民生・業務用など幅広い製品に搭載予定
ビクター、フルHD 3Dや4K2K撮影にも対応した動画/静止画用ワンチップLSIを開発
ビクター・JVCは、動画/静止画両方の高速信号処理をワンチップで実現するLSI「HDカメラ用 次世代ハイスピード・プロセッサー(LSI)」を開発したことを発表した。来年1月6日から米ラスベガスで開催される「2011 INTERNATIONAL CES」に参考出展される。
■新開発LSIの特徴
この新LSIは、ビデオカメラ内で行われている「カメラ信号処理」「動画圧縮処理」「静止画圧縮処理」という3つの要素を個別に高速処理できるのが大きな特徴。LSI内部の信号処理を一から見直したほか、3つの処理を支えるCPUの能力を従来比2.7倍に向上させたという。高速処理が可能になったことにより、フルHDの2D映像はもちろん、フルHDの3D映像や4K2K映像、高速連写などをリアルタイム撮影・記録できるようになるとのこと。
また、各種処理やインターフェース回路をひとつに集約し、40nmプロセスを採用することによって、低消費電力(同社従来比40%減)とローコスト化(同50%減)も実現。民生用から業務用まで全ビデオカメラのハードウェア/ソフトウェアのプラットフォームを統一でき、効率的な製品開発ができるようになるのもポイントだ。
ここからは新LSIの性能の詳細を見ていこう。
「カメラ信号処理」の部分は、処理スピードが従来比1.7倍に向上。最大で4K2K画素数(830万画素)を、60fpsで処理可能だという。
「動画圧縮処理」の部分は、H.264のフルHD動画を従来比2倍速で処理可能。最大で207万画素を60fpsで圧縮できる。
静止画圧縮処理は、JPEGエンコーダーの処理スピードを従来比5.5倍に向上させ、最大で830万画素の静止画を60fpsで圧縮可能になる。
これらの要素が組み合わさることで、3D映像/静止画の撮影や、2D動画/高速静止画撮影時に下記のようなメリットが生まれる。
まずは3Dの映像/静止画撮影について。左右の独立したセンサーから入力された2つのフルHD映像を並列処理し、MPEG-4 AVCの拡張規格である3D対応フォーマット「MPEG-4 MVC」でリアルタイムエンコードすることが可能。これにより、解像度が落ちず鮮やかな3D映像を実現できるとのこと。また、L/Rの映像の特性差補正を行うこともできるという。
静止画圧縮処理速度の向上を活かし、高速動画/静止画撮影も実現。VGAサイズで300fpsの動画(2D/3D両方可)と、830万画素/60フレーム(1,660万画素/30フレーム)の静止画高速連写が可能だ。以前は圧縮前のデータを一旦保持して、空いた時間に処理するという作業を行っていたため、連写できる時間が限られていた。今回の新LSIでは撮影した画像は外部メモリーへリアルタイム圧縮しながらダイレクトに出力可能なため、長時間撮影が可能になる。
またフルHD動画を記録しながら、60枚/秒の静止画を連写するも可能。さらにMPO形式での3D静止画撮影にも対応している。
■民生機器を中心に業務用モデルまで幅広く新LSIを搭載予定
新LSIは、本日発表された“Everio”新モデル(関連ニュース)に早速搭載。3D撮影や4K2K撮影はサポートしないが、信号処理の速さやボディのコンパクト化実現に貢献しているという。
今後はLSIの汎用性を活かし、民生用を中心に業務用モデルまで幅広く搭載していく考えとのこと。来春発売モデルの全てに、このLSIが搭載される予定という。
■「ビデオカメラの本質は『一期一会』を大切に残すこと」
発表会では、日本ビクターの伊藤裕太社長が同社カムコーダー事業についての説明を行った。
「日本ビクターは画像・映像の分野で長い歴史と技術を持つ会社だが、これまで製品づくりにあたって、ユーザーの声を汲むことが足りなかったかもしれない。時代は変わった。技術先行型ではなく、製品・マーケティング・技術が融合した製品を提供していくことが大切だ」と切り出した伊藤社長。「ビデオカメラの本質とは『一期一会』を大切に残すことだと思う。人間の目、耳、頭(脳)を補間あるいは増幅して決定的な“いま”の瞬間を切り取り、大切な想い出を時間を超えて残すこと。それがビデオカメラであり、そういった製品を作るのがビクターの使命ではないか」と語る。
今後はビクターの有する小型精密機器技術、高精細映像技術、再現性の高い音声技術、高効率符号化技術、高圧縮記録/再生技術などを進化させていくとのこと。これらの技術を活かし、YouTube掲載用動画を作るなど、簡便なコミュニケーションツールとして、はたまた3Dで臨場感溢れる映像を残すツールとしてなど、幅広い用途に合わせたカムコーダーを提供していく考えだという。伊藤社長は「今後もユーザー目線で多岐にわたる技術を進化させ、ユーザーのライブなコミュニケーションを支援したい」と締めくくった。
