< IFA2007レポート:キーノートスピーチ>エプソン 新プロジェクターのワールドプレミアに沸く!
IFA開幕初日 (31日) 午後のキーノートスピーチには、セイコーエプソン(株)の代表取締役副社長である丹羽憲夫(にわ のりお)氏が登場。キーノートスピーチの目玉は、世界初披露(ワールドプレミア)となる液晶プロジェクターの新モデル4機種だ(関連ニュース)。
丹羽氏は、セイコーエプソンの中核事業を「画像と映像を使ったイメージング」とし、人々が家庭や教育、ビジネスシーンにおいて豊かなコミュニケーションツールを提供していくと説明。同社の目指す社会的存在の価値作り、社会的責任を果たす企業ポリシーに言及した。
「EPSONのDNAは、1964年東京オリンピックで採用された、電子プリンター『EP-101』に遡ります。EP-101 のEPを取って、EPの息子(SON)という意味が社名の由来です」 (丹羽氏) 。現在、セイコーエプソングループ117社では世界中の都市で約9万人が働く。年間 120億ドルの売上の約6%を研究開発費に充てているという。2006年度の日本国内での特許取得件数は8,362 件。パナソニック、キヤノンに次ぐ第3位の数字である。
エプソンでは「画像と映像を使ったイメージング」を「3i(スリー・アイ)ストラテジー」というカテゴライズ分けで考える。「i0」 (アイ・ゼロ) はイメージングの原点となる半導体テクノロジーを指す。独自の半導体テクノロジーとしては小型液晶パネルなどが挙げられる。「i1」〜「i3」はそれぞれ「紙」「スクリーン」「ガラス」上のイメージングである。紙はプリンター技術、ガラスはPDAケータイなどの表示画面技術、そしてスクリーンがプロジェクター技術である。
エプソンのプロジェクターは6 年間連続で世界トップシェアを維持。性能アップを指し示す、プロジェクター本体質量に対する、明るさの指標「g /lm 」(グラム・パー・ルーメン )は年々、下がり続けているという。「最初の3LCD プロジェクターVPJ-700から、あらゆる性能や用途提案を進化させ続けている」 (丹羽氏) 。
そして、いよいよワールドプレミアの開幕である。日本での発表も間近と予想されるモデル群だ。 EMP-DM1は小型・軽量のDVD 一体型プロジェクター。お世辞にも小型とは言い切れなかった前世代DVDプロジェクター EMP-TWD3(製品データベース)だったが、新モデルではハンドルもつき、本格的なモバイルプロジェクターとなっている。パネルは 480pのまま。欧州オープン価格で 650ユーロというから 10万円前後となる 「電源→DVD→ドーン」というコマーシャルトークがさらに身近になる。ドイツではディズニーとタイアップし、初めて DVD化されるという映画『ジャングルブック』の DVDがバンドルされるという。
次にDVD プロジェクターの新モデルをもう1機種。新DVD プロジェクターEMP-TWD10は、 DVDプロジェクターの正統進化モデルにあたる。パネルは720p に進化したが、それだけではない。上部(プロジェクター部 )と、下部(DVDプレーヤー部)が独立しており、上部が 180度回転する新機能を採用した。これにより設置環境において、DVD スロットや電源コードが壁側になり、使いにくいといった問題を解決した。
本格ホームシアターモデルは2機種。ひとつは欧州専用モデルの EMP-TW680。720p パネルを搭載し、原稿モデルEMP-TW700(製品データベース)の後継にあたる。明るさは1,600ANSIルーメン、コントラスト比 10,000対1は承前である。さらに注目のフラッグシップモデルが登場する。 EMP-TW2000は、TW1000(製品データベース)の上位にあたるフルHD機種だ。同社が独自開発し、他社へも供給する 「C2Fine (クリスタルクリアファイン)」のD7 世代パネルを採用した。明るさは1,600ANSIルーメン、コントラスト比(アクティブアイリス使用時 )は、実に 50,000対1にアップした。 TW1000も継続販売されるという。
さらに丹羽氏はプロジェクターの活用シーンについて説明。ビジネスにおいては大ホールから小会議室まで、あらゆる規模に対応して拡大しつづけると述べ、機能としてはワイヤレス LANやUSB 接続はもちろん、ワンタッチで2台以上のプロジェクターをシームレスに投影する機能( ワンタッチカリブレーション) を紹介した。これは実際、IFA会場のエプソンブースでも見ることができた。床面全体にCGアニメーションの車が走り回るデモで、天井には8台ものプロジェクターが吊されている。8台のプロジェクターが同時投影され、つなぎ目なしで映像が動き続ける。
教育シーンにおいては、予算の少ない教育現場にマッチする本体や交換ランプの低価格の実現。盗難の問題に対応して、教員が管理するリモコンがないと動作しない「リモコンキー」、スクリーン上に「●●学校の備品です」と表示されつづける機能などを紹介した。
エンターテインメントシーンでは映画はもちろんのこと、任天堂とのコラボレーションが発表された。任天堂 Wiiをプロジェクター投影し、新たなエンターテイメントを生み出す。エプソンブースでは、 Wiiスポーツをデモ。大スクリーンに映し出されたゲームを、来場した子供たちが遊んでいた。「プロジェクターは家族連れや、若い心を持った人々に楽しんでもらいたい」という。
最後にリサイクル可能な商品、商品の輸送時間の短縮など、環境に配慮した同社の方針を紹介。「エプソンのイメージング商品は、人と人を集め、喜びを分かち合うことができる」。コミュニケーションツールの本命であることを強調して締めくくった。
