Dolby Japan、「ドルビー3D デジタルシネマ」体験試写会を開催 − 納品数は全世界で500件
Dolby Japan(株)は本日、IMAGICA 東京映像センターにてプレス向けに体験試写会を開催した。最新コンテンツを使用したデモを行ったほか、Dolby Japan代表取締役社長の漆山氏らが出席し「ドルビー3D デジタルシネマ」の技術的な説明や今後の動向を紹介した。
試写会はIMAGICA 東京映像センター内の第2試写室で行われたが、(株)IMAGICA 映画本部デジタルシネマ推進室 課長の中西勇樹氏によるとここは「日本初のデジタルシネマ3D試写設備を常設した本試写室」なのだという。
■ドルビー3D デジタルシネマの納品数は世界24ヵ国で年間500件を達成
3D デジタルシネマは、従来の赤と青の2色メガネで見る3D映画とは異なり、最先端テクノロジーを駆使した専用のスクリーン、専用のメガネを用いて立体の映像を楽しめる3D映像技術だ。Dolby 3D(分光方式)メガネを採用する「ドルビー3D デジタルシネマ」以外にも、円偏光フィルター方式メガネを採用する「Real D」など多数の上映方式が存在する。
Dolby Japan(株)代表取締役 ストラテジック・アドバイザーの伏木雅昭氏によると、世界規模での設置概数は「現在最も3Dデジタルシネマが普及している米国ではデジタルシネマ対応の映画館が5000館、そのうち3Dにも対応する館は1000館ほど。ヨーロッパでは1200館のうち300館ほど。そして日本ではデジタルシネマ対応の映画館が約80館で、そのうち3Dに対応するのは40館ほど」だという。
「ドルビー3D デジタルシネマ」方式で上映がおこなわれたのは07年10月に米国で上映された「Beowulf」が初めて。ドルビーラボラトリーズは、07年10月から約1年で「ドルビー3D デジタルシネマ」の納品数が全世界24ヵ国で500件を越えたことを本日付で発表している。「Beowulf」は日本でも07年12月より新宿バルト9、シネマイクスピアリなど対応の映画館で上映されたが(邦題は「ベオウルフー呪われし勇者ー」)、興行成績は一般上映の映画館と比べて動員数324%、収入450%と好評で、日本国内においても成功を収めている。
本日のデモは約15分で、「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」や「センター・オブ・ジ・アース」の予告映像、「Fly Me to the Moon」など日本ではほぼ初上映となる6作品が上映された。どの映像も臨場感、迫力が圧巻だったが、全米で8月に公開された長編アニメーション映画「Fly Me to the Moon」では、スクリーンから飛び出してきたキャラクターに至近距離でじっと見つめられるシーンがあり、その映像の高精細さには鳥肌が立ちそうなほどであった。
今後の全米での上映作品は、09年3月「Monster vs Aliens」、7月「Ice Age 3」、10月「Toy Story」など。また日本では10月25日より「センター・オブ・ジ・アース」が公開される。
Dolby Japan(株)代表取締役社長の漆山 正幸氏は「3D映像技術は先日開催されたCEATECの会場でも各社が3Dディスプレイの展示を行うなど注目度の高さが伺える。映画の3D上映についてはこれまでに過去何回かブームが起こったが、いずれも一過性のものにすぎなかった。しかしここにきて、映画のフルデジタル化が進み、3Dデジタルシネマも新たな領域に突入したと感じている」と見解を述べた。
「ドルビー3D デジタルシネマ」の技術面については、同社マーケティング部 テクノロジー・エバンジェリスト 松浦亮氏が詳しく解説した。
松浦氏は「ドルビー3D デジタルシネマ」の特徴として、その導入のしやすさを挙げる。既存のホワイトスクリーンで上映が可能なため導入コストを抑えられ映画館関係者にはメリットが大きい。
また画質面でも、ちらつきのない3D効果を実現し、ディティールの表現や色再現性に優れているという。Dolby 3D技術は左目用と右目用で主要色帯域が異なる分割映像を交互に全帯域映像として投射するというのが基本的な仕組み。Dolby 3Dメガネのフィルターレンズは50層の膜で構成されており、左右固有の色周波数に正確にチューニングされることで優れたセパレーションを実現。その結果、色再現性に優れた映像を再現するのだという。
さらにDolby 3Dのフィルターホイールは投影レンズの前ではなくランプ光源とDLP光学エンジンの間に配置し投射前の映像に補正を加えるため、画質への影響を最小限に抑えることが可能なのだという。
なおDolby 3Dメガネは再利用が可能で環境面にも配慮。また盗難防止のチップが組み込まれている。
(Phile-web編集部)
試写会はIMAGICA 東京映像センター内の第2試写室で行われたが、(株)IMAGICA 映画本部デジタルシネマ推進室 課長の中西勇樹氏によるとここは「日本初のデジタルシネマ3D試写設備を常設した本試写室」なのだという。
■ドルビー3D デジタルシネマの納品数は世界24ヵ国で年間500件を達成
3D デジタルシネマは、従来の赤と青の2色メガネで見る3D映画とは異なり、最先端テクノロジーを駆使した専用のスクリーン、専用のメガネを用いて立体の映像を楽しめる3D映像技術だ。Dolby 3D(分光方式)メガネを採用する「ドルビー3D デジタルシネマ」以外にも、円偏光フィルター方式メガネを採用する「Real D」など多数の上映方式が存在する。
「ドルビー3D デジタルシネマ」方式で上映がおこなわれたのは07年10月に米国で上映された「Beowulf」が初めて。ドルビーラボラトリーズは、07年10月から約1年で「ドルビー3D デジタルシネマ」の納品数が全世界24ヵ国で500件を越えたことを本日付で発表している。「Beowulf」は日本でも07年12月より新宿バルト9、シネマイクスピアリなど対応の映画館で上映されたが(邦題は「ベオウルフー呪われし勇者ー」)、興行成績は一般上映の映画館と比べて動員数324%、収入450%と好評で、日本国内においても成功を収めている。
本日のデモは約15分で、「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」や「センター・オブ・ジ・アース」の予告映像、「Fly Me to the Moon」など日本ではほぼ初上映となる6作品が上映された。どの映像も臨場感、迫力が圧巻だったが、全米で8月に公開された長編アニメーション映画「Fly Me to the Moon」では、スクリーンから飛び出してきたキャラクターに至近距離でじっと見つめられるシーンがあり、その映像の高精細さには鳥肌が立ちそうなほどであった。
今後の全米での上映作品は、09年3月「Monster vs Aliens」、7月「Ice Age 3」、10月「Toy Story」など。また日本では10月25日より「センター・オブ・ジ・アース」が公開される。
Dolby Japan(株)代表取締役社長の漆山 正幸氏は「3D映像技術は先日開催されたCEATECの会場でも各社が3Dディスプレイの展示を行うなど注目度の高さが伺える。映画の3D上映についてはこれまでに過去何回かブームが起こったが、いずれも一過性のものにすぎなかった。しかしここにきて、映画のフルデジタル化が進み、3Dデジタルシネマも新たな領域に突入したと感じている」と見解を述べた。
「ドルビー3D デジタルシネマ」の技術面については、同社マーケティング部 テクノロジー・エバンジェリスト 松浦亮氏が詳しく解説した。
松浦氏は「ドルビー3D デジタルシネマ」の特徴として、その導入のしやすさを挙げる。既存のホワイトスクリーンで上映が可能なため導入コストを抑えられ映画館関係者にはメリットが大きい。
また画質面でも、ちらつきのない3D効果を実現し、ディティールの表現や色再現性に優れているという。Dolby 3D技術は左目用と右目用で主要色帯域が異なる分割映像を交互に全帯域映像として投射するというのが基本的な仕組み。Dolby 3Dメガネのフィルターレンズは50層の膜で構成されており、左右固有の色周波数に正確にチューニングされることで優れたセパレーションを実現。その結果、色再現性に優れた映像を再現するのだという。
さらにDolby 3Dのフィルターホイールは投影レンズの前ではなくランプ光源とDLP光学エンジンの間に配置し投射前の映像に補正を加えるため、画質への影響を最小限に抑えることが可能なのだという。
なおDolby 3Dメガネは再利用が可能で環境面にも配慮。また盗難防止のチップが組み込まれている。
(Phile-web編集部)