【問い合わせ先】
ビクターお客様ご相談センター
TEL/0120-2828-17
TEL/045-450-8950
■新開発LSIの特徴
この新LSIは、ビデオカメラ内で行われている「カメラ信号処理」「動画圧縮処理」「静止画圧縮処理」という3つの要素を個別に高速処理できるのが大きな特徴。LSI内部の信号処理を一から見直したほか、3つの処理を支えるCPUの能力を従来比2.7倍に向上させたという。高速処理が可能になったことにより、フルHDの2D映像はもちろん、フルHDの3D映像や4K2K映像、高速連写などをリアルタイム撮影・記録できるようになるとのこと。
また、各種処理やインターフェース回路をひとつに集約し、40nmプロセスを採用することによって、低消費電力(同社従来比40%減)とローコスト化(同50%減)も実現。民生用から業務用まで全ビデオカメラのハードウェア/ソフトウェアのプラットフォームを統一でき、効率的な製品開発ができるようになるのもポイントだ。
ここからは新LSIの性能の詳細を見ていこう。
「カメラ信号処理」の部分は、処理スピードが従来比1.7倍に向上。最大で4K2K画素数(830万画素)を、60fpsで処理可能だという。
「動画圧縮処理」の部分は、H.264のフルHD動画を従来比2倍速で処理可能。最大で207万画素を60fpsで圧縮できる。
静止画圧縮処理は、JPEGエンコーダーの処理スピードを従来比5.5倍に向上させ、最大で830万画素の静止画を60fpsで圧縮可能になる。
これらの要素が組み合わさることで、3D映像/静止画の撮影や、2D動画/高速静止画撮影時に下記のようなメリットが生まれる。
まずは3Dの映像/静止画撮影について。左右の独立したセンサーから入力された2つのフルHD映像を並列処理し、MPEG-4 AVCの拡張規格である3D対応フォーマット「MPEG-4 MVC」でリアルタイムエンコードすることが可能。これにより、解像度が落ちず鮮やかな3D映像を実現できるとのこと。また、L/Rの映像の特性差補正を行うこともできるという。
静止画圧縮処理速度の向上を活かし、高速動画/静止画撮影も実現。VGAサイズで300fpsの動画(2D/3D両方可)と、830万画素/60フレーム(1,660万画素/30フレーム)の静止画高速連写が可能だ。以前は圧縮前のデータを一旦保持して、空いた時間に処理するという作業を行っていたため、連写できる時間が限られていた。今回の新LSIでは撮影した画像は外部メモリーへリアルタイム圧縮しながらダイレクトに出力可能なため、長時間撮影が可能になる。
またフルHD動画を記録しながら、60枚/秒の静止画を連写するも可能。さらにMPO形式での3D静止画撮影にも対応している。
■民生機器を中心に業務用モデルまで幅広く新LSIを搭載予定
新LSIは、本日発表された“Everio”新モデル(関連ニュース)に早速搭載。3D撮影や4K2K撮影はサポートしないが、信号処理の速さやボディのコンパクト化実現に貢献しているという。
今後はLSIの汎用性を活かし、民生用を中心に業務用モデルまで幅広く搭載していく考えとのこと。来春発売モデルの全てに、このLSIが搭載される予定という。
■「ビデオカメラの本質は『一期一会』を大切に残すこと」
発表会では、日本ビクターの伊藤裕太社長が同社カムコーダー事業についての説明を行った。
「日本ビクターは画像・映像の分野で長い歴史と技術を持つ会社だが、これまで製品づくりにあたって、ユーザーの声を汲むことが足りなかったかもしれない。時代は変わった。技術先行型ではなく、製品・マーケティング・技術が融合した製品を提供していくことが大切だ」と切り出した伊藤社長。「ビデオカメラの本質とは『一期一会』を大切に残すことだと思う。人間の目、耳、頭(脳)を補間あるいは増幅して決定的な“いま”の瞬間を切り取り、大切な想い出を時間を超えて残すこと。それがビデオカメラであり、そういった製品を作るのがビクターの使命ではないか」と語る。
今後はビクターの有する小型精密機器技術、高精細映像技術、再現性の高い音声技術、高効率符号化技術、高圧縮記録/再生技術などを進化させていくとのこと。これらの技術を活かし、YouTube掲載用動画を作るなど、簡便なコミュニケーションツールとして、はたまた3Dで臨場感溢れる映像を残すツールとしてなど、幅広い用途に合わせたカムコーダーを提供していく考えだという。伊藤社長は「今後もユーザー目線で多岐にわたる技術を進化させ、ユーザーのライブなコミュニケーションを支援したい」と締めくくった。
【問い合わせ先】
ビクターお客様ご相談センター
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