折原一也のCES2009レポート
<BDAカンファレンス>BD普及は順調/ハード・ソフトともに好調な推移をアピール
ブルーレイディスクを推進するBDA(ブルーレイディスクアソシエーション)は、プレス向けのカンファレンスを実施した。HD DVDと次世代光ディスクの座を巡って激戦を繰り広げた2007年/2008年は映画スタジオ幹部が登場して派手なパフォーマンスを行っていたのに対し、今回のイベントは非常に地味で、業界の人間やアナリストといった実務的な内容であった印象だ。DVDフォーラムがそうであるように、BDが既に改めて大きく盛り上げることもないほどに規格として十分に成熟したとという事でもあるのだろうと感じた。
カンファレンスにはBDAのチェアマンで米国のプロモーションを担当するAndy Parsons氏が登壇し、解説を行った。まずBDのハードの売れ行きについて、2006年のBD発売以来、ディスプレイサーチ社によるデータで1,070万台を出荷したと発表。「これはPS3もPCも含んでいない数値で、とても良い結果だと考えている」と述べた。
BDの普及状況については、これまで登場した各種メディアが3年目にどの程度立ち上がっていたかというデータを提示して分かりやすく説明。DVDは3年目の時点で4%程度しか立ち上がっていなかったのに対し、BDは3年目にして8%にも達しており、DVDより早い立ち上がりを見せていることをアピール。「実質の登場から二年半しか経っていないことを考えると、BDはずいぶん早く受け入れられている。昨今の経済状況を考えると素晴らしい結果だ」とコメントした。
ソフトウェアの販売状況についても説明。ワーナーの「ダークナイト」が初の100万枚を超えるミリオンヒットになったことに加え、月間販売数も9月は200万枚以上、11月に300万枚、12月には800万枚を超えたという。1四半期のみ、しかも歴史的な厳しい不況のさなかにこれだけの売り上げを記録したことをアピールし、成功を強調した。2008年にはアメリカ市場で2,490万枚ものBD作品が売れており、2008年のBD作品の市場規模は2007年の4倍以上に達したという。
「映像・音質の良さだけでない付加価値も持っている」として、BD-LIVEなどの機能に加え、「ダークナイト」などで用意された、ポータブルメディアプレーヤーへのデジタルコピー機能についてもアピールした。ハード面でも既にPS3を含め75%のプレーヤーがBD-Live対応となっているという。
3Dについては、現在はフォーマットが提案されている状態で、たくさんのテクノロジープロバイダがさまざま方式を提案している段階。「BDは3Dにも最適なパッケージメディアプラットフォームである」として、HD経験と3Dを融合を目指していることを説明した。
続いてUSA TodayのMike Snider氏を司会に迎え、2009年以降の短期的/長期的なBD普及戦略について、光ディスクの普及動向を調査する各社によるパネルディスカッションが行われた。昨今の経済状況がBD普及へ与える影響や数年先の展望、DVDのアップコンバートからBDへの移行戦略のほか、DVDの市場は今後どうなるか、ネットワーク機能の今後などについて、アナリストの視点から幅広い意見が交わされていた。
最後に質疑応答の内容のいくつかを紹介する。
Q.映像作品はパッケージメディアではなく、ネットワーク経由で視聴する方向には進まないのか。
A.映像はダウンロードしても見られるが、それは多くの場合ダウンロードレンタル型であり、一定の期限が過ぎればそれで終わりになってしまう。しかしBDメディアは物理的に保存・所有できるし、一度視聴したあとも棚に保管しておき、また楽しむことができる。例えば紙媒体はWEBに取って代わられると言われたが、実際はまだまだ存在している。人々はディスクのような物理的なメディアが好きだ。ディスクとネット視聴は共存していくだろうと考えている。
Q.1080p以降の展開はどうなっていくのか?
