上位機の技術を投入して大幅な進化を実現
DALI、定番ハイコスパ・スピーカー「ZENSOR」フル刷新。「OBERONシリーズ」新登場
ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱うデンマークのDALIブランドの新製品として、従来の「ZENSOR」シリーズの後継となるスピーカーシステム「OBERONシリーズ」6モデルを9月下旬より発売する。
ZENSOR(センソール)シリーズは2011年の登場以来、世界的にヒットしたスピーカーシステム。コンパクトなブックシェルフ型「ZENSOR 1」をはじめ、エントリー価格帯スピーカーの代名詞として日本においても価格帯でトップクラスの人気を誇っている。今回このZENSORがフルモデルチェンジとなり、後継として「OBERON(オベロン)」が登場した形だ。ラインナップは以下の通り。
<フロア型スピーカー>
・「OBERON7」78,000円/1本(税抜)
・「OBERON5」115,000円/ペア(税抜)
<ブックシェルフスピーカー>
・「OBERON3」80,000円/ペア(税抜)
・「OBERON1」57,000円/ペア(税抜)
<センタースピーカー>
・「OBERON/VOKAL」80,000円/1本(税抜)
<オンウォール・スピーカー>
「OBERON/ONWALL」54,000円/ペア(税抜)
上位モデルで採用されていたSMCマグネットシステム採用ウーファーをこのクラスで初めて搭載、トゥイーターを新規設計するなどZENSORから大幅な進化を果たした。また、本機の全ユニットは同社工場で内製されている。価格についてはZENSORから130%程度アップした(ZENSORの価格)。なお、DALIは日本も含めて全世界共通プライスで製品を展開する。
ZENSORはライトウォールナット/ブラックアッシュの2色展開だった。対してOBERONは、ダークウォールナット/ブラックアッシュ/ライトオーク/ホワイトの4色で展開される。新型グリルの採用などデザインもブラッシュアップされた。
発表に先立って開催されたプレス向け内覧会では、同社のシニアサウンドマネージャーであり、テクニカルサポートを担当する澤田龍一氏より製品の詳細が説明された。
「OBERON」というシリーズ名はシェイクスピアの戯曲「真夏の夜の夢」などでも取り上げられている、ヨーロッパ伝承の妖精王「オベロン」に由来しているとのこと。語尾を“〜ON”として上位モデルと語感を統一できることがこの名前が採用された理由なのだという。
現在のDALIのスピーカーラインナップは、SMCを初採用したフラグシップ「EPICON」を筆頭に、「RUBICON」「OPTICON」を上位シリーズとして展開。それに次ぐのがこのOBERONになる。なお、さらに下位にはエントリーシリーズ「SPEKTOR」が用意されている。
■SMCマグネット・システムを採用したウーファーをクラス初搭載
OBERONは音質を従来モデルから飛躍的に向上させること目指して開発が行われた。また、ZENSORがDALIに大きな売上をもたらしたこともあり、OBERONの開発に従来以上のコストやリソースが投入されたという。サウンド面での大きなポイントとしては「SMCマグネット・システムを採用したウーファー」「新設計のソフトドームトゥイーター」などが挙げられる。
ウーファーユニットには、DALIのブランドアイコンとも言うべきウッドファイバー・コーン・ウーファーが用いられている。その名の通り、高分子パルプと木の繊維(ウッドファイバー)を配合した素材を振動板に用いており、表面にはクリアコーティングがなされている。均等な振動特性により自然な音を再現し、微細な信号にも反応できるとしている。
これらウーファーユニットでは、同社が特許を持つ低歪み磁気回路技術「SMCマグネット・システム」が新採用された。SMCマグネット・システムはこれまで上位モデルのみに用いられており、このクラスで採用されたのは初めて。
化学的に絶縁処理をした砂鉄から製造されるSMC(ソフト・マグネティック・コンパウンド)をポールピースの一部に使用。これにより磁気回路内部で発生する磁気変調とエディカレント(渦電流)を低減するこが可能になり、3次高調波歪を大幅に抑制。中音域の歪み感を改善するなど高音質化を実現する。
なお、上位クラスの製品と比較してSMCを用いる部位は限定されているが(例えばEPICONではボイスコイルの外側にもSMCを用いてる)、その分製造コストを抑えることにつながっているという。
4層巻きのCCAW(銅被覆アルミニウム)ボイスコイルを採用したことも特徴。一般的な2層巻きから巻き数をアップさせつつ、CCAWを用いることで銅線巻きコイルに比べて質量を半分まで落とすことができ、低域の駆動力の向上と中低域の特性改善の両方を実現するという。なお、OBERON/ONWALLのみ2層巻きCCAWを採用する。
