新しい“パナソニック”のイメージを全世界へ広めて行く − 大坪文雄社長がブランド戦略を語る
創業から90周年を迎えた松下電器産業(株)は、来る10月1日をもって社名をパナソニック(株)に変更するとともに、同社全商品のブランドを“パナソニック”に統一する。本日、代表取締役社長 大坪文雄氏出席の下、同社の新たなブランド戦略に関する説明会が行われた。
松下電器産業(株)は、本年1月に開催した経営方針説明会において大坪社長が登壇し、松下電器産業株式会社からパナソニック株式会社へ10月1日をもって社名変更を行うとともに、白物家電商品や住設機器等に冠されていた「ナショナル」のブランド名を、AVC家電で用いていた「パナソニック」に統一する方針を宣言していた(関連ニュース)。本発表以後、同社の社名変更とブランド統一に向けた準備は着実に進められきたが、本日のプレス向け説明会では、改めて統一後のブランド戦略の紹介や、白物家電製品を中心とした新製品の発表が行われた。
■これまで以上に素晴らしいブランドイメージを「パナソニック」で、全世界に広めたい
冒頭に登壇した大坪氏は会場に集まった出席者に向けて「私が“松下電器産業社長の大坪”としてご挨拶申し上げるのは、おそらく今回が最後の機会になるだろう。次回お目にかかる時には、“パナソニック社長の大坪”として、改めて皆様の前に立つことになるだろう」と述べ、間近に迫る「10月1日」の日を待ち侘びるかのように、強い意気込みを込めて挨拶した。
今回の社名変更、およびブランド統一の意義について改めて触れた大坪氏は「これまで松下、パナソニック、ナショナルに分散していたブランド価値を“パナソニック”の名の下に結集させ、世界中の従業員がチーム一丸となって“グローバルエクセレンス”の目標を実現するための選択。統一後は従業員たちの汗を一滴も無駄にせず、ブランド価値の飛躍を実現できるよう邁進していきたい」と、改めて決意を込めて語った。
ブランド統一後は、「パナソニック」のイメージをより良いものに発展させ、全世界にその名前とブランド価値を広めていくことが大事であると大坪氏は語る。全世界の、全従業員が同じ意志を持ってブランドの発展に向けて進んでいくため、大坪氏は「衆知を集めた全員経営」という創業者・松下幸之助氏の言葉を今一度より所とし、その言葉の意味を噛みしめながら「実践」へとつなげて行くと宣言。松下電器産業の創業以来の綱領を「現代的に、グローバルな視点でまとめなおした」という、新たなブランド・プロミスを紹介した。その内容は次のような言葉となる。
Panasonicが創るのは、くらしを輝かせる「アイディア」です。
世界の人々に明日のライフスタイルを提案し、地球の未来と社会の発展に貢献しつづけます。
大坪氏は新たなブランド・プロミスのもと、「様々な才能をもった全世界の社員力を結集して、ブランドの飛躍に向けた取り組みを実践して行きたい。私たちが今回決断したブランド統一が正しい選択であったかどうかは、今後私たちがより良い商品、より良いサービスをお客様にご提供していくことで証明してみせたい」と抱負を語った。
■ブランド統一で“家まるごとパナソニック”を提案 − 独自の価値提案でさらなるシェアを目指す
続いて同社代表取締役副社長の牛丸俊三氏が登壇し、新たに「パナソニック」ブランドの元に10月より出発する、白物家電(ホームアプライアンス)製品のビジネス戦略を紹介した。
牛丸氏は、これまで白物家電や住設機器のブランド名としてユーザーに親しまれてきた「ナショナル」が「パナソニック」に統一されることで、「AVC機器を含めて“家まるごとパナソニック”というインパクトのあるライフスタイルを提案して行きたい」と宣言。2001年のマーケティング本部設置移行、順調にマーケットシェアを拡大してきた白物家電市場において、「2008年第1四半期の28%というシェアを、ブランド統一をきっかけにますます拡大させるつもりだ」と意欲を示した。
同社の白物・AV家電の垣根を超えた“ものづくりのコンセプト”は「超・繋がる」「超・省エネ」「徹底したユニバーサルデザイン」にある。このコンセプトを基本として、ブランド統一後の白物家電製品については「商品を変える」「デザインを変える」「マーケティングを変える」という、それぞれのテーマごとに「変革」を実践する姿勢を牛丸氏は打ち出した。具体的にはユーザーの豊かな生活を実現するための、パナソニック独自の“ブラックボックス技術”をベースにした、「パナソニックらしいデザイン」と「省エネNo.1」の実現が掲げられた。
