「Intono Technology」など最新技術を搭載

ソナス・ファベール、Homage Collectionの3.5ウェイフロア型スピーカー「Serafino G2」

公開日 2023/08/30 19:02 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ノア(株)は、同社が取り扱うイタリア・ソナス・ファベールの “Homage Collection” より、3.5ウェイ4スピーカーフロアスタンディング型モデル「Serafino G2」を9月1日に発売する。価格は4,290,000円(ペア・税込)。仕上げはウェンジ、レッド、新色のグラファイトの3種類。

Sonus Faber「Serafino G2」。左からグラファイト、レッド、ウェンジ

Serafino(セラフィーノ)は2017年より “Homage Collection” に追加されたスピーカーで、第二世代機となる「Serafino G2」では、内部のキャビネット構造からドライバー、ネットワークまで新規に開発された技術が搭載されている。

「Serafino G2」の設置イメージ
既発売の「Amati G5」と同様、ブランドの最新技術「Intono Technology」(イントノ・テクノロジー)を搭載。ミッドレンジとトゥイーターのチェンバーを密閉型としつつ、ミッドレンジとトゥイーターの隔壁に僅かな穴を設けることで、空気圧をコントロールするというもので、密閉型とバスレフ型の長所を兼ね備え、よりシンプルなクロスオーバーデザインが可能になるとしている。


トゥイーターとミッドレンジチェンバーの間に小さな穴を設けている
ドライバーユニットは専用設計とし、トゥイーターには28mm径アローポイントDADシルク・ソフト・ドームトゥイーターを採用。フレームはアルミニウム・ダイキャストで、トゥイーターの頂点を部分的にダンピングさせ、ダイアフラムの逆相挙動を抑制する「DAD(Damped Apex Dome)テクノロジーが用いられる。背面にはフラグシップモデル「Aida II」にも採用された専用の木製チェンバーを備える。


28mm径ソフトドームトゥイーター
ミッドレンジは、150mm径ペーパーコーンで、セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自のダイアフラムを使用。銅クラッド・アルミニウム巻線で構成されたムービングコイルは、ネオジム・マグネットによって正確な応答を実現するとしている。

スパイダーには高耐久なBIMAX特殊素材を採用、バスケットはアルミニウム・ダイキャスト製となる。さらに同軸のフェーズプラグが搭載されており、気流を最適化してリスニングポイントへ一貫した波形パターンの伝搬が可能だという。


フェーズプラグ搭載の150mm径ミッドレンジ
ウーファーは180mm径コーン型を2基搭載。セルロース・パルプシート2枚の間にシンタクティック・フォームを挟み込む構造で、軽量かつ高い応答性と高剛性を実現。ミッドレンジ同様、ダンパーはBIMAX特殊素材、バスケットはアルミニウム・ダイキャストを作用し、ネオジムドライバーとABS樹脂で構成されたセンターキャップを採用している。


180mm径コーン型ウーファー
クロスオーバーネットワークも新規設計。ミッドレンジとトゥイーターは新規開発の「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)、ウーファーはAida IIと同じ「PARACROSS TOPOLOGY」(パラクロス・トポロジー)に基づき設計されている。


左が中高域用ネットワーク、右が低域用ネットワーク
クロスオーバー周波数は、それぞれ200Hz/250Hz/2,400Hz。各ユニットの振幅や位相特性、空間/時間特性を最適化するとともに、アンプとのマッチングにも配慮。パーツにもこだわり、Jantzen社のインダクターやClarity Cap社のカスタムメイドパーツ、MUNDORF社製高品位パーツなど、リスニングテストを経て選定されたものを採用している。

キャビネット側面には、同社の上級モデルで採用されているプライウッド構造を継承。厚みの違うシート上の木材を、木目の角度を交互に90度変えて8層に積層させ、プレス機で加圧することで美しさと強靭を備えた曲面を造形。突板同士の接合部にはクリア・メイプルをダンピング素材として挟み込んでいる。


木材をプレス成形し強靭なキャビネットを構成
またキャビネットの天地と背面にアルミニウムパーツを装着する「エキソ・スケルトン・クランプ」構造を採用。振動成分を抑制するとともに天然木ならではの豊かな鳴りと引き締まった低域再生を実現したとのこと。


スピーカーの天地にはアルミニウムパーツを装着
バスレフポートについては、ダクトに適度なダンプをかける「Stealth Ultraflex」構造を継承。リアポートはアルミニウム押し出し成形とし、気流の乱れを波状のポート出口構造で最適化している。なお、バスレフポートはウーファー背面のみに搭載される。


「Serafino G2」の正面と背面端子
脚部は金属でエラストマー樹脂を挟み込む「サイレントスパイク」を搭載。床面からの振動伝播とキャビネット全体をでカップリングするゼロ・ヴァイブレーション・トランスミッション(Z.V.T)テクノロジーを踏襲している。

製品はすべて、北イタリアの工房で熟練の職人により手作業で組み立てられる。サイズは396W×1,094H×489Dmm、質量は48.5kg(1本)。周波数特性は30Hz - 35kHz、出力音圧レベルは90dB/W/m、公称インピーダンスは4Ω、推奨アンプ出力は50 - 300W(クリッピングなし)となっている。


すべて手作業で製造される
なお、本年末から来年初頭発売予定で、ブックシェルフ型の「Guarneri G5」もHomage Collectionに加わる予定となっている。

左から「Guarneri G5」「Serafino G2」「Amati G5」

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE