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山之内正のCES2009レポート

CES会場にみる「2009年デジタルAVの進化」 − トレンドの背景を読み解く

公開日 2009/01/10 10:39 山之内 正
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■薄型テレビの「画質の進化」に成果はあったのか?

エコロジー、使い勝手、3D、どれも重要なテーマであることはわかるが、肝心の画質の視点で見ると、昨年以上の進化を見出すことはできなかったのが残念である。すぐにでも欲しいと思わせる高画質映像を見せていたのはソニーの21型、27型の有機ELテレビぐらいだが、27型については様々なイベントで見てきたプロトタイプとほぼ同じもので、今回のCESで初めて登場したわけではない。


鮮鋭感を高める超解像処理の効果を解像度の低い画像で比較(左がオフ、右がオン)、ディスプレイはフルHDのLEDバックライトモデルを使用
東芝が満を持して展示したCell TVは、可能性の大きさという点では、今回のCESで各社が展示したディスプレイのハイライトといっていいだろう。特に4k-2kパネル(56型)を用いたCell TVで表示していた1080p信号からのアップコンバート映像は、精細感の高さとテクスチャの豊かさに明らかなメリットが感じられ、フルHDを超える感動を呼び起こすポテンシャルが感じられた。


Cell TVの4k x 2kディスプレイではフルHD画像での精細感の向上実感できる。写真は超解像オフ時

写真は超解像オン時。葉や花の質感に注目
Cell TVのデモンストレーションで残念だった点は、動きのゆっくりした準静止画的なソースしか見られなかったことである。フルHD解像度で映画を含む様々な高画質ソースを見てみたいものだが、その希望はかなわなかった。東芝の場合、BDでのデモンストレーションが一切ないというのは現在のAVシーンではあり得ないことだ。せっかくのフラグシップディスプレイの実力をCESの会場で確認できないのは残念というしかない。


LG電子の15型AMOLED。厚さは0.85mmしかない
昨年のCESで最高画質を見せていたパイオニアのブースは既存ラインナップの展示が中心で、プラズマの盟主となったパナソニックは3Dが主役。肝心のNeo PDPの画質をもっとじっくり見たかった。

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