IFA2019発表モデルがついに日本導入
ソニーの超弩級ニアフィールドスピーカー「SA-Z1」、税抜78万円で6/20に国内発売
ソニーは、2019年9月に開催されたIFAで海外発表していたニアフィールドアクティブスピーカー「SA-Z1」の日本市場導入を発表。6月20日に78万円(税抜)で発売する。
同社の高級オーディオ商品シリーズ “Signature Series(シグネチャーシリーズ)”に連なる製品。ドイツ・ベルリンで開催されたIFA2019において「欧州で2020年4月発売」として発表されていたモデルの国内発売が決定した格好だ。なお、ファイルウェブではIFA現地からの音質レビュー記事、および開発者インタビュー記事も掲載しているので、あわせてご覧いただきたい。
ヘッドホンリスニングのような直接耳に届く解像度の高い情報量の再現と、スピーカーリスニングでの目の前に広がる空間イメージの再現を両立させる第三のリスニングスタイルとして、ニアフィールドリスニングを選択。部屋の音響特性などの影響も受けにくく、近距離での音楽再生は音圧(能率)的にも有利と同社はコンセプトを説明している。
最大でDSD 22.MHzおよびPCM 768kHz/32bitまでのハイレゾ音源に対応し、そうした音源を高品位に再生するべく「D.A. Hybrid Amplifier Corcuit(D.A.ハイブリッドアンプ)」をさらに進化させるなど、様々なこだわりを投入した。
まずD.A.ハイブリッドアンプは、半導体の素材として新たにGan(窒化ガリウム)を採用。スピーカーユニットをドライブするにはヘッドホンの数十倍の大電流を高速に供給することが必要で、従来のMOS-FETでは性能に限界があったことから波形に誤差成分が生じると説明。GaN-FETの採用によって理想的な波形を実現したという。
また、S-Master HXを含むD.A.ハイブリッドアンプで理想的な処理を行うため、内部のプログラミングで論理回路を自由に構成できる集積回路「FPGA」(Field Programmable Gate Array)を採用。FPGAを左右チャンネルそれぞれに搭載し、理想的な信号処理プログラムを実装することで、16ch独立駆動制御によるタイムアライメントコントロールを含め、D.A.ハイブリッドアンプの実力を最大限引き出せるよう配慮した。
スピーカーユニットは、トゥイーターとウーファーを同軸で配置。合わせて、FPGAプロセッサーとマルチアンプ構成で音を出すタイミングを制御し、ユニット位置と時間の両面から音の波面を揃えるよう配慮している。
なお、ユニット位置は機械加工による部品精度を上げ、組立時の精度も追い込むことで、メインウーファーとトゥイーターの同軸精度をミクロン単位で調整し、点音源化を図った。ウーファーでは専用冶具によりボイスコイルとヨークを位置決めし、トゥイーター振動板とウーファー振動板を同軸上に高精度に合わせて位置決めしている。
左右のスピーカー間は専用のデジタル同期ケーブルで通信。高精度のマスタークロックを用いて左右スピーカーを共通クロックで動作させて音声遅延量を計測・補正、それぞれのスピーカー内のドライバー直近までデジタル信号のまま伝送し、高精細にデジタル音声処理を行うことで、左右間の音声のゼロレイテンシー伝送を実現したとしている。
ウーファーは2基を対向配置。前面をメインウーファー、背面側をアシストウーファーとして使用し、互いの振動をキャンセルする構造を採用することで、筐体が振動しないよう工夫した。ウーファーユニット2基を横から見たとき、楽器の鼓のように見えることから、「Tsuzumi」という名称にした。
また、アシストウーファーから音を放出する音道を筐体側面に配置。アシストウーファーの低音を横方向に放出することで、自然な低域の再現を図っている。
ウーファーユニットは本機用に新開発したもの。振動板背面側に十分なエアフローを確保することで、振動板周辺に発生する乱気流を防ぎ、低歪とリニアリティーの高い振動板動作の実現を狙ったほか、新開発の分割マグネット構造によってボイスコイル周辺の気圧の変化を減らし、強力かつ均一な磁場がボイスコイルをリニアに駆動するようにしている。
そして、トゥイーターには独自の「I-ARRAY」システムを採用。メイントゥイーター1基とアシストトゥイーター2基の計3基を縦一列に配置して組み合わせることで、広い指向性と十分な音圧、高い解像度を実現したとしている。
