トライオードはヨーロッパ市場が好調
<HIGH END>サエク、ダブルナイフエッジトーンアーム「WE-709」/DS AUDIOとSOULNOTEから光専用フォノEQ
5月9日(木)より開催されている「ミュンヘン・ハイエンド2024」。ここでは、サエク&トライオードとDS AUDIO、SOULNOTEのブースを紹介する。
サエクコマースとトライオードは昨年に引き続きブースを共同展開。サエクは、50周年モデル企画の一つとして、完全新設計のダブルナイフエッジトーンアーム「WE-709」を初披露した。往年の銘機の復刻である「WE-4700」ではなく、現代に合わせて完全に新規開発されたモデルとなっている。
精度の高い金属加工技術により、サエクの持ち味である初動感の高さは踏襲。上下のナイフエッジ構造によって軸受のバランスを保っているため、左右均等に負荷を掛ける必要がある。カートリッジ側から見て右側にウエイト、左側にインサイドフォース・キャンセラーが目盛りで微調整できるようになっており、カートリッジの重量に合わせた細かい音質の追い込みが可能だという。
ショウでの反響も上々ということで、アームの単売はもちろんのこと、BtoB(ターンテーブルメーカーと組んでのトーンアームの供給)なども視野に入れ、ブランドをさらに強化していきたいと考えているという。ちなみに50周年モデルとしては他にカートリッジも計画中とのことだ。
トライオードはヨーロッパ市場の動きが良好ということで、特にドイツ・イタリアなどで人気が高まっているという。社長の山崎氏も海外向けには大型モデルの方が引き合いが強いと語り、今年は「EVOLUTION MUSASHI」「EVOLUTION PRE」などを中心に展開している。
ブースのスピーカーには、デンマークのPEAK(ピーク)ブランドの3ウェイスピーカー「Sinfonia」を組み合わせた。元DYNAUDIOのエーレンホルツ氏が共同経営しているブランドで、肩の力の抜けた自然で柔らかなサウンドが特徴的。山崎氏も「このスピーカーはとても音質が良くて、トライオードの真空管の魅力をしっかり引き出してくれます」と絶賛する。
DS AUDIOは、先日先行発表された光カートリッジ専用の真空管フォノイコライザーを世界初披露(型番未定)。4本の小型真空管がフロントにあしらわれたデザインとなっているが、まだプロトタイプで、デザイン等は今後変更の可能性があるとのこと。
設計担当者に話を聞くと、真空管には「12AU7」を4本使用しているとのこと。「当初は12AT7なども想定して開発を進めていましたが、色々と設計を追い込んでいるうちに12AU7の方が製品のばらつきも少なく、音質面でも納得がいくものができそうと考え、こちらを採用しました」とのこと。
DS AUDIOとして初の真空管フォノEQとなるが、やはり真空管アンプの魅力は女性ボーカル。「包み込まれるような、寄り添ってくれるような感じを実現したい」と考えて開発を進めてきたという。先日発表されたエントリーモデル「DS-E3」は半導体モデルで、最新のICを使って高い性能を実現しているが、こちらではやはり“真空管にしか出せない味わい”を追求したとのこと。
デモンストレーションブースでは、スピーカーにMoFi Electronicsの「SourcePoint 888」と組み合わせてデモを実施。スザンヌ・ベガのレコードからは、まさに彼女が目の前で歌ってくれているようなリッチで温かなサウンドを引き出してくれていた。
SOULNOTEからも光カートリッジ専用のフォノイコライザー「E-3」が初披露された。こちらも通常のMM/MC入力を持たない光専用機となる。筐体は「P-3」などと共通のデザインを採用し、同社のフォノEQのフラグシップモデルとなる。
開発担当の加藤秀樹さんにMM/MCを非搭載とした理由について尋ねると、「フラグシップモデルですから中途半端なことはしたくないと考えまして、専用機としての音質を徹底的に追い込みました」と自信を見せる。シンプルな回路設計に強力な電源部と、SOULNOTEの開発思想が存分に盛り込まれている。
さらにフォノケーブルについても、光カートリッジ専用の試作機を作成。電源と信号ラインを分離した構造となっており、通常はクロック用に使われる容量の小さいモデルを試しに使ってみたところ、非常に音質的に効果が高く、採用を決定した。まだプロトタイプとのことだが、今後SOULNOTEブランドとして正式発売を計画しているという。
スピーカーはYG ACOUSTIC、アナログプレーヤーにはVERTEREを使用し、同社の「P-3」「M-3」などフラグシップラインを中心に展開する。「オーディオは何よりも音を聴いてもらわなければ始まりません。世界中のお客さんにSOULNOTEの音を感じてほしい。それだけです」と世界市場へのさらなる発展に静かな闘志を燃やしていた。
