3D関連展示も盛りだくさん
FPD Internationalレポート − 4K2K 3Dディスプレイ/サムスン30V型有機EL/E Inkのカラー電子ペーパーなど注目出展多数
フラットパネルディスプレイの総合技術展「FPD International 2010」が、11月10日から12日まで、幕張メッセで開催されている。各メーカーのブースから、3Dや有機EL、電子ペーパーなどに関連する出展を紹介しよう。
【3D】東芝MD 4K2Kパネル搭載の21V型裸眼試作機/シャープ 多彩なモバイル用途の裸眼3Dディスプレイを展示
東芝モバイルディスプレイ(TMD)は、東芝の液晶テレビREGZAシリーズに12月下旬から加わる“グラスレス3Dテレビ”「20GL1」に採用されたパネルのベースにもなっている、3,840×2,400画素(4K2K相当)の液晶パネルを搭載した21V型ディスプレイや、12.1V型の1,400×1,050画素ディスプレイを参考出展した。
同社のディスプレイはインテグラルイメージング(光線再生方式)方式とレンチキュラーシートの組み合わせによる裸眼3D表示に対応しており、高精細、広視域を特徴としているほか、レンチキュラーシートを採用したことで表面輝度の低下を抑制し、低消費電力で3D表示の際も一般のディスプレイと変わらない明るさで表示が可能な点が特徴であるという。
会場にはアクティブシャッターメガネによる3D視聴に対応した、1,280×800画素の15.4V型3Dディスプレイも展示されている。
シャープは先日ソフトバンクやドコモが発表した裸眼3D対応のスマートフォンにも採用されている、モバイル用途のディスプレイデバイスを出展している。
同社が開発した裸眼3D対応のデバイスは、2D/3Dの表示切り替えやタッチパネル操作に対応するほか、視差バリアパネルのコントロールにより、ディスプレイを縦横どちらに構えても裸眼3D表示が行える。今回のイベントでは3.8型と10.6型の試作機を用いたデモを実施。デバイスはいずれも今年の4月に同社が発表したものから基本的な性能や仕様は変更されていないが(関連ニュース)、3D表示のクオリティを向上させるなど細かな点でのブラッシュアップが図られているという。
メガネを使用する3D表示の技術についても、UV2A、4原色カラーフィルター、240Hz駆動を実現するFREDなど、同社のオンリーワン技術を訴求する展示コーナーも設けられ、大勢の来場者が列を作っている。ここでは、現在開発中の、32V型の3D対応液晶ディスプレイも視聴できる。UV2A、FRED、LEDバックライトを搭載し、カラーフィルターは3原色、解像度は1,366×768(WXGA)画素となる。
その他シャープのブースでは、3,840×2,160画素の高精細60型液晶ディスプレイや、58型「21対9」のシネスコサイズの液晶ディスプレイ試作機なども展示されている。
サムスンは酸化物半導体TFTを使った、70型のLEDバックライト搭載3D液晶ディスプレイ試作機を展示した。駆動周波数は240Hz、表示画素数は3,840×2,160画素(3D/2Dとも)となり、専用のアクティブシャッターメガネで3D視聴が行える。3D対応機は2D-3D変換機能を搭載するという。本機の隣には、同じ70型の2D対応モデルも展示されている。
パネルの輝度は500cd/m2、ダイナミックコントラスト値は10万対1、応答速度は4ms、視野角は180度と説明されている。LEDバックライトはローカルディミング対応。
LG電子は84型、3,840×2,160画素のLEDバックライト搭載3D液晶ディスプレイを展示。バックライトは直下型。本機はアクティブシャッターメガネによる3D対応モデルだが、47型のメガネなし3D液晶ディスプレイも展示されている。本機は多視差変換LSIを搭載し、高精細な3D映像再生を実現しているという。
【有機EL】サムスン 30V型の3Dテレビやモバイル用途まで幅広いラインナップを展開/LGからは31V型テレビの試作機
有機ELディスプレイは、サムスンとLG電子のブースで大型の試作機を見る事ができた。サムスンが30V型、LGが31V型を展示していた。
サムスンの3V0型モデルはアクティブシャッターメガネによる3D表示が行える。パネル解像度は1,920×1,080画素。展示説明員によれば、テレビなどAV機器での展開を想定しているが、実際の商品化の時期については決まっていないという。本機以外にも14V型の3D表示対応試作機や、折り曲げられる2.8型のフレキシブルディスプレイなど、同社の多彩な有機ELソリューションが紹介されている。
