[CEATEC2005:キーノート] 「HD DVD is REAL!」HD DVDプロモーショングループ
CEATEC JAPAN 2005開催2日目のうち、HD DVDのセッションは、多くの聴衆を集めた。セッションには東芝、Microsoft、NEC、日立マクセル、東芝エンターテイメント5社のスピーチから構成されていた。順を追って紹介していこう。
■東芝
●HD DVDの近況とHD DVD普及の準備が整っていることに言及
東芝DM社首席技監、山田尚志氏の講演は、9月27日にIntelとMicrosoftがHD DVD支持を発表したことの報告から始まった。また、中国の「長虹」「アモイ」からも支持を得られたことを伝えた。
続いて各地のデジタルレコーダー普及について触れた。現在では40V型以上のテレビが普及しており、VHSが登場した際は十分だった画質が、現在ではテレビの高画質化により消費者でもDVDは不満を感じるようになったという変化を挙げた。また、DVDソフトの販売が、今年に入り急速に飽和しており、画質の良い映画をHD DVDに出す環境は整っているという。
●HD DVD-R-recordable規格の策定
HD DVD規格については、書き換え型HD DVDのDVD-RR(HD DVD-Re-recordable、名称は仮)という15GB/30GBのディスクが特性の確認まで進み規格されようとしていることを紹介。
続いてアプリケーション規格はビデオがHD DVD-Video 1.0、オーディオはビデオに含まれることを開設した。また、HD DVD Video-Recordeing 1.0はテクニカルでは承認された。
コピープロテクションはAACSの持つ128bit鍵の強固さに触れ、またManagemed Copyというコピーを一つ許可してそれをサーバーに入れる使い方も許可されるという。
その後コーデックやフォーマットに触れたのち、DVDにHD DVDのコーデックを使う使用法も紹介。最後に今年中にHD DVDの関連機器がリリースされると述べた。
■Microsoft
●HD DVDが普及する6つの理由をアピール
続いての講演は、マイクロソフトのパトリック・クリビス氏の講演が行われた。マイクロソフトは、コンシューマ向けにHD DVDを支持する6つの理由を挙げた。
一つ目がHD DVD/DVDハイブリッドディスクのサポートで、2006年3月には利用になる見込みとなるという点と、消費者の将来を保証できることを挙げた。2つ目はHD DVDが合法コピーを認めている点を挙げた。これはコンシューマのニーズに合っているとして、その重要性を強調した。3つ目は、量産コストと製造施設の準備で、既存の設備を利用することで量産設備の確保されていることを指摘した。4つ目はディスク容量で、2006年3月に間に合うということを強調している。5つ目はプレイヤーのコストについて語られた。北米のDVDプレイヤーのうち75%が中国製であり、中国メーカーのHD DVDサポートが重要だという。6つ目が「iHD」によるインタラクティブ機能を上げた。最後に「HD DVD is REAL」という言葉を述べてスピーチを締め括った。
■NEC
●パソコンのHD DVDサポートを紹介
NECは、第一ストレージ事業部の早津亮一 統括マネージャーがPCアプリケーションから見たHD DVDについて講演を行った。まずPCの世界ではIntel、Microsoftがデジタルホームを推進しようとしている。一方、家電業界は薄型大画面テレビが流行しており、大型テレビではハイビジョンが必要だと述べた。最後に映画産業に触れ、現行DVDのコピープロテクトであるCSSが既に破られているため、新しいAACSによるHD DVDが求められているとのべた。そして、これらをすぐに提供できるのがHD DVDであると強調した。
続いてDVD再生機器の市場に触れ、立ち上がり当初はDVDの再生環境としてパソコンの方が専用プレイヤー以上に普及していることを挙げた。個人で映画を見る傾向が高まっていることから、その環境を提供できるアプリケーションとしての、パソコンの重要性を訴えた。
続いてIntelのCPU、MicrosoftによるWindowsVistaのDRM機能などを挙げ、パソコンでもHD DVD再生が可能になることを紹介した。また、そのための問題としてパソコンモニタがHDCPに対応していないことを挙げ、このための対策として、AACSの時限的な措置として当面はHDCPに対応していないモニターでも再生できるように検討を進めているという。
そしてHD DVDドライブの状況としてはパソコン向けにも製品を出荷する予定で、10月には量産可能となっているという。これは、2005年中に市場に出荷される予定だと述べた。
■日立マクセル
●安定した記録再生特性と設備流用のメリットをアピール
