動画配信の独自技術なども紹介
モトローラ・モビリティが事業方針を説明 − Googleとの協業で製品開発を強化
モトローラ・モビリティ・ジャパン(株)は本日、ホームビジネス部門に関する記者説明会を開催。同社幹部らが事業戦略などを説明した。
説明会ではまず、同社社長の鈴木寛氏が挨拶。同社の親会社である米モトローラ・モビリティ・インクが1月4日に2社に分社化したこと、これに合わせて日本法人も、春にモトローラ・モビリティ・ジャパン(株)として新たに発足したことを紹介した。
モトローラ・モビリティ・ジャパンはモバイルデバイス事業部とホーム事業部の2事業部体制。ホーム事業部ではSTBやCATVモデム、CMTS、また今年から力を入れはじめたというビデオヘッドエンドなどを展開。J:COMや日本の多くのCATV事業者に納入している。
モバイルデバイス事業部は、日本でも販売しているタブレット端末「XOOM」や携帯電話、Bluetoothヘッドセットなどを展開している。
■Googleとモトローラが協業することで技術革新が加速
続いて米モトローラ・モビリティ・インクの、アジア太平洋地区 ホームビジネス バイス プレジデント兼ジェネラル マネージャーであるケビン・キーフ氏は、同社が今後注力していくビジネス分野についてくわしく説明するとともに、Googleによる買収についても見解を述べた。
既報の通り、Googleは8月16日、125億ドルで米モトローラ・モビリティ・インクを買収する意向を表明した。キーフ氏も「Googleがモトローラ・モビリティを買収する意図があるということで、買収処理が完了したわけではない。完了の見込みは今年末、もしくは年初になるだろう」と述べた。
その上でキーフ氏は、「Googleとモトローラが協業することで、Androidが拡大するだけでなく、技術革新が加速する」と指摘。「統合によって技術やプラットフォームを進化させるという意志が両社CEOの談話から読み取れる」と述べ、「具体的な話は、今後買収が完了する段階で明らかになるだろう」とした。
なおGoogleがモトローラを買収することで、Androidスマートフォンの開発・販売を手掛ける他ベンダーに比べてモトローラが優位に立つという見方もあるが、これについては「Androidはオープンプラットフォームであり、モトローラも他社と同じ条件で開発を行う。あくまでモトローラの知財を使い、Androidコミュニティを守るということが今回の買収のポイントだ」とし、実際に競合他社からは非常にポジティブなコメントが得られていると説明した。
さらにキーフ氏は、現在クラウド、コンピューティング、ワイヤレス、メディアの4分野が活況を呈している現状を説明したあと、モトローラではこれらの分野が重なり合っている部分に注力する考えを披露。モバイルコンピューティングやモバイルインターネット、デジタルホーム、モバイルメディアの4カテゴリーに対して、ソリューションを積極展開していくと表明した。
キーフ氏は「XOOMもハードがキモではなく、ハードを通じて得られるエクスペリエンスがキモ。モトローラではホームとモバイルデバイスの間の『コンバージドエクスペリエンス』分野に力を入れていくが、今後のGoogleとの協業により、この分野をさらに強化できるのではないか」と期待を述べた。
■複数DRMや帯域最適化配信を1本化する「Secure Media」
現在同社が注力しているソリューションについては、モトローラ・モビリティ・ジャパン(株)ホーム事業部 事業部長の加藤秀徳氏から詳しく説明された。
同社では、様々な技術を組み合わせた「コンバージド・エクスペリエンス」ソリューションに「MEDIOS」というブランドを与えてマーケティングを行っている。
このMEDIOSを構成する技術の一つが「Secure Media」だ。現在、タブレットやスマートフォン、PC、STBなど様々なデバイスが登場し、これに伴って使われている著作権管理技術(DRM)も複雑化している。Secure Mediaでは、これらの複数のDRMを、「Encryptonite ONE」(HLS+)という独自のDRMを用いることで配信側で一括管理でき、様々な機器へ対応させることが容易になる。