■トゥイーターを大口径化。高域再生限界も大きく伸ばした
トゥイーターは、シリーズ全モデルに29mmソフトドーム・トゥイーターを採用。これは一般的な25mm(1インチ)トゥイーターに比べて大口径であり、従来のZENSORも25mm口径のトゥイーターを採用していた。この大口径化により、1kHz付近の3次高調波歪みを10dB前後も改善できたとのこと。この1kHz付近はトゥイーターの担当としては低い帯域だが、これがウーファーの中音域特性の改善と相まって、ボーカルの鮮明さを向上させたのだという。
また、澤田氏はOBERONの高域再生限界を実際に測定。ZENSORの高域再生限界が23kHz付近だったのに対して、OBERONは32kHzまで再生ができていることに驚かされたという。さらに30kHzまでフラットに再生が行え、「大口径化というと低い周波数に有利なのは想像に難くないが、高域にも恩恵を与えている」と語っていた。
トゥイーターを配置するプレートは放射性に優れた新型を採用。トゥイータードーム内の反響を抑えるための吸音材については、OBERONではソフトフェルトの本格的なアブソーバーがポールピーストップに配置されている。この吸音材は低価格モデルではより簡略されることも多く、澤田氏は「エントリークラスでも決して手を抜かないDALIの姿勢が現れている」と評していた。
高剛性MDFによるエンクロージャーを採用。フロア型モデルでは内部補強材も効果的に配置されている。従来モデルでは1種類のみの吸音材でチューニングを行っていたが、OBERONでは2種類の吸音材を適材適所に用いている。
また、ZENSORではフロントに配置していたバスレフポートをリア配置に変更(OBERON/VOKALのみフロントポート)。ポートの外側/内側両端の開口部はが広がるフレア形状に仕上げている。これによりエアフローが改善し、ノイズの低減にもつながったという。
本体色はダークウォールナット/ブラックアッシュ/ライトオーク/ホワイトの4色で展開。グリルのデザインも刷新され、ダークウォールナット/ブラックアッシュにはシャドウブラック、ライトオーク/ホワイトにはマウンテングレイのグリルが付属する。
■各モデルのスペック
各モデルのスペックは以下の通り。
OBERON7の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、180mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は36Hz〜26kHz。能率は88.5dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は30〜180W。外形寸法は200W×1,015H×340Dmm、質量約14.8kg。
OBERON5の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は39Hz〜26kHz。能率は88.5dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は30〜150W。外形寸法は162W×830H×283Dmm、質量約10.8kg。
OBERON3の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、180mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は47Hz〜26kHz。能率は87dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は25〜100W。外形寸法は200W×350H×315Dmm、質量約6.3kg。
OBERON1の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は51Hz〜26kHz。能率は86dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は25〜100W。外形寸法は162W×274H×234Dmm、質量約4.2kg。
OBERON/ONWALLの構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は55Hz〜26kHz。能率は86.5dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は25〜100W。外形寸法は245W×385H×120Dmm、質量約4.9kg。