日立マクセルは、ディスク製品事業グループ アドバンスドディスク事業部 設計部の田村礼仁副技師長が記録型HD DVDメディアについての講演を行った。HD DVDには高画質、長時間録画に加えてDVDと同じ構造となるためDVDの生産ラインが使え、同じノウハウも適応できるためスムーズな市場導入が可能になるという。
また各種メディアについては、HD DVD-Rはスピンコートで成膜可能なら青色対応色素記録膜を作り、記録によって色素が透明になり反射を大きくするLow To High記録を紹介。また、製造プロセスの比較を行い、現行のDVD-Rとほぼ同じように作れることをアピールした。また、既にエラーの少ない安定した記録再生特性が出ていることを紹介した。またHD DVD-Rの2層化は、ディスクを貼り合わせる逆積層法によって、安定した記録再生特性が出ていることを述べた。
書き換え型HD DVDについては、相変化記録材料を青色対応にしたものが従来のDVD製造ラインを活用できることをアピール。書き換え型の2層化技術でHD DVD Re-recordableが2層30GBを実現できることに加えて、2層化プロセスについてもDVDと同じ行程を使えることを紹介した。片面2層技術によりDVD製造施設を流用できることをアピールした。
■東芝エンターテインメント
●パッケージ商品の高品位化と普及にHD DVDは重要なフォーマット
東芝エンターテイメントの加藤鉄也CEOは、「ソフト業界のHD DVDへの期待」と題したスピーチを行った。まず同社の作品を紹介した上で、映像コンテンツを劇場、パッケージ、テレビ、インターネットと4つのセグメントに分けて市場規模を紹介。通常は新メディアの立ち上げをしても利益が上がらないが、HD DVDは、他のメディアと異なり期待していると述べた。
その理由として「ハイビジョン映像の普及」「海賊版対策」「パッケージソフト市場の活性化」を挙げた。ハイビジョン映像の普及については、パッケージ商品の品質は高める必要があり、またテレビ以下の画質ではなく高画質なHD DVDが必要だという。
海賊版対策は、常にコピープロテクト対策が求められるため最新の対策を施したHD DVDのいち早い登場に期待しているという。パッケージソフト市場は2005年にDVDへ置き換わったが、今後の伸びに疑問を投げかけた。これは今年1月以降、前年を超えた実績がないことを指摘しながら、新メディアの登場によって新メディアの登場により、市場が活性化されることに期待すると述べた。同氏のスピーチは再び「HD DVD is REAL!」という言葉で終わり、HD DVDセッションの締め括る言葉とした。
(折原一也)
ceatec2005
■東芝
●HD DVDの近況とHD DVD普及の準備が整っていることに言及
東芝DM社首席技監、山田尚志氏の講演は、9月27日にIntelとMicrosoftがHD DVD支持を発表したことの報告から始まった。また、中国の「長虹」「アモイ」からも支持を得られたことを伝えた。
続いて各地のデジタルレコーダー普及について触れた。現在では40V型以上のテレビが普及しており、VHSが登場した際は十分だった画質が、現在ではテレビの高画質化により消費者でもDVDは不満を感じるようになったという変化を挙げた。また、DVDソフトの販売が、今年に入り急速に飽和しており、画質の良い映画をHD DVDに出す環境は整っているという。
●HD DVD-R-recordable規格の策定
HD DVD規格については、書き換え型HD DVDのDVD-RR(HD DVD-Re-recordable、名称は仮)という15GB/30GBのディスクが特性の確認まで進み規格されようとしていることを紹介。
続いてアプリケーション規格はビデオがHD DVD-Video 1.0、オーディオはビデオに含まれることを開設した。また、HD DVD Video-Recordeing 1.0はテクニカルでは承認された。
コピープロテクションはAACSの持つ128bit鍵の強固さに触れ、またManagemed Copyというコピーを一つ許可してそれをサーバーに入れる使い方も許可されるという。
その後コーデックやフォーマットに触れたのち、DVDにHD DVDのコーデックを使う使用法も紹介。最後に今年中にHD DVDの関連機器がリリースされると述べた。
■Microsoft
●HD DVDが普及する6つの理由をアピール
続いての講演は、マイクロソフトのパトリック・クリビス氏の講演が行われた。マイクロソフトは、コンシューマ向けにHD DVDを支持する6つの理由を挙げた。
