≪CES 2003 REPORT≫TADからコンシューマー向けハイエンドスピーカー登場!〜AA編集部
左:TAD Model-1の外観。完成形ではないが、ほぼこのスタイルで発売となるとのこと 右:最も特徴的かつ画期的なベリリウムテクノロジーを投入したミッド・トゥイーターユニット |
発表されたスピーカーはTAD Model-1というモデルで、TADのホームオーディオスピーカーのフラッグシップとなるものだ。TADというとコンプレッションドライバーというイメージがあるが、これは家庭用に開発されたものであり、ダイレクトラジエーター方式となっている。
まず、注目されるのが上部に配置されたベリリウムテクノロジーを投入したミッド・トゥイーターである。これは独立したハウジングに組み込まれている。また、50もの形状の違うバーチ材を積みかねて構成される積層形のSILENTキャビネットも世界初という。さらに、ミッドバスとウーファーにも新しい磁気回路技術が採用されている。
このように最新の高度なテクノロジーをフルに投入したこのM-1は、音像と音場を高次元で両立させることを大きな目的としたという。試聴室では5本のスピーカーが設置され、主にSACDやDVDオーディオのソフトを再生していたが、非常にスピードが速く、あまりにもリアルな再現性を持っていた。また低域にも余裕があり、これみよがしに無理やり音場を押し出してくるものではないのも、かつてない体験といえる。
今後さらに音の詰めは行われるとのことだが、新しいハイエンドスピーカーとして、オーディオファンの大きな期待がかかる魅力的な新しいスピーカーといえるだろう。
なお、日本での価格は1本200万円〜250万円程度となる可能性が高く、発売は初夏となる予定である。早く試聴室で完成したモデルを試聴してみたいものだ。
(季刊・オーディオアクセサリー編集部 樫出)