<特別インタビュー取材レポート>東芝 菅事業部長に聞く「SD戦略」
東芝 菅事業部長(左)、インタビュー取材の模様(右) |
2001年2月7日、音元出版では、SDメモリーカード、さらには「SD」の可能性について、リーディングメーカーである東芝株式会社のモバイルAVネットワーク事業部 事業部長 菅 正雄氏に独自インタビュー取材を行った。以下、その内容を抜粋してお届けす
ることにしよう。
--SDメモリーカードのなりたち
「SD」とは、セキュア・デジタルの略語である。すでに半導体カード「スマートメディア」を有していた東芝では、新しい付加価値として著作権保護機能と通信の機能をもつカードを開発するにあたり、その名称を「SD」に決めた。
サイズは「切手大」。それは、携帯電話・PHSに採用できる大きさである。新しい
カードは、パソコンはもちろん、それよりもっと小さな端末での用途を考慮したもの。ネット配信される音楽などのコンテンツを受けられるメディアとして、携帯電話・PHSが最有力であると考えた東芝では、SDメモリーカードを切手大とした。
--東芝が進めるSD戦略
SDには、それを採用する機器の互換性がとれていること、誰もが機器を開発できるようデファクトたること、ということが求められる。現在、SD参加企業(SDアソシエーション)は、200社ほどとなっており、SDに対応したデジタル機器は、それらの企業で着々と開発されている。
東芝では、オーディオ・ビジュアルの据え置き機の市場が沈静化していく中で、オーディオ・ビジュアル機器のモバイル化という新しい市場を提案していく。SDはそのための重要なメディアであると考える。
---SD Bluetooth
デジタル家電同士を無線で結ぶBluetoothをSDに入れること。東芝では、これを今年の早い次期に実現していく。Bluetoothをカードで実現させることにより、対応機器の開発も、またBluetoothそのもののアップグレードへの対応もスムーズにできる。これは普及にむけての大きなメリットと考える。
---SDの今後
SDの可能性は、PC、携帯電話・PHSのみならず、あらゆるものに対して広がっていく。既存の家電商品の中にSDを取り込んでいくことより、新しい世界を開拓することが重要であると東芝は考える。SDでなければできないものを今後作っていく予定である。
(今回のインタビューについての全容は、2月25日発「Senka21」3月号に掲載予定)