一つ目がHD DVD/DVDハイブリッドディスクのサポートで、2006年3月には利用になる見込みとなるという点と、消費者の将来を保証できることを挙げた。2つ目はHD DVDが合法コピーを認めている点を挙げた。これはコンシューマのニーズに合っているとして、その重要性を強調した。3つ目は、量産コストと製造施設の準備で、既存の設備を利用することで量産設備の確保されていることを指摘した。4つ目はディスク容量で、2006年3月に間に合うということを強調している。5つ目はプレイヤーのコストについて語られた。北米のDVDプレイヤーのうち75%が中国製であり、中国メーカーのHD DVDサポートが重要だという。6つ目が「iHD」によるインタラクティブ機能を上げた。最後に「HD DVD is REAL」という言葉を述べてスピーチを締め括った。
■NEC
●パソコンのHD DVDサポートを紹介
NECは、第一ストレージ事業部の早津亮一 統括マネージャーがPCアプリケーションから見たHD DVDについて講演を行った。まずPCの世界ではIntel、Microsoftがデジタルホームを推進しようとしている。一方、家電業界は薄型大画面テレビが流行しており、大型テレビではハイビジョンが必要だと述べた。最後に映画産業に触れ、現行DVDのコピープロテクトであるCSSが既に破られているため、新しいAACSによるHD DVDが求められているとのべた。そして、これらをすぐに提供できるのがHD DVDであると強調した。
続いてDVD再生機器の市場に触れ、立ち上がり当初はDVDの再生環境としてパソコンの方が専用プレイヤー以上に普及していることを挙げた。個人で映画を見る傾向が高まっていることから、その環境を提供できるアプリケーションとしての、パソコンの重要性を訴えた。
続いてIntelのCPU、MicrosoftによるWindowsVistaのDRM機能などを挙げ、パソコンでもHD DVD再生が可能になることを紹介した。また、そのための問題としてパソコンモニタがHDCPに対応していないことを挙げ、このための対策として、AACSの時限的な措置として当面はHDCPに対応していないモニターでも再生できるように検討を進めているという。
そしてHD DVDドライブの状況としてはパソコン向けにも製品を出荷する予定で、10月には量産可能となっているという。これは、2005年中に市場に出荷される予定だと述べた。
■日立マクセル
●安定した記録再生特性と設備流用のメリットをアピール
日立マクセルは、ディスク製品事業グループ アドバンスドディスク事業部 設計部の田村礼仁副技師長が記録型HD DVDメディアについての講演を行った。HD DVDには高画質、長時間録画に加えてDVDと同じ構造となるためDVDの生産ラインが使え、同じノウハウも適応できるためスムーズな市場導入が可能になるという。
また各種メディアについては、HD DVD-Rはスピンコートで成膜可能なら青色対応色素記録膜を作り、記録によって色素が透明になり反射を大きくするLow To High記録を紹介。また、製造プロセスの比較を行い、現行のDVD-Rとほぼ同じように作れることをアピールした。また、既にエラーの少ない安定した記録再生特性が出ていることを紹介した。またHD DVD-Rの2層化は、ディスクを貼り合わせる逆積層法によって、安定した記録再生特性が出ていることを述べた。
書き換え型HD DVDについては、相変化記録材料を青色対応にしたものが従来のDVD製造ラインを活用できることをアピール。書き換え型の2層化技術でHD DVD Re-recordableが2層30GBを実現できることに加えて、2層化プロセスについてもDVDと同じ行程を使えることを紹介した。片面2層技術によりDVD製造施設を流用できることをアピールした。
■東芝エンターテインメント
●パッケージ商品の高品位化と普及にHD DVDは重要なフォーマット
東芝エンターテイメントの加藤鉄也CEOは、「ソフト業界のHD DVDへの期待」と題したスピーチを行った。まず同社の作品を紹介した上で、映像コンテンツを劇場、パッケージ、テレビ、インターネットと4つのセグメントに分けて市場規模を紹介。通常は新メディアの立ち上げをしても利益が上がらないが、HD DVDは、他のメディアと異なり期待していると述べた。
その理由として「ハイビジョン映像の普及」「海賊版対策」「パッケージソフト市場の活性化」を挙げた。ハイビジョン映像の普及については、パッケージ商品の品質は高める必要があり、またテレビ以下の画質ではなく高画質なHD DVDが必要だという。
海賊版対策は、常にコピープロテクト対策が求められるため最新の対策を施したHD DVDのいち早い登場に期待しているという。パッケージソフト市場は2005年にDVDへ置き換わったが、今後の伸びに疑問を投げかけた。これは今年1月以降、前年を超えた実績がないことを指摘しながら、新メディアの登場によって新メディアの登場により、市場が活性化されることに期待すると述べた。同氏のスピーチは再び「HD DVD is REAL!」という言葉で終わり、HD DVDセッションの締め括る言葉とした。
(折原一也)
ceatec2005