“需要構造の大きな変化は新しい発展を遂げるチャンス”
JEITA新会長にパナソニックの大坪氏が就任 - 着任会見を実施
(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は、任期満了に伴う会長の交代を発表。新会長にパナソニック(株)代表取締役社長の大坪文雄氏を選出し、本日都内にて着任会見を開催した。
前任である(株)日立製作所 取締役会議長の庄山悦彦氏より会長職を引き継いだ大坪氏は、会見でJEITAの2009年度の活動基本方針と主な事業項目について報告。「直面する経済危機を克服するために、政府と一体となり速やかな内需回復を目指す」とコメント。併せて、中長期的な視点でITエレクトロニクス分野の一層の国際競争力強化にも取り組むと基本方針を語った。
席上、大坪氏は昨今の世界的な経済状況について「単に大不況というにとどまらず、あらゆる商品について“新興国市場へのシフト”“低価格商品のシフト”“環境重視の消費活動へのシフト”といった需要構造の大きな変化が同時に進行している」と言及。「現在の厳しい状況も、見方を変えれば新しい発展を遂げるチャンスと捉えられる」と、発想を転換する必要性も業界に求められるという考え方も示した。
また、JEITAの具体的な取り組みについては主に「放送の完全デジタル化」「低炭素社会実現への貢献」「モノづくりの原点」という3点について言及。
特に、アナログ停波まで2年あまりとなった放送の完全デジタル化に関しては、JEITAが発表している地上デジタル放送受信機の出荷実績(関連ニュース)などに触れながら「景気が低迷する中でも、ほぼ毎月2ケタ成長を続けている」と移行が進んでいることを説明。
しかしその一方で「世帯普及率で見ればまだ60%強という数字だ。残された期間を考えるとさらに対応を加速させる必要がある」ともコメント。「全ての消費者の皆さんがデジタル放送の利便性を享受できるような、多様で魅力ある製品の開発供給に努めていく」と、今後への意気込みを語った。
低炭素社会の実現については、「経済社会活動のあらゆる場面において利用されているITエレクトロニクス技術は、社会全体での持続的な温室効果ガスの排出抑制に貢献できる」とコメント。業界をあげて技術開発に取り組んでいることを改めてアピールした。
そして、省エネ技術の研究開発やランニングコスト削減などは、商品力の強化と環境負荷低減に直結するものとの考え方を提示。「長年に渡る努力と経験により、我が国のITエレクトロニクス産業界は、世界最先端の省エネ技術を有していると言っても過言ではない」と胸を張り、そうしたノウハウを通じて地球規模でのCo2削減へ貢献していくと述べた。
「モノづくりの原点」に関しては、「モノづくりを大切にすることは、我が国製造業界の共通理念。この理念は世界最先端の技術と優秀な人材に支えられている」とし、JEITAが人材育成活動にも取り組んでいることを紹介。
会員企業のトップ技術者を小中学校などへ派遣する育成プログラムを紹介し、「世界最先端の技術力を維持向上させることは、国際競争力強化にも直結する」とコメント。政府とも連携し、今後も積極的に人材育成へ取り組んでいくとした。
そして最後に大坪氏は「JEITAの活動は広範な分野に及び、課題は多岐に渡っている」と発言。「JEITA会長として、広く関係各位のご協力を賜りながら、全力を尽くしていく」と語り、様々な課題に積極的に取り組んでいく考えを改めて示した。
以下、会見で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.地球温暖化対策に関する政府の中長期目標において、温室効果ガスの削減目標にはいくつかの数値目標案が提示されている。JEITAは、この中の「(1)2005 年比−4%、1990 年比+4%」という案を望ましいとしているが、こう考えた背景を教えて欲しい。
A.JEITAとしては、その(1)の案か、もしくは「(2)2005 年比−6〜−12%、1990 年比+1〜−5%」というどちらかが好ましいのではないかと提案している。もちろん数値そのものも大切だが、我々としては持っている技術力を省エネへと結実させ、最先端の省エネ技術を世界中の人々へ届けることこそが重要であると思っている。
Q.薄型テレビなどの需要動向をどのように見ているのか教えて欲しい。
A.ご存じのように薄型テレビは価格の下落が非常に激しくなっており、厳しい状況であることは確かだ。だが、今後のユビキタス社会を考えると、例えばセキュリティシステムや総合的なエネルギーマネジメントシステムのモニターとしてテレビが活用されるなどといった可能性もある。テレビ単体としては価格下落は厳しい面もあるが、今後の幅広い展開を考えたときに、テレビは核となれる商品。そう悲観することはないのではないか。
Q.本日、完全失業率が5%を超えたことを総務省が発表した。こうしたこともあり、今後も消費マインドなど厳しい状況が続きそうだが、そうした点についてはどのように考えているのか。
A.その発表については詳細が分からないので具体的な数値などは差し控えたい。ただし、エコポイントが開始されたことで、対象となる商品のほとんどは前年比で売上を伸ばしている。ポイントで交換できる製品が決まるなど、詳細が決まれば今後はそちらの売上も伸びるだろう。こうした状況はJEITAに加盟しているような企業だけでなく、その周辺産業にも好影響を与える。これらが回り出せば、状況が変わる可能性もあるのではないかと思っている。
