START UP AREAにヴァイナルオーディオ研究所
<HIGH END>オルトフォン「SPU GT」シリーズのプロトタイプ披露/Reed、THORENS、regaなど新アナログプレーヤー多数
5月18日からドイツ・ミュンヘンで開催されていた「ミュンヘン・ハイエンド2023」。ここでは、オルトフォンの試作SPUの新シリーズのほか、DS AUDIO、ヴァイナルオーディオ研究所、ナガオカなどを中心に、アナログ関連の新製品など注目ブースを紹介する。
オルトフォンは、新たな「SPU GT」シリーズのプロトタイプを初披露。ライフ・ヨハンセン氏が今回の製品について詳しく説明してくれた。
内部のトランスには当初、ルンダール社製のアモルファスを使っていたが、なかなかうまく音がまとまらず、新たにパーマロイを採用したところ成功。また、トランスをピックアップの直近に設置することでピュアな信号を増幅できるというメリットがある反面、サイズを小型化することには非常に苦労があったという。
披露された製品はまだプロトタイプ。オルトフォンの現在のトーンアームには十分に装着できるが、古いタイプのものを使っている場合には重量バランスが合わないとのことで、さらなるハウジングの軽量化を図るべく、方法を模索しているという。
ラインナップとしてはE(エリプティカル=楕円針)とS(スフェリカル=丸針)を用意。発売時期は「SPU GT E」が9月頃、「SPU GT S」は年末から来年頃を予定する。今後についてヨハンセン氏は、「私達はヘリテージを大切にしながら、新しい技術や製品開発にも積極的に展開していきます」と展望を語った。
DS AUDIOは、「Grand Master Extreme」「DS Master3」などの光カートリッジ再生システムのほか、フォノケーブル「PH-001」など新製品を中心に展示。
代表の青柳氏は、「今年でミュンヘンに出展して10年目になりますが、確実にDS AUDIOの知名度が上がってきているのを感じています。最初は光カートリッジって何?というところから説明していましたが、いまはさらに踏み込んだ話ができるようになってきています」とコメント。
ミュンヘンがグローバルのオーディオショウであることのひとつに、世界中のディーラーやディストリビューター、メディアが集まってきていることにある。そういった世界各地の関係者と「一気に」商談やコミュニケーションが取れることは、他のショウにはない大きな役割だと考えているという。
さらに、SOULUTIONが初の光カートリッジ対応フォノイコライザー「757」を発表するなど、ハイエンドブランドの製品にも着実に光カートリッジの採用が増えている。更なる拡大に向け、「私達は光カートリッジを広めていくために、フォノイコライザーの回路図を一般に公開しています。多くのブランドがもっと光カートリッジに興味を持ってもらえるよう今後も活動を続けていきます」と力を込めた。
今回、ハイエンド・ソサエティの新たな取り組みとしてスタートした「START UP AREA」。日本からはヴァイナルオーディオ研究所という新進気鋭のカートリッジブランドが招聘され、ブース展示と講演を行った。
ヴァイナルオーディオ研究所は、スタイラスチップ直近にコイルを配置する「マグネフォーカス」と呼ばれる独自の発電機構を搭載していることが大きな特徴。古いノイマンのカートリッジからインスパイアを受けて開発したという同機構だが、磁石の角度をフラット(ノイマンは45度に傾いている)としており、ここに同社の特許技術が盛り込まれているという。
グローバル展開にあたってラインナップを整理。ボディカラーをステレオ=赤、モノラル=ブルー、SP(78回転対応)=グリーンに統一した。ステレオとモノラルについては「コンテンポラリー」と「ヴィンテージ」の音質の異なる2モデルを用意。仕上げは美しい漆塗りを採用し、海外のオーディオファンからも大きな注目を集めていた。
ナガオカは、SHURE「M44G」の交換針「DJ-44G」を披露。ナガオカの83年目の創業記念日である5月13日に発表されたもので、DJ文化の強いドイツを中心に、交換針に対する強い要望があったことを受け、長年の研究成果の結果、開発に成功したという。ほか、ブースには来月発売予定のアルミのヘッドシェル「HSAL-01」も展示した。
ナガオカ製品で、海外のユーザーから反響が多いのはグラシン紙のレコードの内袋だという。ビニールと違ってレコード本体に写り込んでしまう心配がなく、特に長期の保存においては大きなメリットがあるという。またマチをつけることで出し入れのしやすさにも配慮、ゴミが入りにくいよう折り曲げてフタができるよう設計されている。
さらに、漆仕上げのJT-80カートリッジも大反響。山田平安堂という漆塗りのエキスパートによる仕上げで、トンボや桜といった日本の四季をイメージしたその美しさに多くのユーザーが驚きを見せていた。
