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「インストーラー」が主役に躍り出る!?

【年末特別企画】ホームシアターファイル誌編集長・川嶋がゼンブ答える! − 「2011年のホームシアターはどうなりますか?」<第2部>

公開日 2010/12/29 17:21 案内人/「ホームシアターファイル」編集長 川嶋隆寛
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老若男女問わず使えるホームシアターのために…

川嶋 ここまでお話ししてきたとおり、三題噺のうち、ふたつともインストールにかかわってくるんですよ。ホームシアターのインストールを軸にすると、住宅エコポイントとネットワークという別々の事象が結びついてきます。というか、インストーラーが結節点なんだよね。

― では、最後の「イージートゥユース」というのはどうかかわってくるのでしょうか?

川嶋 2010年はスマートフォンが増えてきました。スマートフォンの代表たるiPhoneや、iPod touch、iPadをリモコンに使うケースも増えています。この傾向は、2011年にさらに進むと思います。

― まあ誰でも予想できますよね。

川嶋 手厳しいな(笑)。ところでスマートフォンでの操作って、あなたどう思います?

― 手軽だし、使い慣れているから簡単ですよ。操作性もおもしろいですし。アプリも充実しているんですよ。

川嶋 それはあなたが使い慣れているからですよ。機械好きだし。機械が苦手な女性にとって、あれは難しいですよ。奥さんに使わせてみて。イラっとされるから(笑)。普段から使い慣れていれば便利に思えるけれども。じゃあ、どういうスタイルならよいのか。あなたは老若男女問わず操作できるインターフェースって何だと思います?

― う〜ん、何かなぁ?

川嶋 あなたもよく使っているはずですよ。ほら、銀行のATM。対話形式で階層に少しずつ入り込んでいく。あれは誰もが使えるユニバーサルデザインです。

ホームシアターって機材がいろいろとありますよね。楽しむコンテンツも、多メディア化している。放送もあれば録画もある、ブルーレイも、CDも、ネットオーディオも…。何をどう楽しむのか、ATMみたいな操作感があれば、便利だと思いませんか?

― まあ、妻や子供も扱えるようになりますよね。

川嶋 ええ。ホームシアターって、オーディオとは少し違っていて、男の孤高の趣味とかではなくて、家族みんなで一緒に楽しむものですよね。映画ってそういうものでしょ。特にリビングシアターであれば、家族みんなで一緒に楽しまなければもったいない。ただし、最大の難関は操作性なんです。難しい操作が家族を遠ざけてしまっている。

― 家族が参加してくれると、機材も購入しやすくなりますし。

川嶋 そう! コソコソ機材を買わなくてもよくなる! 奥さんの理解を得やすくなります。ならば操作を簡単にすればいいのです。理想はATMのように、たとえば「録画を観る」ボタンをポンと押せば、レコーダーに録画されたタイトルがずらっと並んで、それを選べば、すべての機材が立ち上がり、照明が視聴に適した照度になる…。

― そ、そんなことできるんですか?

マランツのカスタマイズリモコン「RC9001」

川嶋 できます。というか『ホームシアターファイル』読んでないだろ(笑)。『ホームシアターファイル』の実例紹介で、マランツのRC9001というカスタマイズリモコンがよく出てきています。これを使うとワンタッチですべての機材が立ち上がって楽しみたいコンテンツが映し出されるんですよね。インストーラーがカスタマイズして、プログラムを組み、だれもが簡単に使えるようにしているんです。とても便利なプロダクトなので、ここ数年で急速に普及が進んだんですよ。

そういう状況の中、2010年にはスマートフォンの代表たるiPhoneや、iPod touch、あるいはiPadでも同様に操作できるようになってきました。クレストロンという、アメリカのホームオートメーションのトップメーカーがあるんだけど、ここが数年前にiPod touchでホームオートメーションを操作できるようなシステムを開発したんです。これが2010年は広がりました。クレストロンのMC2EとかQM-RMCといったプロダクトを使って、インストーラーがAVシステムや家族の行動パターンに最適にプログラミングしていきます。そのインターフェースとしてiPhoneやiPod touch、あるいはiPadがよく使われます。

このスタイルは2011年はさらに広がっていくんじゃないかと思うんです。クレストロンのことだから、おそらく他のスマートフォンにも対応したプログラムを出してくるでしょう。

― スマートフォンをインターフェースにして、ATMのような感じでホームシアターを操作するわけですね。

川嶋 まあそういうことですね。カスタマイズするのはインストーラーです。第2部の冒頭で、2010年はホームシアターに関するソリューションが整備されました、と言いましたが、ソリューションが整備されても、それだけでは、何だか便利グッズが増えてきたな、というだけで終わってしまう。「内窓」と「iPad」をトータルに見ていくなんて、考えも及ばないでしょ。まったく関係なさそうだから。そこで、便利グッズをつなぎ、線として、あるいは面とするための、インストールという結節点が必要になるのです。

住宅エコポイント、ネットワーク、イージートゥユースは一見まったく関係ないように思えますが、快適なホームシアター環境をつくりだすインストーラーを軸にして考えると、すべてが結びつく。2011年はインストーラーがさまざまな局面で主役に躍り出ると、わたしは思います。

― お薦めの方はいらっしゃいますか?

川嶋 『ホームシアターファイル』の巻末に掲載されている「ホームシアターショップナビ」というページをご覧ください。1ページに6店舗掲載しています。ここに掲載しているお店を、我々はお薦めしています。この中からお近くのインストーラーを探すといいでしょう。インストーラーはホームシアターの機材の設置を行うだけではなく、快適なホームシアターをつくるためのコンサルタントとなります。よきアドバイザーとして、ホームシアターづくりのパートナーとして付き合ってみるといいでしょう。

2011年、インストーラーが活躍しなくてはならない場面は増えてくるでしょうし、インストーラーにスポットが当たることは間違いありません。2011年はインストーラーの年であるとわたしは断言します。

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