この日のプレス向け説明会は、同社の「ななめドラム式洗濯乾燥機」や「家庭用サイクロン式掃除機」「トップユニット冷蔵庫」など、白物家電の中軸を成す製品の最新モデルの発表会も兼ねていた。それぞれに最先端のナノテクノロジーによる「nanoe」や、高機能断熱材「U-Vacua」など、独自技術による付加価値を実現した商品群となっているが、加えて「パナソニックらしさ」を実現するデザイン性が追求されている点が大きなポイントとなる。ますます多様化するユーザーのライフスタイルに合わせ、製品のカラーバリエーションはホワイト以外にブライトシルバー、マホガニーレッドが追加された。“空間スタイルコーディネート”を実現するための可能性をデザインの充実により広げるとともに、パナソニックの製品に「一歩先を行く、先進性・洗練性をもたせ、ユーザーの憧れとなるブランドを実現していきたい」と牛丸氏は語る。また、これまでの同社のものづくりでも実践されてきた「使いやすさ」については、さらにレベルアップを図り、徹底したユニバーサルデザインを追求して行く方針が述べられた。
また、環境への配慮についても牛丸氏は「各商品群においてパナソニックが“省エネNo.1”を実現していく。新たな信頼を築き上げて行くことで、パナソニック=省エネのイメージをユーザーに浸透させて行きたい」とアピールした。
最後に牛丸氏はブランド統一以後のマーケティング戦略について語った。牛丸氏は「これまで別々のブランドとして認識されてきた当社の各ブランドについて、全力でパナソニックに結集し、ユーザーへの周知を徹底させる」旨を宣言した。具体的にはマスコミ媒体を使った、コンシューマー向けの宣伝展開に注力するとともに、自社のWebサイトのブランド統合、並びに同社の全国ショールームやパナソニック・ナショナル地域電気店、および量販店を含む店頭ディスプレイについて、徹底してパナソニックへのブランド統一を推し進めていく考えが示された。牛丸氏は「大坪社長の言葉の通り、ブランドの発展のために創業者の経営理念を引き継ぎながら、マーケティング戦略は積極的に変革していきたい」と意気込みを語った。
本日はブランド戦略の説明会後に、同社のコンシューマー製品を一堂に集めた内覧会も執り行われた。AVC製品には、プラズマテレビ“VIERA”やBDレコーダー“DIGA”、デジタルカメラ“LUMIX”の最新モデルが展示された。また白物家電もそれぞれにタッチ&トライコーナーが設けられ、白物系、オーディオ・ビジュアル系の垣根を越えて、集まった全てのプレス関係者の注目を集めていた。
(Phile-web編集部)
松下電器産業(株)は、本年1月に開催した経営方針説明会において大坪社長が登壇し、松下電器産業株式会社からパナソニック株式会社へ10月1日をもって社名変更を行うとともに、白物家電商品や住設機器等に冠されていた「ナショナル」のブランド名を、AVC家電で用いていた「パナソニック」に統一する方針を宣言していた(関連ニュース)。本発表以後、同社の社名変更とブランド統一に向けた準備は着実に進められきたが、本日のプレス向け説明会では、改めて統一後のブランド戦略の紹介や、白物家電製品を中心とした新製品の発表が行われた。
■これまで以上に素晴らしいブランドイメージを「パナソニック」で、全世界に広めたい
冒頭に登壇した大坪氏は会場に集まった出席者に向けて「私が“松下電器産業社長の大坪”としてご挨拶申し上げるのは、おそらく今回が最後の機会になるだろう。次回お目にかかる時には、“パナソニック社長の大坪”として、改めて皆様の前に立つことになるだろう」と述べ、間近に迫る「10月1日」の日を待ち侘びるかのように、強い意気込みを込めて挨拶した。
今回の社名変更、およびブランド統一の意義について改めて触れた大坪氏は「これまで松下、パナソニック、ナショナルに分散していたブランド価値を“パナソニック”の名の下に結集させ、世界中の従業員がチーム一丸となって“グローバルエクセレンス”の目標を実現するための選択。統一後は従業員たちの汗を一滴も無駄にせず、ブランド価値の飛躍を実現できるよう邁進していきたい」と、改めて決意を込めて語った。
ブランド統一後は、「パナソニック」のイメージをより良いものに発展させ、全世界にその名前とブランド価値を広めていくことが大事であると大坪氏は語る。全世界の、全従業員が同じ意志を持ってブランドの発展に向けて進んでいくため、大坪氏は「衆知を集めた全員経営」という創業者・松下幸之助氏の言葉を今一度より所とし、その言葉の意味を噛みしめながら「実践」へとつなげて行くと宣言。松下電器産業の創業以来の綱領を「現代的に、グローバルな視点でまとめなおした」という、新たなブランド・プロミスを紹介した。その内容は次のような言葉となる。
