCD、アナログ、データ再生と幅広い。レコードに力を入れる商社もあるが、日本よりもネットワークの環境が充実していることもあり、ストリーマーやPCを活用したデジタル再生を積極的に行うブースが目立った。再生ソフトウェアとして「Roon」を活用しているデモンストレーションも多く、デジタルファイル再生が身近なものとして根づいていることを感じさせた。
いくつかの輸入商社に話を聞いたが、口を揃えて話すのは「韓国も経済状況はあまり良くない。特に若い人の仕事がない」ということ。そんな中でやはりハイファイオーディオの市場も縮小しつつあることを危惧しており、いかに新しいユーザーを捉えるかということを課題として考えているようだ。
最大のブースを展開していたのは「ROYCO」。ロサンゼルスで経験を積んだトーマス・チャン氏が韓国に戻り設立した会社で、マッキントッシュやB&W、LINN、OCTAVE、audioquestなど、日本でも人気の高いメーカーを多数取り扱うオーディオの総合商社だ。日本からはTAOC製品を取り扱っている。
マーケティングマネージャーのロン・チャン氏に話を聞くと、やはりハイエンドの市場は経済状況と連動しているようで、景気の良い時はJEFF ROWLANDやDanD'Agostinoなどが売れているが、今のように景気の良くない時は、B&Wやマッキントッシュといった「定番」のブランドの動きが売れるという。
ROYCOでは「お客様に寄り添った提案」をモットーとしており、予算や様々なシチュエーションに合わせたプランを提案している。そのためにも、昨年に自社でショールームを設立するなど、オーディオファンが音楽を楽しめる場所を提供している。
「CHESS AUDIO」も韓国の代表的な輸入商社であり、TIDALのスピーカーやブリキャスティ・デザイン、マイテック・デジタル、日本からはスペックやテレガートナーといった先鋭的なアイテムの取り扱いを行なっている。代表のシン・スンポ氏も韓国の経済状況の厳しさについて言及しつつ、今のハイファイ製品が韓国のユーザーにとっては「値段が高すぎる」ことを心配している。しかし、あくまでオーディオは「夢」を提供する場であり、将来の新しいユーザーへのアプローチを積極的に考えていきたいと語っていた。
その他、同イベントでは日本のアクセサリーブランドも人気があり、オヤイデ電気やフルテックのケーブル類、KRYNAのケーブルインシュレーターのHelca1などが展示され、大きな注目を集めていた。
YAMAHAはオーディオだけではなく、音楽やゲームを楽しめるミニブースを複数用意し、家族連れやカップルも楽しみやすいイベントに仕上げていた。
女性ヴォーカルをフィーチャーしたライブイベントや、福袋のような形でソフトやアイテムがもらえる「LUCKY BAG」など、来場者を楽しませる仕掛けをさまざま展開していた。
その他、会場で見つけた興味深いアイテムやブースを写真で紹介する。
==SUMMERY IN ENGLISH==
From March 2nd to 4th, Seoul International Audio Show(SIAS) was held in COEX, which is the big conference hall in Gangnam Area.
SIAS is the biggest Hi-Fi audio show in Korea.The host of this show is Hi-Fi Club, the Korean famous website for Audio-Philes.And this year, MoFi -the Portable audio event- is held together.
Most of visitors of this show is 30's-40's male, but families and women groups came to the show. At MoFi, younger groups were coming for enjoying music.
At SIAS, all kinds of music sources were used in demonstrations, such as Compact Discs, Vinyls, and also digital files. Many booths use ROON -the network-based music software-, because it is not special for Koreans to use network for audio.
I talked with several distributors in Korea, and they all said "Korean economy is not so good. Younger people have no job." Hi-Fi audio market is shrinking now, so they are worrying about the future of audio culture.They all struggle for catching new generations.
ROYCO had 3 rooms for this show. One big room is for display, and two rooms for listening. ROYCO was founded by Thomas Chong, who studied in LosAngels and back to Korea for spreading audio culture. ROYCO deals many famous brands, such as MacIntosh, B&W, LINN, OCTAVE, audioquest, and so on. I interviewed Ron Chong, the son of Thomas Chang. He said that the Hi-Fi audio market is linked with economic conditions, now it is not so in a good situation. But ROYCO has made a new showroom for audio-philes, not for selling, just listening. They always think about customer's situation and budget, then plan a best audio system for each customers.
CHESS AUDIO is also a distributor in Korea, dealing TIDAL speakers, bricasti design, mytek digital, Telegartner and so on.The CEO, Shim Sung-bo also worried about the severe situation of Korean economy, and the Hi-Fi products are so expensive. But he thinks that Audio provides "Dreams" to everyone.
Many visitors were enjoying LIVE event and LUCKY BAGs.