なおEncryptonte ONEは、ハリウッドの7大メジャースタジオなどから使用許諾を得ており、配信事業者はいつでも利用を開始できる状態になっているという。
またSecure Mediaでは、帯域に応じてストリーミング配信のビットレートを最適化する技術「HLS」(HTTP Live Streaming)を採用。これはアップルが開発した技術だが、マイクロソフトのSmooth StreamingやGoogleのAdaptive Streamingなど、同種の技術が数多ある中で、Secure Mediaの配信はHLSのみを使用するシステムとし、ビデオ配信事業者の負担を抑えることができる。
■ホームモニタリング/コントロール技術もアピール
そのほか、約1年前に買収して傘下に収めた4HOMEのホームモニタリング/ホームコントロールシステムについてもデモを行った。4HOMEの技術を使うと、Androidタブレットなどを使って、外出先から家庭内のモニタリングや照明など家電機器の操作が行える。
同社では「モニタリングに必要なセンサーやカメラなど様々なデバイスの価格が下がり、またモニタリングや操作に適したスマートフォンやタブレットも普及してきた。今後、この分野は非常に有力だ」と説明。この技術についても、CATV事業者が顧客に対する付加価値を提案できるものと位置づけ、積極的に採用を呼びかけていくという。
さらにCATV事業者向けのソリューションとして、Wi-Fiのホットスポットを簡便に構築できる「Cable Wi-Fi」も紹介。屋内向け、屋外向けなど5種類の製品をラインナップしており、ケーブルモデムを内蔵しているものなどは、電源とケーブルがあれば、すぐに設置できるメリットがあるという。
同社は、アメリカでケーブルビジョン社がこのソリューションを使って顧客向けに無料のWi-Fiスポットサービスを展開しているという事例を紹介。タイムワーナーやコムキャストも参加し、Wi-Fiの相互乗り入れを行っているのだという。無料でサービス提供することが既存加入者への付加価値となり、解約率を下げられるとアピールした。
説明会ではまず、同社社長の鈴木寛氏が挨拶。同社の親会社である米モトローラ・モビリティ・インクが1月4日に2社に分社化したこと、これに合わせて日本法人も、春にモトローラ・モビリティ・ジャパン(株)として新たに発足したことを紹介した。
モトローラ・モビリティ・ジャパンはモバイルデバイス事業部とホーム事業部の2事業部体制。ホーム事業部ではSTBやCATVモデム、CMTS、また今年から力を入れはじめたというビデオヘッドエンドなどを展開。J:COMや日本の多くのCATV事業者に納入している。
モバイルデバイス事業部は、日本でも販売しているタブレット端末「XOOM」や携帯電話、Bluetoothヘッドセットなどを展開している。
■Googleとモトローラが協業することで技術革新が加速
続いて米モトローラ・モビリティ・インクの、アジア太平洋地区 ホームビジネス バイス プレジデント兼ジェネラル マネージャーであるケビン・キーフ氏は、同社が今後注力していくビジネス分野についてくわしく説明するとともに、Googleによる買収についても見解を述べた。
既報の通り、Googleは8月16日、125億ドルで米モトローラ・モビリティ・インクを買収する意向を表明した。キーフ氏も「Googleがモトローラ・モビリティを買収する意図があるということで、買収処理が完了したわけではない。完了の見込みは今年末、もしくは年初になるだろう」と述べた。
その上でキーフ氏は、「Googleとモトローラが協業することで、Androidが拡大するだけでなく、技術革新が加速する」と指摘。「統合によって技術やプラットフォームを進化させるという意志が両社CEOの談話から読み取れる」と述べ、「具体的な話は、今後買収が完了する段階で明らかになるだろう」とした。