Panasonicが創るのは、くらしを輝かせる「アイディア」です。
世界の人々に明日のライフスタイルを提案し、地球の未来と社会の発展に貢献しつづけます。
大坪氏は新たなブランド・プロミスのもと、「様々な才能をもった全世界の社員力を結集して、ブランドの飛躍に向けた取り組みを実践して行きたい。私たちが今回決断したブランド統一が正しい選択であったかどうかは、今後私たちがより良い商品、より良いサービスをお客様にご提供していくことで証明してみせたい」と抱負を語った。
■ブランド統一で“家まるごとパナソニック”を提案 − 独自の価値提案でさらなるシェアを目指す
続いて同社代表取締役副社長の牛丸俊三氏が登壇し、新たに「パナソニック」ブランドの元に10月より出発する、白物家電(ホームアプライアンス)製品のビジネス戦略を紹介した。
牛丸氏は、これまで白物家電や住設機器のブランド名としてユーザーに親しまれてきた「ナショナル」が「パナソニック」に統一されることで、「AVC機器を含めて“家まるごとパナソニック”というインパクトのあるライフスタイルを提案して行きたい」と宣言。2001年のマーケティング本部設置移行、順調にマーケットシェアを拡大してきた白物家電市場において、「2008年第1四半期の28%というシェアを、ブランド統一をきっかけにますます拡大させるつもりだ」と意欲を示した。
同社の白物・AV家電の垣根を超えた“ものづくりのコンセプト”は「超・繋がる」「超・省エネ」「徹底したユニバーサルデザイン」にある。このコンセプトを基本として、ブランド統一後の白物家電製品については「商品を変える」「デザインを変える」「マーケティングを変える」という、それぞれのテーマごとに「変革」を実践する姿勢を牛丸氏は打ち出した。具体的にはユーザーの豊かな生活を実現するための、パナソニック独自の“ブラックボックス技術”をベースにした、「パナソニックらしいデザイン」と「省エネNo.1」の実現が掲げられた。
この日のプレス向け説明会は、同社の「ななめドラム式洗濯乾燥機」や「家庭用サイクロン式掃除機」「トップユニット冷蔵庫」など、白物家電の中軸を成す製品の最新モデルの発表会も兼ねていた。それぞれに最先端のナノテクノロジーによる「nanoe」や、高機能断熱材「U-Vacua」など、独自技術による付加価値を実現した商品群となっているが、加えて「パナソニックらしさ」を実現するデザイン性が追求されている点が大きなポイントとなる。ますます多様化するユーザーのライフスタイルに合わせ、製品のカラーバリエーションはホワイト以外にブライトシルバー、マホガニーレッドが追加された。“空間スタイルコーディネート”を実現するための可能性をデザインの充実により広げるとともに、パナソニックの製品に「一歩先を行く、先進性・洗練性をもたせ、ユーザーの憧れとなるブランドを実現していきたい」と牛丸氏は語る。また、これまでの同社のものづくりでも実践されてきた「使いやすさ」については、さらにレベルアップを図り、徹底したユニバーサルデザインを追求して行く方針が述べられた。
また、環境への配慮についても牛丸氏は「各商品群においてパナソニックが“省エネNo.1”を実現していく。新たな信頼を築き上げて行くことで、パナソニック=省エネのイメージをユーザーに浸透させて行きたい」とアピールした。
最後に牛丸氏はブランド統一以後のマーケティング戦略について語った。牛丸氏は「これまで別々のブランドとして認識されてきた当社の各ブランドについて、全力でパナソニックに結集し、ユーザーへの周知を徹底させる」旨を宣言した。具体的にはマスコミ媒体を使った、コンシューマー向けの宣伝展開に注力するとともに、自社のWebサイトのブランド統合、並びに同社の全国ショールームやパナソニック・ナショナル地域電気店、および量販店を含む店頭ディスプレイについて、徹底してパナソニックへのブランド統一を推し進めていく考えが示された。牛丸氏は「大坪社長の言葉の通り、ブランドの発展のために創業者の経営理念を引き継ぎながら、マーケティング戦略は積極的に変革していきたい」と意気込みを語った。
本日はブランド戦略の説明会後に、同社のコンシューマー製品を一堂に集めた内覧会も執り行われた。AVC製品には、プラズマテレビ“VIERA”やBDレコーダー“DIGA”、デジタルカメラ“LUMIX”の最新モデルが展示された。また白物家電もそれぞれにタッチ&トライコーナーが設けられ、白物系、オーディオ・ビジュアル系の垣根を越えて、集まった全てのプレス関係者の注目を集めていた。
(Phile-web編集部)