LGの31V型試作機も、パッシブタイプのメガネによる立体映像表示が可能な3Dモデルとして紹介されていた。解像度は1,920×1,080画素。本機のほか、3.2型のモバイル用途での展開を想定した3D対応有機ELディスプレイも並べられていた。
【電子書籍】E Ink カラー表示対応電子ペーパー“Triton”/富士通 液晶タイプのカラー電子ペーパー
E Ink社のブースではカラー表示に対応した電子ペーパー“Triton”イメージング・フィルムが披露されている。同デバイスは電子ペーパーとして初めてカラー表示に対応した点が注目される。
デバイスは優れたコントラスト性能、低消費電力を特徴としており、陽光下での視認性も高いという。また同社の現行電子ペーパーデバイスとの比較で、書き換え速度が約20%向上した。
E Inkのブースでは、中国のHanvon社が来年に発売を予定しているという、“Triton”を搭載したeBookリーダー試作機が展示されている。サイズは9.68インチ、画素数は800×600画素のディスプレイを搭載しており、4,096色の色表示に対応する。コントローラーデバイスはエプソン製「S1D13524」を搭載。ディスプレイはタッチパネル操作や90度の回転表示も行える。
LGのブースにも“Triton”を搭載したeBookリーダーの試作機が置かれていた。サイズは9.7インチ、表示画素は800×600、色表示は4,096色対応。同社のブースでは白黒画面とカラー画面のコンボ表示対応eBookリーダー、折り曲げ可能なフレキシブル仕様のモノクロ電子ペーパーなども注目を集めていた。
eBook関連では、富士通フロンテックのブースにコレステリック液晶を採用したカラー電子ペーパーデバイスが参考展示されていた。同社従来品と比べ約3倍のコントラスト比、約2倍の書き換え速度を実現しているという。同社のブースでは、このデバイスを搭載した情報端末「FLEPia Lite」のプロトタイプをタッチ&トライできる。画面サイズは8型。状態決定のスイッチングパルスを短時間与えた後、複数ラインをまとめて変化させるDynamic Driving Scheme(DDS)を採用し、高速表示切り替えが実現されている。
その他の展示内容をフォトレポート
その他にも会場で見つけることのできた、各ブースに出展されたユニークなディスプレイ技術をフォトレポートで紹介する。
【3D】東芝MD 4K2Kパネル搭載の21V型裸眼試作機/シャープ 多彩なモバイル用途の裸眼3Dディスプレイを展示
東芝モバイルディスプレイ(TMD)は、東芝の液晶テレビREGZAシリーズに12月下旬から加わる“グラスレス3Dテレビ”「20GL1」に採用されたパネルのベースにもなっている、3,840×2,400画素(4K2K相当)の液晶パネルを搭載した21V型ディスプレイや、12.1V型の1,400×1,050画素ディスプレイを参考出展した。
同社のディスプレイはインテグラルイメージング(光線再生方式)方式とレンチキュラーシートの組み合わせによる裸眼3D表示に対応しており、高精細、広視域を特徴としているほか、レンチキュラーシートを採用したことで表面輝度の低下を抑制し、低消費電力で3D表示の際も一般のディスプレイと変わらない明るさで表示が可能な点が特徴であるという。
会場にはアクティブシャッターメガネによる3D視聴に対応した、1,280×800画素の15.4V型3Dディスプレイも展示されている。
シャープは先日ソフトバンクやドコモが発表した裸眼3D対応のスマートフォンにも採用されている、モバイル用途のディスプレイデバイスを出展している。
同社が開発した裸眼3D対応のデバイスは、2D/3Dの表示切り替えやタッチパネル操作に対応するほか、視差バリアパネルのコントロールにより、ディスプレイを縦横どちらに構えても裸眼3D表示が行える。今回のイベントでは3.8型と10.6型の試作機を用いたデモを実施。デバイスはいずれも今年の4月に同社が発表したものから基本的な性能や仕様は変更されていないが(関連ニュース)、3D表示のクオリティを向上させるなど細かな点でのブラッシュアップが図られているという。
メガネを使用する3D表示の技術についても、UV2A、4原色カラーフィルター、240Hz駆動を実現するFREDなど、同社のオンリーワン技術を訴求する展示コーナーも設けられ、大勢の来場者が列を作っている。ここでは、現在開発中の、32V型の3D対応液晶ディスプレイも視聴できる。UV2A、FRED、LEDバックライトを搭載し、カラーフィルターは3原色、解像度は1,366×768(WXGA)画素となる。