OBERON/VOKALの構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は47Hz〜26kHz。能率は89.5dB/2.83V/m、インピーダンスは4Ω、推奨アンプ出力は25〜150W。外形寸法は295W×385H×161Dmm、質量約7.45kg。
ZENSOR(センソール)シリーズは2011年の登場以来、世界的にヒットしたスピーカーシステム。コンパクトなブックシェルフ型「ZENSOR 1」をはじめ、エントリー価格帯スピーカーの代名詞として日本においても価格帯でトップクラスの人気を誇っている。今回このZENSORがフルモデルチェンジとなり、後継として「OBERON(オベロン)」が登場した形だ。ラインナップは以下の通り。
<フロア型スピーカー>
・「OBERON7」78,000円/1本(税抜)
・「OBERON5」115,000円/ペア(税抜)
<ブックシェルフスピーカー>
・「OBERON3」80,000円/ペア(税抜)
・「OBERON1」57,000円/ペア(税抜)
<センタースピーカー>
・「OBERON/VOKAL」80,000円/1本(税抜)
<オンウォール・スピーカー>
「OBERON/ONWALL」54,000円/ペア(税抜)
上位モデルで採用されていたSMCマグネットシステム採用ウーファーをこのクラスで初めて搭載、トゥイーターを新規設計するなどZENSORから大幅な進化を果たした。また、本機の全ユニットは同社工場で内製されている。価格についてはZENSORから130%程度アップした(ZENSORの価格)。なお、DALIは日本も含めて全世界共通プライスで製品を展開する。
ZENSORはライトウォールナット/ブラックアッシュの2色展開だった。対してOBERONは、ダークウォールナット/ブラックアッシュ/ライトオーク/ホワイトの4色で展開される。新型グリルの採用などデザインもブラッシュアップされた。
発表に先立って開催されたプレス向け内覧会では、同社のシニアサウンドマネージャーであり、テクニカルサポートを担当する澤田龍一氏より製品の詳細が説明された。
「OBERON」というシリーズ名はシェイクスピアの戯曲「真夏の夜の夢」などでも取り上げられている、ヨーロッパ伝承の妖精王「オベロン」に由来しているとのこと。語尾を“〜ON”として上位モデルと語感を統一できることがこの名前が採用された理由なのだという。
現在のDALIのスピーカーラインナップは、SMCを初採用したフラグシップ「EPICON」を筆頭に、「RUBICON」「OPTICON」を上位シリーズとして展開。それに次ぐのがこのOBERONになる。なお、さらに下位にはエントリーシリーズ「SPEKTOR」が用意されている。
■SMCマグネット・システムを採用したウーファーをクラス初搭載
OBERONは音質を従来モデルから飛躍的に向上させること目指して開発が行われた。また、ZENSORがDALIに大きな売上をもたらしたこともあり、OBERONの開発に従来以上のコストやリソースが投入されたという。サウンド面での大きなポイントとしては「SMCマグネット・システムを採用したウーファー」「新設計のソフトドームトゥイーター」などが挙げられる。
ウーファーユニットには、DALIのブランドアイコンとも言うべきウッドファイバー・コーン・ウーファーが用いられている。その名の通り、高分子パルプと木の繊維(ウッドファイバー)を配合した素材を振動板に用いており、表面にはクリアコーティングがなされている。均等な振動特性により自然な音を再現し、微細な信号にも反応できるとしている。
これらウーファーユニットでは、同社が特許を持つ低歪み磁気回路技術「SMCマグネット・システム」が新採用された。SMCマグネット・システムはこれまで上位モデルのみに用いられており、このクラスで採用されたのは初めて。
化学的に絶縁処理をした砂鉄から製造されるSMC(ソフト・マグネティック・コンパウンド)をポールピースの一部に使用。これにより磁気回路内部で発生する磁気変調とエディカレント(渦電流)を低減するこが可能になり、3次高調波歪を大幅に抑制。中音域の歪み感を改善するなど高音質化を実現する。
なお、上位クラスの製品と比較してSMCを用いる部位は限定されているが(例えばEPICONではボイスコイルの外側にもSMCを用いてる)、その分製造コストを抑えることにつながっているという。
4層巻きのCCAW(銅被覆アルミニウム)ボイスコイルを採用したことも特徴。一般的な2層巻きから巻き数をアップさせつつ、CCAWを用いることで銅線巻きコイルに比べて質量を半分まで落とすことができ、低域の駆動力の向上と中低域の特性改善の両方を実現するという。なお、OBERON/ONWALLのみ2層巻きCCAWを採用する。
■トゥイーターを大口径化。高域再生限界も大きく伸ばした
