全国から90台以上の車両が集結
カーオーディオの一年を占う「まいど大阪 春のプチ車音祭」レポート! 春のスタートダッシュはハイレベル
去る4月2日(日)、関西の大型カーオーディオコンテスト「まいど大阪 春のプチ車音祭2023」が開催された。北は青森から南は九州まで、全国から90台以上の車両が集結したこのイベントの模様をレポートしよう。
「春まいど」は、近い大阪府堺市の海沿い、「海とのふれあい広場」の第2駐車場で開催されている。海に面した広い公園の一画で、シャープの本社も近く開けた海風が心地よい。天候も上々で昼間は汗ばむほどの陽気のもと、全国各地から集結した車両がその「サウンドチューニング」のスキルを競い合った。
改めて説明すると、昨今全国各地で開催される「カーオーディオコンテスト」とは、運転席にコンテスト審査員が座り、事前に定められた複数の課題曲を試聴、そのハイファイ的なサウンドクオリティを競うものとなっている。
特にこの「春まいど」は、年の最初に開催される大型イベントであり、いわば一年を占う重要な位置付けとなる。冬の間に車を買い替えたり、カーオーディオシステムを一新したエントラントが、現在の到達点を発表する場としても注目される。エントリー台数は90台以上、ダブル/トリプルエントリーを含めると総勢150以上にのぼり、全国から気合の入った車両が集結した。
小原由夫氏、土方久明氏、山之内 正氏の3名のオーディオ評論家が審査に参加。「エキスパートクラス」は3名の審査員による平均点での審査が行われる他、各評論家クラスも用意。さらに、価格帯別に4クラスが用意されており、Aクラスはジパング道祖尾さん、Bクラスはサウンドフリークス佐藤さん、Cクラスはイングラフの木村さんとパラダ北畑さん、Dクラスはガレージショウウェイ吉岡さんとルロワ小山さんと、全国の実力ショップのインストーラーがジャッジを行う。
今回の課題曲は2曲。『SHANTI with String Quartet LIVE』から、Tr.6の「Hard Times Come Again No More」と、ウィーンの名奏者たちが集まる『Live From Vienna』から、Tr.8「レスピーギ:教会のステンドグラス(Church Windows)」の2曲。
「レスピーギ」については、小原氏も「非常に良い課題曲です」と語り、さまざまな楽器が入っているのでその違いの描き分けや、サウンドステージの広がり感など、オーナーの力量の差が現れやすいポイントがたくさん含まれた楽曲であると太鼓判を押す。一方のSHANTIのライヴ録音は、ヴォーカルの伸びやかさや色艶、それにバックミュージシャンとの親密さや臨場感などがポイントとなる。
基準車のひとつとして、AV Kansaiが用意したオレンジカラーも眩しいジャガー「F-TYPE クーペ」が登場。ロシアのオーディオブランド RESOLUT(リゾルト)のDSPが音作りの決め手になっているということで、SHANTIの冒頭の弦の艶やかさや、声の色気の表現は背筋にゾクッとしたものを感じるほど。
審査員として何度も参加している小原氏は「特に今年は、全体的にレベルが高い車が揃っている」と絶賛。また、山之内氏は「ウィーン・フィルの奏者のスキルをうまく引き出しているかどうかが勝敗を分けるポイントになります」とコメント。ホルンの精妙な表現はややもすると平面的でベタっとした音にもなりがちだが、うまく調整されている車はそのふくよかさを存分に味わえて、音そのものの愉悦を感じさせてくれる。
取材を進める中、いくつか印象に残った車を紹介しよう。エキスパートクラスで優勝を飾った米田清隆さん、車はアウディの「RS6」。AV Kansai天王寺店のチューニングであるが、とにかく楽器の鳴りのふくよかさが印象的で、ウィーン・フィルの管楽器はここまでの表現力を持っていたのか、と多くの気づきをもたらしてくれる。SHANTIのヴォーカルはまさに眼前で歌ってくれているようで、音楽の世界に完全に没頭してしまう。
スバル・フォレスターで参加した近藤利枝さん。ダイナミックで上下左右の広がりの豊かさが特徴的で、オーナーの明るい人柄がそのまま現れているよう。「前日のサウンドミーティングでアドバイスいただいたことを踏まえて、直前までさらに音を追い込んで挑みました!」と気合たっぷり。
トヨタ・プリウスαで参加した沖野義幸さんは、なんと自作PCにfoobar2000をインストールし、リモートコントロールで操作する独自のシステムで参戦。「電源にもこだわって、ゲーミングPCレベルのハイスペックを追求しました!」と力を込める。DAPをトランスポートに使うエントラントが多い中で、“自作”だからこそ実現できるこだわりを追求できるのも、カーオーディオならではの楽しみだ。
メーカー各社からもデモカーが登場した。佐藤商事のデモカーは、DYNAUDIOが得意とする濃密な湿度感を情感豊かに表現するし、三菱・アウトランダーによるmorelのデモカーでは華やかで彩豊かなサウンドでドライブが楽しくなるような車を展示。ブランドの個性的なサウンド作りを競い合う。
また、山梨県に拠点を置くローヤル産業は、DEERブランドのカースピーカーのラインナップを「RJ-II」に進化させ、アウディ「Q5」に取り付けて出展。ダイヤフラムに新規開発のカーボン繊維紙を採用したことが大きな特徴で、デモカーは背面のサブウーファーも含む4ウェイで構成。精緻な音作りをさらに洗練させていることを感じられた。
表彰式は、それぞれのコースごとに上位10位までが入賞となり、名前を呼ばれると入賞の盾が手渡される。「海とのふれあい広場」は17時には完全撤収しなければならないため、かなり駆け足での表彰式となったことは残念だったが、審査員からの一言コメントは今後のチューニングの参考にもなる。それぞれに手応えをつかみ、帰路に着いていった。
