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ニューモバイルフォン新事業立ち上げも言及

ソニー、2009年度決算を発表 − 今期は営業利益404%増の1,600億円を目指す

公開日 2010/05/13 21:43 ファイル・ウェブ編集部
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「ソニーの持っている技術を組み合わせた」iPhoneに対抗する新スマートフォンを発売予定

以下、会見で行われた質疑応答の様子をお届けする。

Q:3年ぶりの最終黒となり新しい成長のフェーズに入ったように感じるが、どのようにみているか。意気込みを教えてほしい。

A:今期にかけて新しい商品やビジネスモデルが相当期待できるのではないかと思っていた。ただネットワークビジネスはそれなりにコストもかかり、長期的に考えていくべきもの。今年に入って急に利益を出すようなビジネスにはならないということで、1,600億円ということになっているが、少なくとも新しいビジネスモデルや製品のネタは徐々に実現性を帯びてきはじめていると思う。(大根田氏)

Q:今年度の営業損益1,600億円というのは、もう少しいくのではという見方もあるが、どのように考えているか。

A:昨今の経済危機のこともあるので、まずは今のレベルを達成することが大事だと考えている。その上で第1四半期、第2四半期で具体的な景況がみえてきたところで数字を考えていきたい。(大根田氏)

Q:テレビ事業について。今年度の液晶テレビ販売台数を1,000万台増やすという強気の計画だが、韓国メーカーもかなり伸ばしていく計画を出している中で、勝算をどう考えているか。

A:薄型テレビ全体のマーケットサイズは2009年度が1億5,000万くらいで、今年は1億8,000万くらいに伸びてくると見ている。2009年度、ソニーは前年からあまり伸びず、前年比で約4%マーケットシェアを失っている。なので新たにシェアを獲得するというよりは、2009年度の10%のシェアから2008年度時点の14%のシェアに戻すという考えだ。

ソニーの今年度のテレビ事業の方向性としては、販売目標台数2,500万台のうち3Dテレビを10%程度の割合にもっていきたいほか、LEDバックライトも20〜30%くらいの製品に搭載していきたい。IPTV対応モデルを増やしたり、デザインを重視したモデルを出すなど製品の競争力もついてきている。確かに厳しいマーケットではあるが、2,500万台くらいの販売台数は達成できるのではと思う。

足下では確かに、第1四半期あたりまではパネルの供給の問題などがでてくるかと思うが、年間通してみた場合、2,500万台くらいのパネルは調達できると考えている。地域別では、欧米より新興国での販売台数が相当伸びるだろう。(大根田氏)

Q:IPTVをつかった新しいネットワークサービスの利益予測について。

ネットワークビジネスの規模は2009年度は300億半ばくらい。今期はその2倍程度になると見ている。ただ、まだ投資の時期。プラットフォームを作ったり顧客を増やしたりと時間のかかるビジネスであり、今期に利益を出すのは難しい。2011年度あたりで黒字に転換できるのではないかと考えている。(大根田氏)

Q:経営体制が変わって1年たつが、達成できたこと、できなかったことを教えてほしい。

A:1年間を振り返るとまずは事業構造の改革ということがあり、コスト削減など著しく進んだ。また短期的な課題としては、テレビ、PS3、ソニーエリクソンの3つの事業の業績改善という問題があったが、1年間の取り組みを通じて次の期にはそれぞれ黒字化の見込みをたてることができた。(神戸氏)

Q:黒字転換の感想、V時回復の理由を端的に説明してほしい。

A:モデルの強さとも絡んでくるが、当初の予測よりも価格を下げないでいられたということが大きい。また構造改革の影響でコスト削減もかなり進んだ。(大根田氏)

Q:PCや電子書籍、デジタルオーディオプレーヤーなど多くの分野でアップルと競合しているが、どのように戦っていくのかソニーの戦略を教えてほしい。

我々も携帯電話やPC、ウォークマンなど比較的モバイルの形でネットワークにつながるような製品を多くもっているので、それをいかに組み合わせてやっていくかが重要。iPadについては今相当売れているが、私どもの「Reader」も市場が伸びてくる。Readerならではの電池のもち、読みやすさなどのメリットがあり、今後もそれなりに成長していくと思っている。iPhoneについては、さきほど申し上げたように、ソニーエリクソンとも絡みながら、我々の持っている技術を組み合わせた新製品を考えおり、今後みなさんに紹介できると思う。(大根田氏)

Q:2010年度の業績予想にはギリシャ問題でのユーロ下落の影響も考慮されているのか。

A:ほとんど入っていない。ギリシャの問題が発生したのは2、3週間前。為替が今のような状態が続けば、今後業績はマイナスになると思うが、この状態がずっと続くとは考えていない。たしかにギリシャの問題がリーマンショックのように全世界に波及することになれば、影響もでてくる可能性もあるが、現段階でこれがどのくらい見込めるかは見抜くことができない。(大根田氏)

Q:3D関連製品の売上高は他社の発売などで影響はでてくるのか。

A:金額的には計算をしていないが、ご存じのように我々は3Dのコンテンツを撮影する機器からコンテンツ配信、再生機器に至るまで、3Dビジネスはエンドtoエンドを押さえている有利な立場にあり、他社さんのことはそれほど心配していない。また夏以降もテレビだけでなく、それ以外の3D関連製品の発売も予定している。(大根田氏)

Q:2010年度の地域ごとの成長予測を教えてほしい。

A:感覚的に言うと、全ての地域で2009年よりも2010年の方が売り上げがアップすると思う。特にハード関係は大幅に伸びるとみている。ただ伸び率では、欧米、日本はおそらく一桁台にとどまり、アジアなど発展途上国の伸びがかなり大きくなると思う。(大根田氏)

Q:新しい体制で1年が過ぎたが、新体制を100点で評価する何点か。

道筋をつけたという点では、黒字に持ってくることができたというところで、ある意味結果はでたとも言えるが、さらに新しいビジネスの成功などの結果が見えてこなければ、何とも申し上げられない。具体的な数値は控えさせていただきたい。(神戸氏)

Q:今期のテレビとゲーム事業の見通しを教えてほしい。

A:テレビは2009年度は減損も含めると700億程度の赤字だが、今期は少なくとも黒字で、1,000億円くらいの回復にもってくることができるのではと思っている。ゲームも2009年度は500億程度の赤字だが、今期は二桁くらいの黒字になると見込んでいる。

なぜかというと価格下落が2010年度は前年よりやや緩むこと、また販売数を増やすとともにコスト削減も行っていることがある。またPS3の逆ザヤが解消したことで、PS3のコストダウン、販売数の増加が今年度一番の回復の要因となるとみている。(大根田氏)

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