そのほかアナログ関連の注目ブースを写真にて紹介する。
オルトフォン
オルトフォンは、新たな「SPU GT」シリーズのプロトタイプを初披露。ライフ・ヨハンセン氏が今回の製品について詳しく説明してくれた。
内部のトランスには当初、ルンダール社製のアモルファスを使っていたが、なかなかうまく音がまとまらず、新たにパーマロイを採用したところ成功。また、トランスをピックアップの直近に設置することでピュアな信号を増幅できるというメリットがある反面、サイズを小型化することには非常に苦労があったという。
披露された製品はまだプロトタイプ。オルトフォンの現在のトーンアームには十分に装着できるが、古いタイプのものを使っている場合には重量バランスが合わないとのことで、さらなるハウジングの軽量化を図るべく、方法を模索しているという。
ラインナップとしてはE(エリプティカル=楕円針)とS(スフェリカル=丸針)を用意。発売時期は「SPU GT E」が9月頃、「SPU GT S」は年末から来年頃を予定する。今後についてヨハンセン氏は、「私達はヘリテージを大切にしながら、新しい技術や製品開発にも積極的に展開していきます」と展望を語った。
DS AUDIO
DS AUDIOは、「Grand Master Extreme」「DS Master3」などの光カートリッジ再生システムのほか、フォノケーブル「PH-001」など新製品を中心に展示。
代表の青柳氏は、「今年でミュンヘンに出展して10年目になりますが、確実にDS AUDIOの知名度が上がってきているのを感じています。最初は光カートリッジって何?というところから説明していましたが、いまはさらに踏み込んだ話ができるようになってきています」とコメント。
ミュンヘンがグローバルのオーディオショウであることのひとつに、世界中のディーラーやディストリビューター、メディアが集まってきていることにある。そういった世界各地の関係者と「一気に」商談やコミュニケーションが取れることは、他のショウにはない大きな役割だと考えているという。
さらに、SOULUTIONが初の光カートリッジ対応フォノイコライザー「757」を発表するなど、ハイエンドブランドの製品にも着実に光カートリッジの採用が増えている。更なる拡大に向け、「私達は光カートリッジを広めていくために、フォノイコライザーの回路図を一般に公開しています。多くのブランドがもっと光カートリッジに興味を持ってもらえるよう今後も活動を続けていきます」と力を込めた。
ヴァイナル・オーディオ研究所
今回、ハイエンド・ソサエティの新たな取り組みとしてスタートした「START UP AREA」。日本からはヴァイナルオーディオ研究所という新進気鋭のカートリッジブランドが招聘され、ブース展示と講演を行った。
ヴァイナルオーディオ研究所は、スタイラスチップ直近にコイルを配置する「マグネフォーカス」と呼ばれる独自の発電機構を搭載していることが大きな特徴。古いノイマンのカートリッジからインスパイアを受けて開発したという同機構だが、磁石の角度をフラット(ノイマンは45度に傾いている)としており、ここに同社の特許技術が盛り込まれているという。
グローバル展開にあたってラインナップを整理。ボディカラーをステレオ=赤、モノラル=ブルー、SP(78回転対応)=グリーンに統一した。ステレオとモノラルについては「コンテンポラリー」と「ヴィンテージ」の音質の異なる2モデルを用意。仕上げは美しい漆塗りを採用し、海外のオーディオファンからも大きな注目を集めていた。
ナガオカ
ナガオカは、SHURE「M44G」の交換針「DJ-44G」を披露。ナガオカの83年目の創業記念日である5月13日に発表されたもので、DJ文化の強いドイツを中心に、交換針に対する強い要望があったことを受け、長年の研究成果の結果、開発に成功したという。ほか、ブースには来月発売予定のアルミのヘッドシェル「HSAL-01」も展示した。
ナガオカ製品で、海外のユーザーから反響が多いのはグラシン紙のレコードの内袋だという。ビニールと違ってレコード本体に写り込んでしまう心配がなく、特に長期の保存においては大きなメリットがあるという。またマチをつけることで出し入れのしやすさにも配慮、ゴミが入りにくいよう折り曲げてフタができるよう設計されている。
さらに、漆仕上げのJT-80カートリッジも大反響。山田平安堂という漆塗りのエキスパートによる仕上げで、トンボや桜といった日本の四季をイメージしたその美しさに多くのユーザーが驚きを見せていた。
そのほかアナログ関連の注目ブースを写真にて紹介する。
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