松下、フィルムの再現域をビデオで表現するデジタルシネマ用HDカメラレコーダー発売
HD制作のデジタル化は、BSデジタル放送の開始に伴いほぼ流れが定着したと言えるが、今後地上波デジタル放送開始が迫るにつれてHD映像制作の需要が高まり、従来機器(現行放送用制作機器)同等のコストや、より効率的に収録・編集が可能な機材が求められていくことが考えられる。また、比較的コストのかかるHDコンテンツを有効利用したいという要望、いわゆる「ワンソースマルチユース」と言うような需要が拡大していくことが考えられる。
一方で、放送の高画質化への対応により、映画、テレビドラマ間など既存のメディアどうしの垣根がなくなってきている。そういった中、映画関係者からのビデオカメラへの次に示すような要望が浮き彫りになってきたという。
(1)24コマ収録はもちろん、オーバークランク(ハイスピード)撮影やアンダークランク(コマ落とし)撮影。
(2)ラティチュードの広さ、色表現の美しさ(暗部)
(3)フィルムカメラ用スーパープライムレンズの使用
松下電器ではこれらの要望を満たすため、(1)に対しては世界で初めてバリアブルフレームレート記録、(2)にはシネガンマ、(3)にはプライムレンズアダプター接続時の画像反転をキャンセルする機能を開発し、世界で初めてこれらの機能を標準で搭載したカメラレコーダーを商品化したものである。
新製品AJ-HDC27F は放送用ビデオで実績のあるパナソニックのデジタル技術と、映画・CM・ドラマ制作者とのコラボレーションによって誕生した、全く新しいシネマ対応デジタルHDカメラレコーダーである。世界初、フィルムカメラのようなスピードエフェクトができるバリアブルフレームレート記録。さらにフィルムトーンを再現するシネガンマ、35mmウルトラプライムレンズに標準対応など、これら新機能によりフィルム制作の感性をデジタルHDカメラレコーダーで再現することが可能となった。
なお、本製品は11月14日から16日まで幕張メッセで開催される国際放送機器展(InterBEE2001)で展示される予定である。 (Phile-web編集部)
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トピック
- ブランドPANASONIC
- 型番AJ-HDC27F
- 発売日2002年2月1日
- 価格\7,400,000
【SPEC】<総合定格>●電源:DC 12V (DC 11〜17V) ●消費電力:39W(セーブレック時は33W) ●質量:本体4.3kg <カメラ>●映像素子:2/3型IT-CCD(100万画素)×3 ●レンズマウント:2/3型バヨネットマウント方式 ●分光系:F1.4プリズムシステム ●映像S/N比:54dB ●水平解像度:700TV本 ●感度:F12 (2000lux、反射率89.9%、24p) ●最低照度:0.5lux(F1.4、+36dB) ●映像フレームレート:59.94〜3.99fps〔59.94Hz〕 60.00〜4.00fps〔60.00Hz〕 ●光学フィルター:CCフィルター:CROSS、3200K、4800K、6300K ●NDフィルター:CREAR、1/4ND、1/16ND、1/64ND ●電子シャッター:1/100、1/120、1/250、1/500、1/1000、1/2000の6段階 シンクロスキャンシャッター:0.8%〜97.2%、3°〜350°(×映像フレームレート) <VTR>●記録フォーマット:DVCPRO HD (720p, 59.94Hz/60Hz) ●テープ速度:135.28mm/秒(59.94Hz)/135.42mm/秒(60Hz) ●記録時間:46分(AJ-HP46LP) ●ビデオ:デジタルコンポーネント ●オーディオ:2チャンネル、16ビット48kHz <入出力>●マイク入力:XLR3ピン×1、-50/-40dBu切替 ●HD-SDI出力:BNC×2、0.8Vp-p ●Sビデオ出力:S端子(4P)×1、Y:1.0Vp-p、75Ω C:0.286Vp-p、75Ω ●オーディオ入力:XLR×2、MIC/LINE切替、LINE:+4dBu切替 ●TC入出力:BNC×各1 ●MIC:-40dBu切替 ファントム+48V ●オーディオ出力:XLR5p×2 ●イヤホン出力:M3ジャック、ステレオ ●同期信号入力:BNC×1、 1.0Vp-p、75Ω ●DC入力:XLR4ピン×1 ●DC出力:4ピン×1