なおGoogleがモトローラを買収することで、Androidスマートフォンの開発・販売を手掛ける他ベンダーに比べてモトローラが優位に立つという見方もあるが、これについては「Androidはオープンプラットフォームであり、モトローラも他社と同じ条件で開発を行う。あくまでモトローラの知財を使い、Androidコミュニティを守るということが今回の買収のポイントだ」とし、実際に競合他社からは非常にポジティブなコメントが得られていると説明した。
さらにキーフ氏は、現在クラウド、コンピューティング、ワイヤレス、メディアの4分野が活況を呈している現状を説明したあと、モトローラではこれらの分野が重なり合っている部分に注力する考えを披露。モバイルコンピューティングやモバイルインターネット、デジタルホーム、モバイルメディアの4カテゴリーに対して、ソリューションを積極展開していくと表明した。
キーフ氏は「XOOMもハードがキモではなく、ハードを通じて得られるエクスペリエンスがキモ。モトローラではホームとモバイルデバイスの間の『コンバージドエクスペリエンス』分野に力を入れていくが、今後のGoogleとの協業により、この分野をさらに強化できるのではないか」と期待を述べた。
■複数DRMや帯域最適化配信を1本化する「Secure Media」
現在同社が注力しているソリューションについては、モトローラ・モビリティ・ジャパン(株)ホーム事業部 事業部長の加藤秀徳氏から詳しく説明された。
同社では、様々な技術を組み合わせた「コンバージド・エクスペリエンス」ソリューションに「MEDIOS」というブランドを与えてマーケティングを行っている。
このMEDIOSを構成する技術の一つが「Secure Media」だ。現在、タブレットやスマートフォン、PC、STBなど様々なデバイスが登場し、これに伴って使われている著作権管理技術(DRM)も複雑化している。Secure Mediaでは、これらの複数のDRMを、「Encryptonite ONE」(HLS+)という独自のDRMを用いることで配信側で一括管理でき、様々な機器へ対応させることが容易になる。
なおEncryptonte ONEは、ハリウッドの7大メジャースタジオなどから使用許諾を得ており、配信事業者はいつでも利用を開始できる状態になっているという。
またSecure Mediaでは、帯域に応じてストリーミング配信のビットレートを最適化する技術「HLS」(HTTP Live Streaming)を採用。これはアップルが開発した技術だが、マイクロソフトのSmooth StreamingやGoogleのAdaptive Streamingなど、同種の技術が数多ある中で、Secure Mediaの配信はHLSのみを使用するシステムとし、ビデオ配信事業者の負担を抑えることができる。
■ホームモニタリング/コントロール技術もアピール
そのほか、約1年前に買収して傘下に収めた4HOMEのホームモニタリング/ホームコントロールシステムについてもデモを行った。4HOMEの技術を使うと、Androidタブレットなどを使って、外出先から家庭内のモニタリングや照明など家電機器の操作が行える。
同社では「モニタリングに必要なセンサーやカメラなど様々なデバイスの価格が下がり、またモニタリングや操作に適したスマートフォンやタブレットも普及してきた。今後、この分野は非常に有力だ」と説明。この技術についても、CATV事業者が顧客に対する付加価値を提案できるものと位置づけ、積極的に採用を呼びかけていくという。
さらにCATV事業者向けのソリューションとして、Wi-Fiのホットスポットを簡便に構築できる「Cable Wi-Fi」も紹介。屋内向け、屋外向けなど5種類の製品をラインナップしており、ケーブルモデムを内蔵しているものなどは、電源とケーブルがあれば、すぐに設置できるメリットがあるという。
同社は、アメリカでケーブルビジョン社がこのソリューションを使って顧客向けに無料のWi-Fiスポットサービスを展開しているという事例を紹介。タイムワーナーやコムキャストも参加し、Wi-Fiの相互乗り入れを行っているのだという。無料でサービス提供することが既存加入者への付加価値となり、解約率を下げられるとアピールした。