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3D・大画面・5.1chサラウンドがキーワード

【年末特別企画】ホームシアターファイル誌編集長・川嶋がゼンブ答える! − 「2011年のホームシアターはどうなりますか?」<第1部>

公開日 2010/12/28 16:17 案内人/「ホームシアターファイル」編集長 川嶋隆寛
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【第2部】3D時代、四畳半が映画館に変わる

― 次の論点は3Dということになりますが、ぼくも3Dのプロジェクター、ほしいんですよね。こないだ視聴室で見ましたが、臨場感がすごくて…。ズバリ何をいつ頃買うとベストですか?


2010年は3Dプロジェクターの注目機種も登場した
川嶋 最終的に話すのはそこになりますが、少し話を聞いてください。わたしも3Dにはとても注目していました。いまももちろん注目しています。そもそも3Dによって、映画はこれまでとは別の芸術に進化を遂げたのかもしれないと思っているんです。『ホームシアターファイル』の編集後記でも少しふれましたが、個人的には3Dというテクノロジーは違う芸術を生み出したと思います。

映画は、もともと写真と文学を掛け合わせて生み出されて、それに音という要素が加わった総合芸術です。ただし、基本は物語内容で語っていって、ヒッチコックなんか典型的ですが物語内容で恐怖感を伝えたりしてきたわけでしょう。基本は小説の延長ですね。

でも、立体音響を手に入れた頃から、映像とサウンドで直接恐怖感を伝えてくるようになった。実はこの頃から映画が別の芸術に移りかかって来たのではないかと。

― DTSの『ジュラシック・パーク』とか。物語というよりも、映像と音、というよりもあの作品の場合は「音」と映像の「間」で恐怖感を伝えてきましたよね。

川嶋 ええ、それが3Dというテクノロジーによって、はっきりとわかってきたのではないかと。物語内容ではなく、映像とサウンドで直接怖がらせたり、驚かせたり、楽しませたりする、新たな芸術に映画が昇華したのでしょう。そうなると、重要なのはあなたが最初におっしゃった「臨場感」、これにつきると思うんです。

ストーリー以上に、映像とサウンドが直接語りかけてくるイメージが重要になる。これは即ち「臨場感」ですよね。3D上映される映画館と同じ体験を、自分の家で求めるなら、ホームシアターが必要になります。ホームシアターというのは、つまるところ「臨場感」でしょ。

― そりゃ「臨場感」を求めてホームシアターをつくるわけですから。

川嶋 ですから、3Dテレビやプロジェクターというのは、映画の追体験をする場合、今後必需品になると思うのですよ。あと、サラウンドのシステムも。これまではテレビとビデオがあれば、かろうじて映画館の追体験になっていた。物語内容が重要だったから。でも、3D時代はそれだけでは追体験はできない。だって、物語内容以上に、映像とサウンドが重要なのだから。

― じゃあ、実際に3Dシアターをつくっていくということになりますが…。

川嶋 そのとき、わたしがお薦めしたいのは3Dプロジェクターを使ったホームシアターです。3Dプロジェクターを使えば、四畳半、いや四畳半じゃちょっと小さいかな…。あ、でも、まあ、3D時代はコンパクトな空間でも映画館の追体験ができるんです。では、映画館の追体験を行える3Dシアターづくりのために、具体的に用意するものをお伝えます。よろしいですか?

― は、はい!

川嶋 3Dプロジェクター、部屋のサイズに見合ったスクリーン、3D再生機器、AVアンプ、5.1chスピーカーシステム。それに、小さくてもよいから個室、個室の壁は黒ければ黒いほどよいですね。理想はマット系のまっ黒ね。あとは吸音材。以上!

― …。

川嶋 3D時代は「臨場感」が重要だから、画面だけが重要になります。理想は暗闇の中で浮かび上がってくる画面。そうなるとスクリーンのサイズの感覚は消えてきます。だから、小さな空間でもかまいません。というか、小さな空間でも十分な迫力を感じることができます。それが3Dシアターの特長です。

3Dシアターでは、スクリーンサイズよりも、部屋の暗さ、というか黒さが重要になります。光を吸ってしまう炭ベースの漆喰がベストですが、マット系の黒い壁紙でもよいかもしれません。実は壁紙の張り替えって、そんなにコストはかかりません。「材料×職人の手間賃」ですから、壁紙の張り替えにかかる日数を考えれば、AV機器よりもずっと安かったりします。

コンパクトな空間だと、最大の問題は音の響きになります。密閉度が高ければ高いほど、小さければ小さいほどライブな部屋になってしまう。ですから、吸音材は必須です。『ホームシアターファイル』には、ダイケンやコスモプロジェクトをはじめ、よい吸音材が紹介されていますから、どうぞお読みください。

― リビングじゃ厳しいですか…。

川嶋 もちろんリビングでもかまいませんが、リビングは白基調のお部屋が多いですよね。まだ輝度が少し厳しいかな。あと、画面以外が目に入ってきてしまいがちなので、臨場感はやや損なわれてしまうかもしれません。リビングでの3Dシアター提案は、ホームシアターづくりのプロフェッショナル=インストーラーのみなさまと一緒に考えていこうと思います。『ホームシアターファイル』誌の課題ですね。あと完全遮光も必要になるので、ちょっとした工夫も必要になりますね。リビングという環境を損ねない完全遮光については、3月発売の『ホームシアターファイル』をお読みください。予告です。これ、ちょっとおもしろいですよ、うふふふ。

― …。

川嶋 まだまだ3Dソフトは少ないと言われていますが、しかし放送コンテンツなどを含めると実はかなり増えてきています。2011年に3Dシアターが大ブレイクする、とまでは言えなくても、コンテンツが増えてくることは間違いないので、いまからホームシアターづくりを考えているのならば、インフラとして、3D対応の機器を用意しておくべきでしょう。


<第2部に続く>

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