前任である(株)日立製作所 取締役会議長の庄山悦彦氏より会長職を引き継いだ大坪氏は、会見でJEITAの2009年度の活動基本方針と主な事業項目について報告。「直面する経済危機を克服するために、政府と一体となり速やかな内需回復を目指す」とコメント。併せて、中長期的な視点でITエレクトロニクス分野の一層の国際競争力強化にも取り組むと基本方針を語った。
席上、大坪氏は昨今の世界的な経済状況について「単に大不況というにとどまらず、あらゆる商品について“新興国市場へのシフト”“低価格商品のシフト”“環境重視の消費活動へのシフト”といった需要構造の大きな変化が同時に進行している」と言及。「現在の厳しい状況も、見方を変えれば新しい発展を遂げるチャンスと捉えられる」と、発想を転換する必要性も業界に求められるという考え方も示した。
また、JEITAの具体的な取り組みについては主に「放送の完全デジタル化」「低炭素社会実現への貢献」「モノづくりの原点」という3点について言及。
特に、アナログ停波まで2年あまりとなった放送の完全デジタル化に関しては、JEITAが発表している地上デジタル放送受信機の出荷実績(関連ニュース)などに触れながら「景気が低迷する中でも、ほぼ毎月2ケタ成長を続けている」と移行が進んでいることを説明。
しかしその一方で「世帯普及率で見ればまだ60%強という数字だ。残された期間を考えるとさらに対応を加速させる必要がある」ともコメント。「全ての消費者の皆さんがデジタル放送の利便性を享受できるような、多様で魅力ある製品の開発供給に努めていく」と、今後への意気込みを語った。
低炭素社会の実現については、「経済社会活動のあらゆる場面において利用されているITエレクトロニクス技術は、社会全体での持続的な温室効果ガスの排出抑制に貢献できる」とコメント。業界をあげて技術開発に取り組んでいることを改めてアピールした。
そして、省エネ技術の研究開発やランニングコスト削減などは、商品力の強化と環境負荷低減に直結するものとの考え方を提示。「長年に渡る努力と経験により、我が国のITエレクトロニクス産業界は、世界最先端の省エネ技術を有していると言っても過言ではない」と胸を張り、そうしたノウハウを通じて地球規模でのCo2削減へ貢献していくと述べた。
「モノづくりの原点」に関しては、「モノづくりを大切にすることは、我が国製造業界の共通理念。この理念は世界最先端の技術と優秀な人材に支えられている」とし、JEITAが人材育成活動にも取り組んでいることを紹介。
会員企業のトップ技術者を小中学校などへ派遣する育成プログラムを紹介し、「世界最先端の技術力を維持向上させることは、国際競争力強化にも直結する」とコメント。政府とも連携し、今後も積極的に人材育成へ取り組んでいくとした。
そして最後に大坪氏は「JEITAの活動は広範な分野に及び、課題は多岐に渡っている」と発言。「JEITA会長として、広く関係各位のご協力を賜りながら、全力を尽くしていく」と語り、様々な課題に積極的に取り組んでいく考えを改めて示した。
以下、会見で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.地球温暖化対策に関する政府の中長期目標において、温室効果ガスの削減目標にはいくつかの数値目標案が提示されている。JEITAは、この中の「(1)2005 年比−4%、1990 年比+4%」という案を望ましいとしているが、こう考えた背景を教えて欲しい。
A.JEITAとしては、その(1)の案か、もしくは「(2)2005 年比−6〜−12%、1990 年比+1〜−5%」というどちらかが好ましいのではないかと提案している。もちろん数値そのものも大切だが、我々としては持っている技術力を省エネへと結実させ、最先端の省エネ技術を世界中の人々へ届けることこそが重要であると思っている。
Q.薄型テレビなどの需要動向をどのように見ているのか教えて欲しい。
A.ご存じのように薄型テレビは価格の下落が非常に激しくなっており、厳しい状況であることは確かだ。だが、今後のユビキタス社会を考えると、例えばセキュリティシステムや総合的なエネルギーマネジメントシステムのモニターとしてテレビが活用されるなどといった可能性もある。テレビ単体としては価格下落は厳しい面もあるが、今後の幅広い展開を考えたときに、テレビは核となれる商品。そう悲観することはないのではないか。
Q.本日、完全失業率が5%を超えたことを総務省が発表した。こうしたこともあり、今後も消費マインドなど厳しい状況が続きそうだが、そうした点についてはどのように考えているのか。
A.その発表については詳細が分からないので具体的な数値などは差し控えたい。ただし、エコポイントが開始されたことで、対象となる商品のほとんどは前年比で売上を伸ばしている。ポイントで交換できる製品が決まるなど、詳細が決まれば今後はそちらの売上も伸びるだろう。こうした状況はJEITAに加盟しているような企業だけでなく、その周辺産業にも好影響を与える。これらが回り出せば、状況が変わる可能性もあるのではないかと思っている。