トゥイーターユニットも新開発したもの。チタンスパッタリングを施したり、ボイスコイルの設計を最適化するなどで、100kHzまでの広帯域再生と、シャープでリニアなレスポンスを実現した。
加えて、「バランスドライブ構造」を採用。これは、振動板の重量や空気負荷が均一になる点を駆動することで分割振動をコントロールするもの。重心を駆動することを重視した構造となっている。また、高剛性かつ高音速な接着剤の採用と接着剤の少量塗布化技術により、振動部の軽量化も実現した。これらによって「ハイレゾフォーマットのすべてを表現する正確な音を実現する」とアピールしている。
筐体は6枚の分厚いアルミ板を、伝統的な木組み方法を応用して組み合わせたアルミエンクロージャーを採用し、振動を抑制。さらに、ソニーのハイエンド製品に付与される「ES」型番を持つESシリーズから継承したFBシャーシにウォール構造を追加した「FBW(Frame,Beam and Wall)シャーシ」を採用した。同シャーシではアルミ押し出し材からNC加工でメカ寸法精度を上げたウォールを追加することで、さらなる振動遮断を図っている。
FBWシャーシには電気回路部を収納。このFBWシャーシとスピーカーのエンクロージャーとをアーム型のブリッジで接続する構造にすることで、電気回路にスピーカーの振動が伝わらないようにした。
また、筐体背面にはヒートシンクを装備。ヒートシンクも一体の煙突構造にすることで不要な共振の低減を図っている。
ソフト面では、8倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターや「DSEE HX」、PCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換する「DSDマスタリングエンジン」を搭載。ノイズフィルターに、一気に8倍のサンプリングレートに信号を変換するフィルター構成を採用することで、精度の高いオーバーサンプリングを行えるようにするなどしている。
DSEE HXは、音楽ファイルの高音域を補完するとともに、サンプリング周波数とビットレートを本来の数値より高める機能。新たにAI技術を用いることで曲のタイプを自動で判別し、高音域の補完性能をさらに向上させているという。
また、D.A.ハイブリッドアンプ、Tsuzumiウーファー、I-Arrayトゥイーターの動作方法を物理的に切り替えられるスイッチを搭載。DSP処理ではなく物理的に動作方法を切り替えるため、信号劣化なく音の質感を微調整できる。
同機能のスイッチは「D.A.ASSIST」「A.WF MOTION」「A.WF FREQ RANGE」「A.TW TIME ALI」の4種類から選べる。例えば「D.A.ASSIST」では、デジタルアンプのみ信号を増幅してアナログアンプは誤差訂正信号のみを出力する「Standard」と、デジタルアンプの増幅信号にアナログアンプの増幅信号をブレンドする「Blended」を切り替えられる。
「A.WF MOTION」はアシストウーファーの動作を選択するもの。メインウーファーとアシストウーファーがそれぞれ反対の方向に動作する「Active」か、アシストウーファーは電気的に固定され、メインウーファーのみ動作する「Fixed」を選べる。
「A.WF FREQ RANGE」は、アシストウーファーの周波数範囲を選択できる機能。標準設定の「Standard」、周波数範囲を狭める「Narrow」、周波数範囲を広げる「Wide」の3種類を用意している。
「A.TW TIME ALI」はアシストトゥイーターのタイムアライメントに関する設定。すべてのユニットのタイムアライメントが完全に揃った状態の「SYNC」、メインウーファーに対してアシストトゥイーターの音をより早く出す「ADVANCE」、メインウーファーに対してアシストトゥイーターの音をより遅く出す「DELAY」を切り替えられる。
入力端子はUSB-B、ウォークマン用端子、OPTICAL角型、ステレオミニ、XLRバランス、RCAアンバランスを用意。USB端子がDSD 22.4MHzとPCM 784kHz/32bit入力、ウォークマン端子はDSD 11.2MHzとPCM 384kHz/32bit、OPTICALがPCM 96kHzまで対応している。
