有機ELテレビについても言及
ソニー、テレビ事業をシェアから利益重視へ方針転換 − 販売目標を2,200万台に下方修正
■PSNは「かなりのお客さんが戻ってきている」
そのほか、東日本大震災にともなう費用としては、被害を受けた建物及び機械設備などの固定資産ならびに棚卸資産に対する修繕、撤去、清掃などの原状回復費用や、製造事業所の稼働停止期間中の固定費など約53億円が当四半期において発生。
このうち約13億円は今後受け取りが見込まれる保険金と相殺。一方、残りの費用約40億円の大部分も、て震災にともなう支払保険金に対して計上した引当金の一部戻し入れにより相殺され、その結果、当四半期における純額は約7億円となった。
なお、震災の影響を受けたビジネスの改善状況は今年の5月時点での想定を上回るペースで進捗しているという。本件について加藤氏は「当四半期は影響があったと言わざるを得ないが、今後の見通しは良くなっている」とコメント。「協力会社さんを含めてリカバリーは予想以上に進んでおり、下期に関しては震災の影響はそれほど大きくないと見ている」と説明した。
また、PlayStation NetworkとQriocity、およびSony Online Entertainmentのネットワークサービスがサイバー攻撃を受けた影響については、サービスを一時的に停止し、セキュリティ強化費用をはじめとする関連費用を計上。現在はサービスを再開しているが、北米のPlayStation Network再開後のユーザーログイン数はサイバー攻撃前の水準近くに戻ってきているという。
本件については「6月の1ヶ月を見ると、かなりのお客さんが戻ってきている。売上規模では前年の2倍ペースだ」と説明。「一時はかなり懸念されたが、業績へのサイバーアタックの影響は限定的だと見ている」と語った。
そのほか、「ネットワークを介したコンテンツ事業を進めてきたが、秋に向けてはタブレットやPlayStation Vitaなど強力な製品が登場する」と、今後の製品展開を改めて紹介。「ネット事業を強力に進めていく体制づくりも行っていく」と語った。
また、事業体制の強化も進んでいると説明。「為替の影響についても、昨年は対ドルが1円変動すると20億円くらいの影響があったが、今年はブレイクイーブンのところまできている。対ユーロはまだ影響が大きいが、昨年は1円の変動で約70億円の影響が出ていたところを、今年は60億円程度のレベルになっている」と説明し、「円高でも利益が出るようになってきている」と語った。そして「金融分野での投資も準備が整っている。成長に向けての投資は積極的にやっていきたい」とした。
なお、通期見通しについては、液晶テレビの年間販売数量が5月想定を下回ること、第2四半期以降さらなる為替の悪影響が見込まれることにより連結売上高を下方修正するものの、その他多くのビジネスの営業損益が想定を上回る見込みであることから、連結営業利益は据え置くという。