サエクから完全新設計のダブルナイフエッジトーンアーム
サエクコマースとトライオードは昨年に引き続きブースを共同展開。サエクは、50周年モデル企画の一つとして、完全新設計のダブルナイフエッジトーンアーム「WE-709」を初披露した。往年の銘機の復刻である「WE-4700」ではなく、現代に合わせて完全に新規開発されたモデルとなっている。
精度の高い金属加工技術により、サエクの持ち味である初動感の高さは踏襲。上下のナイフエッジ構造によって軸受のバランスを保っているため、左右均等に負荷を掛ける必要がある。カートリッジ側から見て右側にウエイト、左側にインサイドフォース・キャンセラーが目盛りで微調整できるようになっており、カートリッジの重量に合わせた細かい音質の追い込みが可能だという。
ショウでの反響も上々ということで、アームの単売はもちろんのこと、BtoB(ターンテーブルメーカーと組んでのトーンアームの供給)なども視野に入れ、ブランドをさらに強化していきたいと考えているという。ちなみに50周年モデルとしては他にカートリッジも計画中とのことだ。
トライオードはヨーロッパ市場の動きが良好ということで、特にドイツ・イタリアなどで人気が高まっているという。社長の山崎氏も海外向けには大型モデルの方が引き合いが強いと語り、今年は「EVOLUTION MUSASHI」「EVOLUTION PRE」などを中心に展開している。
ブースのスピーカーには、デンマークのPEAK(ピーク)ブランドの3ウェイスピーカー「Sinfonia」を組み合わせた。元DYNAUDIOのエーレンホルツ氏が共同経営しているブランドで、肩の力の抜けた自然で柔らかなサウンドが特徴的。山崎氏も「このスピーカーはとても音質が良くて、トライオードの真空管の魅力をしっかり引き出してくれます」と絶賛する。
DS AUDIO、「12AU7」を4本搭載する真空管フォノEQ
DS AUDIOは、先日先行発表された光カートリッジ専用の真空管フォノイコライザーを世界初披露(型番未定)。4本の小型真空管がフロントにあしらわれたデザインとなっているが、まだプロトタイプで、デザイン等は今後変更の可能性があるとのこと。
設計担当者に話を聞くと、真空管には「12AU7」を4本使用しているとのこと。「当初は12AT7なども想定して開発を進めていましたが、色々と設計を追い込んでいるうちに12AU7の方が製品のばらつきも少なく、音質面でも納得がいくものができそうと考え、こちらを採用しました」とのこと。
DS AUDIOとして初の真空管フォノEQとなるが、やはり真空管アンプの魅力は女性ボーカル。「包み込まれるような、寄り添ってくれるような感じを実現したい」と考えて開発を進めてきたという。先日発表されたエントリーモデル「DS-E3」は半導体モデルで、最新のICを使って高い性能を実現しているが、こちらではやはり“真空管にしか出せない味わい”を追求したとのこと。
デモンストレーションブースでは、スピーカーにMoFi Electronicsの「SourcePoint 888」と組み合わせてデモを実施。スザンヌ・ベガのレコードからは、まさに彼女が目の前で歌ってくれているようなリッチで温かなサウンドを引き出してくれていた。
SOULNOTEのフラグシップフォノEQは光専用モデル
SOULNOTEからも光カートリッジ専用のフォノイコライザー「E-3」が初披露された。こちらも通常のMM/MC入力を持たない光専用機となる。筐体は「P-3」などと共通のデザインを採用し、同社のフォノEQのフラグシップモデルとなる。
開発担当の加藤秀樹さんにMM/MCを非搭載とした理由について尋ねると、「フラグシップモデルですから中途半端なことはしたくないと考えまして、専用機としての音質を徹底的に追い込みました」と自信を見せる。シンプルな回路設計に強力な電源部と、SOULNOTEの開発思想が存分に盛り込まれている。
さらにフォノケーブルについても、光カートリッジ専用の試作機を作成。電源と信号ラインを分離した構造となっており、通常はクロック用に使われる容量の小さいモデルを試しに使ってみたところ、非常に音質的に効果が高く、採用を決定した。まだプロトタイプとのことだが、今後SOULNOTEブランドとして正式発売を計画しているという。
スピーカーはYG ACOUSTIC、アナログプレーヤーにはVERTEREを使用し、同社の「P-3」「M-3」などフラグシップラインを中心に展開する。「オーディオは何よりも音を聴いてもらわなければ始まりません。世界中のお客さんにSOULNOTEの音を感じてほしい。それだけです」と世界市場へのさらなる発展に静かな闘志を燃やしていた。
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