“REGZAの顔”でおなじみ
<IFA2010>CEVOエンジンやクラウドサービスの日本展開はどうなる? 東芝・本村氏に訊ねた
Jacob Jensen Design社とのコラボ
IFA2010の東芝プレスカンファレンスは、ヨーロッパ向けの液晶テレビのハイエンドモデル「WL768」シリーズのプロダクトデザインを担当したJacob Jensen Design社CEOのティモシー・ヤンセン氏がゲストスピーカーとして出席したことも話題を呼んだ。
今回のコラボレーションが実現した経緯について本村氏は、「ヨーロッパモデルの開発に着手する際、プロダクトデザインを快諾いただいたことからJacob Jensen Design社との協業が実現した」と説明。
「東京に拠点を置く東芝の、先進的な技術のイメージと、デンマークが本拠地のJacob Jensen Design社が持つ北欧の感性が融合したら、どんなプロダクトが出来上がるのかと、ティモシー・ヤンセン氏に興味を持っていただいた。カットアンドトライを何度も繰り返しながら、意欲的に新モデルのデザインに取り組んでいただいた」。
ヨーロッパでは「WL768」3モデル、「VL748」2モデル、合計5モデルがコラボモデルの“第1弾”。先述のCEVOエンジン搭載機「55ZL1」が“第2弾”として控える。日本国内で発売されるLED REGZA「F1」シリーズもJacob Jensen Design社とのコラボモデルだ。今回のデザイン・コラボレーションについて、本村氏は「今回のコラボを実現できて、REGZAシリーズはまた大きなチャレンジをクリアできたと感じている。Jacob Jensen Design社のデザインエッセンスが、今後のREGZAのプロダクトデザインに良い効果をもたらしてくれるだろう」と期待する。
テレビ/PC向けクラウドサービス
東芝のプレスカンファレンスでジャーナリストたちの関心を集めた“CEVO”以外のもう一つのトピックスが、クラウドベースの新サービス「TOSHIBA PLACES」、ならびにアプリケーションサービス「TOSHIBA MARKET PLACE」だ。これらのサービスに対応する機器として、テレビ向けセットトップボックスとAndroid OS搭載タブレットPC「FOLIO 100」が、10月中旬よりフランスで発売される。
「TOSHIBA PLACES」はクラウド上に公開されるサービスをプラットフォームに、STBをつないだテレビやPCで、VODなどのサービスをオンデマンドに楽しんだり、異なるデバイスやユーザー間でシェアして楽しむことができるというもの。
「TOSHIBA MARKET PLACE」には、サービス開始当初から10〜20社前後のコンテンツプロバイダーが参加し、動画視聴や双方向データサービスなどが利用できるアプリケーションが用意される。
会場ではサービスの使い勝手をデモで紹介。コンテンツの一例として紹介されたビデオレンタルサービスでは、48時間レンタル視聴できる映画タイトルが4.99ユーロで視聴でき、購入後30日間はいつでも視聴をスタートできる。作品の価格やその他の視聴条件についてはタイトルごとに異なる。
作品の視聴時には、クラウド上のコンテンツにブックマークを付ける機能もあり、テレビで途中まで再生したビデオを一旦停止して、外出先でタブレットPCを使って再生を再開するといった使い方もできる。
「TOSHIBA PLACES」はフランスをはじめヨーロッパから順次グローバルに展開するサービス。これに近いサービスが、日本で東芝が発売するテレビ製品などで、近く楽しめるようになる可能性もあると本村氏は語る。
本村氏は「“TOSHIBA PLACES”と日本で導入を検討しているサービスは、全く同じにはならないと思う。日本のサービスはクラウドベースかもしれないし、または家庭内ネットワークをベースにしているかもしれない。日本で展開する際には、日本のユーザーニーズやライフスタイルに最適化し、最もご利用いただきやすいかたちで導入したい」と説明する。
今回IFAの出展でかたちが見えてきた、日本国内での東芝の“次のチャレンジ”にもぜひ期待したい。