A.BDは1080pのフルHD映像を楽しむための統一規格として登場したばかりで、人々はBDに満足している。ダウンロードなどでも1080pの規格が整っていないので、次の具体的な戦略はもう少し先のことになるだろう。
Q.大手スタジオは現在、フルHD映画をダウンロードで販売せず、レンタルモデルしか用意していないが、今後フルHD映画のダウンロード型サービスを開始する予定はあるのだろうか。
A.私はスタジオの代表ではないので答えられない。私個人としては、ダウンロード型サービスは非常に便利なのは確かだし、巨大なライブラリもアクセスしやすくメリットも大きいと考えている。ただし、ダウンロードした映像はHDDのクラッシュなどが起これば失われてしまう。そういったことを考えると、ユーザーはコンテンツを購入するのであれば信頼できて、よりシンプルに扱えるディスクを選ぶのではないだろうか。
カンファレンスにはBDAのチェアマンで米国のプロモーションを担当するAndy Parsons氏が登壇し、解説を行った。まずBDのハードの売れ行きについて、2006年のBD発売以来、ディスプレイサーチ社によるデータで1,070万台を出荷したと発表。「これはPS3もPCも含んでいない数値で、とても良い結果だと考えている」と述べた。
BDの普及状況については、これまで登場した各種メディアが3年目にどの程度立ち上がっていたかというデータを提示して分かりやすく説明。DVDは3年目の時点で4%程度しか立ち上がっていなかったのに対し、BDは3年目にして8%にも達しており、DVDより早い立ち上がりを見せていることをアピール。「実質の登場から二年半しか経っていないことを考えると、BDはずいぶん早く受け入れられている。昨今の経済状況を考えると素晴らしい結果だ」とコメントした。
ソフトウェアの販売状況についても説明。ワーナーの「ダークナイト」が初の100万枚を超えるミリオンヒットになったことに加え、月間販売数も9月は200万枚以上、11月に300万枚、12月には800万枚を超えたという。1四半期のみ、しかも歴史的な厳しい不況のさなかにこれだけの売り上げを記録したことをアピールし、成功を強調した。2008年にはアメリカ市場で2,490万枚ものBD作品が売れており、2008年のBD作品の市場規模は2007年の4倍以上に達したという。
「映像・音質の良さだけでない付加価値も持っている」として、BD-LIVEなどの機能に加え、「ダークナイト」などで用意された、ポータブルメディアプレーヤーへのデジタルコピー機能についてもアピールした。ハード面でも既にPS3を含め75%のプレーヤーがBD-Live対応となっているという。
3Dについては、現在はフォーマットが提案されている状態で、たくさんのテクノロジープロバイダがさまざま方式を提案している段階。「BDは3Dにも最適なパッケージメディアプラットフォームである」として、HD経験と3Dを融合を目指していることを説明した。
最後に質疑応答の内容のいくつかを紹介する。
Q.映像作品はパッケージメディアではなく、ネットワーク経由で視聴する方向には進まないのか。
A.映像はダウンロードしても見られるが、それは多くの場合ダウンロードレンタル型であり、一定の期限が過ぎればそれで終わりになってしまう。しかしBDメディアは物理的に保存・所有できるし、一度視聴したあとも棚に保管しておき、また楽しむことができる。例えば紙媒体はWEBに取って代わられると言われたが、実際はまだまだ存在している。人々はディスクのような物理的なメディアが好きだ。ディスクとネット視聴は共存していくだろうと考えている。
Q.1080p以降の展開はどうなっていくのか?
A.BDは1080pのフルHD映像を楽しむための統一規格として登場したばかりで、人々はBDに満足している。ダウンロードなどでも1080pの規格が整っていないので、次の具体的な戦略はもう少し先のことになるだろう。
Q.大手スタジオは現在、フルHD映画をダウンロードで販売せず、レンタルモデルしか用意していないが、今後フルHD映画のダウンロード型サービスを開始する予定はあるのだろうか。
A.私はスタジオの代表ではないので答えられない。私個人としては、ダウンロード型サービスは非常に便利なのは確かだし、巨大なライブラリもアクセスしやすくメリットも大きいと考えている。ただし、ダウンロードした映像はHDDのクラッシュなどが起これば失われてしまう。そういったことを考えると、ユーザーはコンテンツを購入するのであれば信頼できて、よりシンプルに扱えるディスクを選ぶのではないだろうか。