そのほか、Lch/Rchの切り替えスイッチも装備。スピーカーを左右逆にしても設置できるようにし、セッティングやケーブルの取り回しといったユーザー個々人の状況に合わせやすいよう配慮している。
同社の高級オーディオ商品シリーズ “Signature Series(シグネチャーシリーズ)”に連なる製品。ドイツ・ベルリンで開催されたIFA2019において「欧州で2020年4月発売」として発表されていたモデルの国内発売が決定した格好だ。なお、ファイルウェブではIFA現地からの音質レビュー記事、および開発者インタビュー記事も掲載しているので、あわせてご覧いただきたい。
ヘッドホンリスニングのような直接耳に届く解像度の高い情報量の再現と、スピーカーリスニングでの目の前に広がる空間イメージの再現を両立させる第三のリスニングスタイルとして、ニアフィールドリスニングを選択。部屋の音響特性などの影響も受けにくく、近距離での音楽再生は音圧(能率)的にも有利と同社はコンセプトを説明している。
最大でDSD 22.MHzおよびPCM 768kHz/32bitまでのハイレゾ音源に対応し、そうした音源を高品位に再生するべく「D.A. Hybrid Amplifier Corcuit(D.A.ハイブリッドアンプ)」をさらに進化させるなど、様々なこだわりを投入した。
まずD.A.ハイブリッドアンプは、半導体の素材として新たにGan(窒化ガリウム)を採用。スピーカーユニットをドライブするにはヘッドホンの数十倍の大電流を高速に供給することが必要で、従来のMOS-FETでは性能に限界があったことから波形に誤差成分が生じると説明。GaN-FETの採用によって理想的な波形を実現したという。
また、S-Master HXを含むD.A.ハイブリッドアンプで理想的な処理を行うため、内部のプログラミングで論理回路を自由に構成できる集積回路「FPGA」(Field Programmable Gate Array)を採用。FPGAを左右チャンネルそれぞれに搭載し、理想的な信号処理プログラムを実装することで、16ch独立駆動制御によるタイムアライメントコントロールを含め、D.A.ハイブリッドアンプの実力を最大限引き出せるよう配慮した。
スピーカーユニットは、トゥイーターとウーファーを同軸で配置。合わせて、FPGAプロセッサーとマルチアンプ構成で音を出すタイミングを制御し、ユニット位置と時間の両面から音の波面を揃えるよう配慮している。
なお、ユニット位置は機械加工による部品精度を上げ、組立時の精度も追い込むことで、メインウーファーとトゥイーターの同軸精度をミクロン単位で調整し、点音源化を図った。ウーファーでは専用冶具によりボイスコイルとヨークを位置決めし、トゥイーター振動板とウーファー振動板を同軸上に高精度に合わせて位置決めしている。
左右のスピーカー間は専用のデジタル同期ケーブルで通信。高精度のマスタークロックを用いて左右スピーカーを共通クロックで動作させて音声遅延量を計測・補正、それぞれのスピーカー内のドライバー直近までデジタル信号のまま伝送し、高精細にデジタル音声処理を行うことで、左右間の音声のゼロレイテンシー伝送を実現したとしている。
ウーファーは2基を対向配置。前面をメインウーファー、背面側をアシストウーファーとして使用し、互いの振動をキャンセルする構造を採用することで、筐体が振動しないよう工夫した。ウーファーユニット2基を横から見たとき、楽器の鼓のように見えることから、「Tsuzumi」という名称にした。
また、アシストウーファーから音を放出する音道を筐体側面に配置。アシストウーファーの低音を横方向に放出することで、自然な低域の再現を図っている。
ウーファーユニットは本機用に新開発したもの。振動板背面側に十分なエアフローを確保することで、振動板周辺に発生する乱気流を防ぎ、低歪とリニアリティーの高い振動板動作の実現を狙ったほか、新開発の分割マグネット構造によってボイスコイル周辺の気圧の変化を減らし、強力かつ均一な磁場がボイスコイルをリニアに駆動するようにしている。
そして、トゥイーターには独自の「I-ARRAY」システムを採用。メイントゥイーター1基とアシストトゥイーター2基の計3基を縦一列に配置して組み合わせることで、広い指向性と十分な音圧、高い解像度を実現したとしている。
トゥイーターユニットも新開発したもの。チタンスパッタリングを施したり、ボイスコイルの設計を最適化するなどで、100kHzまでの広帯域再生と、シャープでリニアなレスポンスを実現した。