SIASを主催するのは「ハイファイクラブ」という韓国でも有数のハイファイオーディオファンのためのウェブサイト。SIASは主に輸入商社が中心となって出展する、韓国の一大オーディオイベントである。場所は「COEX」と呼ばれるカンナム地域にある巨大カンファレンスホールで、ショッピングモールに映画館、水族館、ホテルやカジノまで併設した一大商業エリアである。
今年は初の試みとしてポータブル関連を中心に扱う「MoFi」というイベントも同時共催。ハイファイファンからポータブルファンまで、幅広いオーディオファンを集めるイベントとなっていた。
SIASをざっと見て回ると、それぞれのブースの様子は日本のオーディオイベントと大きな差はなく、輸入商社やメーカーがそれぞれに部屋を展開して試聴を行なっている。年齢層は日本のオーディオイベントと比べると若く30代から40代が中心、ポータブル関連にはさらに若い層が多数来場していた。また家族連れや女性二人組といった来場者も多く、非常に広い世代にオーディオという趣味が浸透していることを感じさせた。
デモに使われる音楽ソースはCD、アナログ、データ再生と幅広い。レコードに力を入れる商社もあるが、日本よりもネットワークの環境が充実していることもあり、ストリーマーやPCを活用したデジタル再生を積極的に行うブースが目立った。再生ソフトウェアとして「Roon」を活用しているデモンストレーションも多く、デジタルファイル再生が身近なものとして根づいていることを感じさせた。
いくつかの輸入商社に話を聞いたが、口を揃えて話すのは「韓国も経済状況はあまり良くない。特に若い人の仕事がない」ということ。そんな中でやはりハイファイオーディオの市場も縮小しつつあることを危惧しており、いかに新しいユーザーを捉えるかということを課題として考えているようだ。
最大のブースを展開していたのは「ROYCO」。ロサンゼルスで経験を積んだトーマス・チャン氏が韓国に戻り設立した会社で、マッキントッシュやB&W、LINN、OCTAVE、audioquestなど、日本でも人気の高いメーカーを多数取り扱うオーディオの総合商社だ。日本からはTAOC製品を取り扱っている。
マーケティングマネージャーのロン・チャン氏に話を聞くと、やはりハイエンドの市場は経済状況と連動しているようで、景気の良い時はJEFF ROWLANDやDanD'Agostinoなどが売れているが、今のように景気の良くない時は、B&Wやマッキントッシュといった「定番」のブランドの動きが売れるという。
ROYCOでは「お客様に寄り添った提案」をモットーとしており、予算や様々なシチュエーションに合わせたプランを提案している。そのためにも、昨年に自社でショールームを設立するなど、オーディオファンが音楽を楽しめる場所を提供している。
「CHESS AUDIO」も韓国の代表的な輸入商社であり、TIDALのスピーカーやブリキャスティ・デザイン、マイテック・デジタル、日本からはスペックやテレガートナーといった先鋭的なアイテムの取り扱いを行なっている。代表のシン・スンポ氏も韓国の経済状況の厳しさについて言及しつつ、今のハイファイ製品が韓国のユーザーにとっては「値段が高すぎる」ことを心配している。しかし、あくまでオーディオは「夢」を提供する場であり、将来の新しいユーザーへのアプローチを積極的に考えていきたいと語っていた。
その他、同イベントでは日本のアクセサリーブランドも人気があり、オヤイデ電気やフルテックのケーブル類、KRYNAのケーブルインシュレーターのHelca1などが展示され、大きな注目を集めていた。
YAMAHAはオーディオだけではなく、音楽やゲームを楽しめるミニブースを複数用意し、家族連れやカップルも楽しみやすいイベントに仕上げていた。
女性ヴォーカルをフィーチャーしたライブイベントや、福袋のような形でソフトやアイテムがもらえる「LUCKY BAG」など、来場者を楽しませる仕掛けをさまざま展開していた。
その他、会場で見つけた興味深いアイテムやブースを写真で紹介する。
==SUMMERY IN ENGLISH==
From March 2nd to 4th, Seoul International Audio Show(SIAS) was held in COEX, which is the big conference hall in Gangnam Area.
SIAS is the biggest Hi-Fi audio show in Korea.The host of this show is Hi-Fi Club, the Korean famous website for Audio-Philes.And this year, MoFi -the Portable audio event- is held together.
Most of visitors of this show is 30's-40's male, but families and women groups came to the show. At MoFi, younger groups were coming for enjoying music.
At SIAS, all kinds of music sources were used in demonstrations, such as Compact Discs, Vinyls, and also digital files. Many booths use ROON -the network-based music software-, because it is not special for Koreans to use network for audio.
I talked with several distributors in Korea, and they all said "Korean economy is not so good. Younger people have no job." Hi-Fi audio market is shrinking now, so they are worrying about the future of audio culture.They all struggle for catching new generations.
ROYCO had 3 rooms for this show. One big room is for display, and two rooms for listening. ROYCO was founded by Thomas Chong, who studied in LosAngels and back to Korea for spreading audio culture. ROYCO deals many famous brands, such as MacIntosh, B&W, LINN, OCTAVE, audioquest, and so on. I interviewed Ron Chong, the son of Thomas Chang. He said that the Hi-Fi audio market is linked with economic conditions, now it is not so in a good situation. But ROYCO has made a new showroom for audio-philes, not for selling, just listening. They always think about customer's situation and budget, then plan a best audio system for each customers.
CHESS AUDIO is also a distributor in Korea, dealing TIDAL speakers, bricasti design, mytek digital, Telegartner and so on.The CEO, Shim Sung-bo also worried about the severe situation of Korean economy, and the Hi-Fi products are so expensive. But he thinks that Audio provides "Dreams" to everyone.
Many visitors were enjoying LIVE event and LUCKY BAGs.
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