「春まいど」は、近い大阪府堺市の海沿い、「海とのふれあい広場」の第2駐車場で開催されている。海に面した広い公園の一画で、シャープの本社も近く開けた海風が心地よい。天候も上々で昼間は汗ばむほどの陽気のもと、全国各地から集結した車両がその「サウンドチューニング」のスキルを競い合った。
改めて説明すると、昨今全国各地で開催される「カーオーディオコンテスト」とは、運転席にコンテスト審査員が座り、事前に定められた複数の課題曲を試聴、そのハイファイ的なサウンドクオリティを競うものとなっている。
特にこの「春まいど」は、年の最初に開催される大型イベントであり、いわば一年を占う重要な位置付けとなる。冬の間に車を買い替えたり、カーオーディオシステムを一新したエントラントが、現在の到達点を発表する場としても注目される。エントリー台数は90台以上、ダブル/トリプルエントリーを含めると総勢150以上にのぼり、全国から気合の入った車両が集結した。
小原由夫氏、土方久明氏、山之内 正氏の3名のオーディオ評論家が審査に参加。「エキスパートクラス」は3名の審査員による平均点での審査が行われる他、各評論家クラスも用意。さらに、価格帯別に4クラスが用意されており、Aクラスはジパング道祖尾さん、Bクラスはサウンドフリークス佐藤さん、Cクラスはイングラフの木村さんとパラダ北畑さん、Dクラスはガレージショウウェイ吉岡さんとルロワ小山さんと、全国の実力ショップのインストーラーがジャッジを行う。
今回の課題曲は2曲。『SHANTI with String Quartet LIVE』から、Tr.6の「Hard Times Come Again No More」と、ウィーンの名奏者たちが集まる『Live From Vienna』から、Tr.8「レスピーギ:教会のステンドグラス(Church Windows)」の2曲。
「レスピーギ」については、小原氏も「非常に良い課題曲です」と語り、さまざまな楽器が入っているのでその違いの描き分けや、サウンドステージの広がり感など、オーナーの力量の差が現れやすいポイントがたくさん含まれた楽曲であると太鼓判を押す。一方のSHANTIのライヴ録音は、ヴォーカルの伸びやかさや色艶、それにバックミュージシャンとの親密さや臨場感などがポイントとなる。
基準車のひとつとして、AV Kansaiが用意したオレンジカラーも眩しいジャガー「F-TYPE クーペ」が登場。ロシアのオーディオブランド RESOLUT(リゾルト)のDSPが音作りの決め手になっているということで、SHANTIの冒頭の弦の艶やかさや、声の色気の表現は背筋にゾクッとしたものを感じるほど。
審査員として何度も参加している小原氏は「特に今年は、全体的にレベルが高い車が揃っている」と絶賛。また、山之内氏は「ウィーン・フィルの奏者のスキルをうまく引き出しているかどうかが勝敗を分けるポイントになります」とコメント。ホルンの精妙な表現はややもすると平面的でベタっとした音にもなりがちだが、うまく調整されている車はそのふくよかさを存分に味わえて、音そのものの愉悦を感じさせてくれる。
取材を進める中、いくつか印象に残った車を紹介しよう。エキスパートクラスで優勝を飾った米田清隆さん、車はアウディの「RS6」。AV Kansai天王寺店のチューニングであるが、とにかく楽器の鳴りのふくよかさが印象的で、ウィーン・フィルの管楽器はここまでの表現力を持っていたのか、と多くの気づきをもたらしてくれる。SHANTIのヴォーカルはまさに眼前で歌ってくれているようで、音楽の世界に完全に没頭してしまう。
スバル・フォレスターで参加した近藤利枝さん。ダイナミックで上下左右の広がりの豊かさが特徴的で、オーナーの明るい人柄がそのまま現れているよう。「前日のサウンドミーティングでアドバイスいただいたことを踏まえて、直前までさらに音を追い込んで挑みました!」と気合たっぷり。
トヨタ・プリウスαで参加した沖野義幸さんは、なんと自作PCにfoobar2000をインストールし、リモートコントロールで操作する独自のシステムで参戦。「電源にもこだわって、ゲーミングPCレベルのハイスペックを追求しました!」と力を込める。DAPをトランスポートに使うエントラントが多い中で、“自作”だからこそ実現できるこだわりを追求できるのも、カーオーディオならではの楽しみだ。
メーカー各社からもデモカーが登場した。佐藤商事のデモカーは、DYNAUDIOが得意とする濃密な湿度感を情感豊かに表現するし、三菱・アウトランダーによるmorelのデモカーでは華やかで彩豊かなサウンドでドライブが楽しくなるような車を展示。ブランドの個性的なサウンド作りを競い合う。
また、山梨県に拠点を置くローヤル産業は、DEERブランドのカースピーカーのラインナップを「RJ-II」に進化させ、アウディ「Q5」に取り付けて出展。ダイヤフラムに新規開発のカーボン繊維紙を採用したことが大きな特徴で、デモカーは背面のサブウーファーも含む4ウェイで構成。精緻な音作りをさらに洗練させていることを感じられた。
表彰式は、それぞれのコースごとに上位10位までが入賞となり、名前を呼ばれると入賞の盾が手渡される。「海とのふれあい広場」は17時には完全撤収しなければならないため、かなり駆け足での表彰式となったことは残念だったが、審査員からの一言コメントは今後のチューニングの参考にもなる。それぞれに手応えをつかみ、帰路に着いていった。
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