トゥイーターは、シリーズ全モデルに29mmソフトドーム・トゥイーターを採用。これは一般的な25mm(1インチ)トゥイーターに比べて大口径であり、従来のZENSORも25mm口径のトゥイーターを採用していた。この大口径化により、1kHz付近の3次高調波歪みを10dB前後も改善できたとのこと。この1kHz付近はトゥイーターの担当としては低い帯域だが、これがウーファーの中音域特性の改善と相まって、ボーカルの鮮明さを向上させたのだという。
また、澤田氏はOBERONの高域再生限界を実際に測定。ZENSORの高域再生限界が23kHz付近だったのに対して、OBERONは32kHzまで再生ができていることに驚かされたという。さらに30kHzまでフラットに再生が行え、「大口径化というと低い周波数に有利なのは想像に難くないが、高域にも恩恵を与えている」と語っていた。
トゥイーターを配置するプレートは放射性に優れた新型を採用。トゥイータードーム内の反響を抑えるための吸音材については、OBERONではソフトフェルトの本格的なアブソーバーがポールピーストップに配置されている。この吸音材は低価格モデルではより簡略されることも多く、澤田氏は「エントリークラスでも決して手を抜かないDALIの姿勢が現れている」と評していた。
高剛性MDFによるエンクロージャーを採用。フロア型モデルでは内部補強材も効果的に配置されている。従来モデルでは1種類のみの吸音材でチューニングを行っていたが、OBERONでは2種類の吸音材を適材適所に用いている。
また、ZENSORではフロントに配置していたバスレフポートをリア配置に変更(OBERON/VOKALのみフロントポート)。ポートの外側/内側両端の開口部はが広がるフレア形状に仕上げている。これによりエアフローが改善し、ノイズの低減にもつながったという。
本体色はダークウォールナット/ブラックアッシュ/ライトオーク/ホワイトの4色で展開。グリルのデザインも刷新され、ダークウォールナット/ブラックアッシュにはシャドウブラック、ライトオーク/ホワイトにはマウンテングレイのグリルが付属する。
■各モデルのスペック
各モデルのスペックは以下の通り。
OBERON7の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、180mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は36Hz〜26kHz。能率は88.5dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は30〜180W。外形寸法は200W×1,015H×340Dmm、質量約14.8kg。
OBERON5の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は39Hz〜26kHz。能率は88.5dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は30〜150W。外形寸法は162W×830H×283Dmm、質量約10.8kg。
OBERON3の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、180mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は47Hz〜26kHz。能率は87dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は25〜100W。外形寸法は200W×350H×315Dmm、質量約6.3kg。
OBERON1の構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は51Hz〜26kHz。能率は86dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は25〜100W。外形寸法は162W×274H×234Dmm、質量約4.2kg。
OBERON/ONWALLの構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は55Hz〜26kHz。能率は86.5dB/2.83V/m、インピーダンスは6Ω、推奨アンプ出力は25〜100W。外形寸法は245W×385H×120Dmm、質量約4.9kg。
OBERON/VOKALの構成は29mmソフトドーム・トゥイーター1基、130mmウッドファイバー・ミッドレンジ/ウーファー2基の2Wayリアバスレフ型。周波数特性は47Hz〜26kHz。能率は89.5dB/2.83V/m、インピーダンスは4Ω、推奨アンプ出力は25〜150W。外形寸法は295W×385H×161Dmm、質量約7.45kg。
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