(月刊 AVレビュー編集部 永井)
[IFA2007REPORT]
丹羽氏は、セイコーエプソンの中核事業を「画像と映像を使ったイメージング」とし、人々が家庭や教育、ビジネスシーンにおいて豊かなコミュニケーションツールを提供していくと説明。同社の目指す社会的存在の価値作り、社会的責任を果たす企業ポリシーに言及した。
「EPSONのDNAは、1964年東京オリンピックで採用された、電子プリンター『EP-101』に遡ります。EP-101 のEPを取って、EPの息子(SON)という意味が社名の由来です」 (丹羽氏) 。現在、セイコーエプソングループ117社では世界中の都市で約9万人が働く。年間 120億ドルの売上の約6%を研究開発費に充てているという。2006年度の日本国内での特許取得件数は8,362 件。パナソニック、キヤノンに次ぐ第3位の数字である。
エプソンでは「画像と映像を使ったイメージング」を「3i(スリー・アイ)ストラテジー」というカテゴライズ分けで考える。「i0」 (アイ・ゼロ) はイメージングの原点となる半導体テクノロジーを指す。独自の半導体テクノロジーとしては小型液晶パネルなどが挙げられる。「i1」〜「i3」はそれぞれ「紙」「スクリーン」「ガラス」上のイメージングである。紙はプリンター技術、ガラスはPDAケータイなどの表示画面技術、そしてスクリーンがプロジェクター技術である。
エプソンのプロジェクターは6 年間連続で世界トップシェアを維持。性能アップを指し示す、プロジェクター本体質量に対する、明るさの指標「g /lm 」(グラム・パー・ルーメン )は年々、下がり続けているという。「最初の3LCD プロジェクターVPJ-700から、あらゆる性能や用途提案を進化させ続けている」 (丹羽氏) 。
そして、いよいよワールドプレミアの開幕である。日本での発表も間近と予想されるモデル群だ。 EMP-DM1は小型・軽量のDVD 一体型プロジェクター。お世辞にも小型とは言い切れなかった前世代DVDプロジェクター EMP-TWD3(製品データベース)だったが、新モデルではハンドルもつき、本格的なモバイルプロジェクターとなっている。パネルは 480pのまま。欧州オープン価格で 650ユーロというから 10万円前後となる 「電源→DVD→ドーン」というコマーシャルトークがさらに身近になる。ドイツではディズニーとタイアップし、初めて DVD化されるという映画『ジャングルブック』の DVDがバンドルされるという。
次にDVD プロジェクターの新モデルをもう1機種。新DVD プロジェクターEMP-TWD10は、 DVDプロジェクターの正統進化モデルにあたる。パネルは720p に進化したが、それだけではない。上部(プロジェクター部 )と、下部(DVDプレーヤー部)が独立しており、上部が 180度回転する新機能を採用した。これにより設置環境において、DVD スロットや電源コードが壁側になり、使いにくいといった問題を解決した。
本格ホームシアターモデルは2機種。ひとつは欧州専用モデルの EMP-TW680。720p パネルを搭載し、原稿モデルEMP-TW700(製品データベース)の後継にあたる。明るさは1,600ANSIルーメン、コントラスト比 10,000対1は承前である。さらに注目のフラッグシップモデルが登場する。 EMP-TW2000は、TW1000(製品データベース)の上位にあたるフルHD機種だ。同社が独自開発し、他社へも供給する 「C2Fine (クリスタルクリアファイン)」のD7 世代パネルを採用した。明るさは1,600ANSIルーメン、コントラスト比(アクティブアイリス使用時 )は、実に 50,000対1にアップした。 TW1000も継続販売されるという。
さらに丹羽氏はプロジェクターの活用シーンについて説明。ビジネスにおいては大ホールから小会議室まで、あらゆる規模に対応して拡大しつづけると述べ、機能としてはワイヤレス LANやUSB 接続はもちろん、ワンタッチで2台以上のプロジェクターをシームレスに投影する機能( ワンタッチカリブレーション) を紹介した。これは実際、IFA会場のエプソンブースでも見ることができた。床面全体にCGアニメーションの車が走り回るデモで、天井には8台ものプロジェクターが吊されている。8台のプロジェクターが同時投影され、つなぎ目なしで映像が動き続ける。
教育シーンにおいては、予算の少ない教育現場にマッチする本体や交換ランプの低価格の実現。盗難の問題に対応して、教員が管理するリモコンがないと動作しない「リモコンキー」、スクリーン上に「●●学校の備品です」と表示されつづける機能などを紹介した。
エンターテインメントシーンでは映画はもちろんのこと、任天堂とのコラボレーションが発表された。任天堂 Wiiをプロジェクター投影し、新たなエンターテイメントを生み出す。エプソンブースでは、 Wiiスポーツをデモ。大スクリーンに映し出されたゲームを、来場した子供たちが遊んでいた。「プロジェクターは家族連れや、若い心を持った人々に楽しんでもらいたい」という。
最後にリサイクル可能な商品、商品の輸送時間の短縮など、環境に配慮した同社の方針を紹介。「エプソンのイメージング商品は、人と人を集め、喜びを分かち合うことができる」。コミュニケーションツールの本命であることを強調して締めくくった。
(月刊 AVレビュー編集部 永井)
[IFA2007REPORT]