その他シャープのブースでは、3,840×2,160画素の高精細60型液晶ディスプレイや、58型「21対9」のシネスコサイズの液晶ディスプレイ試作機なども展示されている。
サムスンは酸化物半導体TFTを使った、70型のLEDバックライト搭載3D液晶ディスプレイ試作機を展示した。駆動周波数は240Hz、表示画素数は3,840×2,160画素(3D/2Dとも)となり、専用のアクティブシャッターメガネで3D視聴が行える。3D対応機は2D-3D変換機能を搭載するという。本機の隣には、同じ70型の2D対応モデルも展示されている。
パネルの輝度は500cd/m2、ダイナミックコントラスト値は10万対1、応答速度は4ms、視野角は180度と説明されている。LEDバックライトはローカルディミング対応。
LG電子は84型、3,840×2,160画素のLEDバックライト搭載3D液晶ディスプレイを展示。バックライトは直下型。本機はアクティブシャッターメガネによる3D対応モデルだが、47型のメガネなし3D液晶ディスプレイも展示されている。本機は多視差変換LSIを搭載し、高精細な3D映像再生を実現しているという。
【有機EL】サムスン 30V型の3Dテレビやモバイル用途まで幅広いラインナップを展開/LGからは31V型テレビの試作機
有機ELディスプレイは、サムスンとLG電子のブースで大型の試作機を見る事ができた。サムスンが30V型、LGが31V型を展示していた。
サムスンの3V0型モデルはアクティブシャッターメガネによる3D表示が行える。パネル解像度は1,920×1,080画素。展示説明員によれば、テレビなどAV機器での展開を想定しているが、実際の商品化の時期については決まっていないという。本機以外にも14V型の3D表示対応試作機や、折り曲げられる2.8型のフレキシブルディスプレイなど、同社の多彩な有機ELソリューションが紹介されている。
LGの31V型試作機も、パッシブタイプのメガネによる立体映像表示が可能な3Dモデルとして紹介されていた。解像度は1,920×1,080画素。本機のほか、3.2型のモバイル用途での展開を想定した3D対応有機ELディスプレイも並べられていた。
【電子書籍】E Ink カラー表示対応電子ペーパー“Triton”/富士通 液晶タイプのカラー電子ペーパー
E Ink社のブースではカラー表示に対応した電子ペーパー“Triton”イメージング・フィルムが披露されている。同デバイスは電子ペーパーとして初めてカラー表示に対応した点が注目される。
デバイスは優れたコントラスト性能、低消費電力を特徴としており、陽光下での視認性も高いという。また同社の現行電子ペーパーデバイスとの比較で、書き換え速度が約20%向上した。
E Inkのブースでは、中国のHanvon社が来年に発売を予定しているという、“Triton”を搭載したeBookリーダー試作機が展示されている。サイズは9.68インチ、画素数は800×600画素のディスプレイを搭載しており、4,096色の色表示に対応する。コントローラーデバイスはエプソン製「S1D13524」を搭載。ディスプレイはタッチパネル操作や90度の回転表示も行える。
LGのブースにも“Triton”を搭載したeBookリーダーの試作機が置かれていた。サイズは9.7インチ、表示画素は800×600、色表示は4,096色対応。同社のブースでは白黒画面とカラー画面のコンボ表示対応eBookリーダー、折り曲げ可能なフレキシブル仕様のモノクロ電子ペーパーなども注目を集めていた。
eBook関連では、富士通フロンテックのブースにコレステリック液晶を採用したカラー電子ペーパーデバイスが参考展示されていた。同社従来品と比べ約3倍のコントラスト比、約2倍の書き換え速度を実現しているという。同社のブースでは、このデバイスを搭載した情報端末「FLEPia Lite」のプロトタイプをタッチ&トライできる。画面サイズは8型。状態決定のスイッチングパルスを短時間与えた後、複数ラインをまとめて変化させるDynamic Driving Scheme(DDS)を採用し、高速表示切り替えが実現されている。
その他の展示内容をフォトレポート
その他にも会場で見つけることのできた、各ブースに出展されたユニークなディスプレイ技術をフォトレポートで紹介する。