加えて、「バランスドライブ構造」を採用。これは、振動板の重量や空気負荷が均一になる点を駆動することで分割振動をコントロールするもの。重心を駆動することを重視した構造となっている。また、高剛性かつ高音速な接着剤の採用と接着剤の少量塗布化技術により、振動部の軽量化も実現した。これらによって「ハイレゾフォーマットのすべてを表現する正確な音を実現する」とアピールしている。
筐体は6枚の分厚いアルミ板を、伝統的な木組み方法を応用して組み合わせたアルミエンクロージャーを採用し、振動を抑制。さらに、ソニーのハイエンド製品に付与される「ES」型番を持つESシリーズから継承したFBシャーシにウォール構造を追加した「FBW(Frame,Beam and Wall)シャーシ」を採用した。同シャーシではアルミ押し出し材からNC加工でメカ寸法精度を上げたウォールを追加することで、さらなる振動遮断を図っている。
FBWシャーシには電気回路部を収納。このFBWシャーシとスピーカーのエンクロージャーとをアーム型のブリッジで接続する構造にすることで、電気回路にスピーカーの振動が伝わらないようにした。
また、筐体背面にはヒートシンクを装備。ヒートシンクも一体の煙突構造にすることで不要な共振の低減を図っている。
ソフト面では、8倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターや「DSEE HX」、PCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換する「DSDマスタリングエンジン」を搭載。ノイズフィルターに、一気に8倍のサンプリングレートに信号を変換するフィルター構成を採用することで、精度の高いオーバーサンプリングを行えるようにするなどしている。
DSEE HXは、音楽ファイルの高音域を補完するとともに、サンプリング周波数とビットレートを本来の数値より高める機能。新たにAI技術を用いることで曲のタイプを自動で判別し、高音域の補完性能をさらに向上させているという。
また、D.A.ハイブリッドアンプ、Tsuzumiウーファー、I-Arrayトゥイーターの動作方法を物理的に切り替えられるスイッチを搭載。DSP処理ではなく物理的に動作方法を切り替えるため、信号劣化なく音の質感を微調整できる。
同機能のスイッチは「D.A.ASSIST」「A.WF MOTION」「A.WF FREQ RANGE」「A.TW TIME ALI」の4種類から選べる。例えば「D.A.ASSIST」では、デジタルアンプのみ信号を増幅してアナログアンプは誤差訂正信号のみを出力する「Standard」と、デジタルアンプの増幅信号にアナログアンプの増幅信号をブレンドする「Blended」を切り替えられる。
「A.WF MOTION」はアシストウーファーの動作を選択するもの。メインウーファーとアシストウーファーがそれぞれ反対の方向に動作する「Active」か、アシストウーファーは電気的に固定され、メインウーファーのみ動作する「Fixed」を選べる。
「A.WF FREQ RANGE」は、アシストウーファーの周波数範囲を選択できる機能。標準設定の「Standard」、周波数範囲を狭める「Narrow」、周波数範囲を広げる「Wide」の3種類を用意している。
「A.TW TIME ALI」はアシストトゥイーターのタイムアライメントに関する設定。すべてのユニットのタイムアライメントが完全に揃った状態の「SYNC」、メインウーファーに対してアシストトゥイーターの音をより早く出す「ADVANCE」、メインウーファーに対してアシストトゥイーターの音をより遅く出す「DELAY」を切り替えられる。
入力端子はUSB-B、ウォークマン用端子、OPTICAL角型、ステレオミニ、XLRバランス、RCAアンバランスを用意。USB端子がDSD 22.4MHzとPCM 784kHz/32bit入力、ウォークマン端子はDSD 11.2MHzとPCM 384kHz/32bit、OPTICALがPCM 96kHzまで対応している。
そのほか、Lch/Rchの切り替えスイッチも装備。スピーカーを左右逆にしても設置できるようにし、セッティングやケーブルの取り回しといったユーザー個々人の状況に合わせやすいよう配慮している。
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