簡単手軽で“明るい”3Dプロジェクターを訴求
エプソン、“ドリーミオ”新製品発表会 − 10月から全国で「3Dプロジェクター1万人体験イベント」開催
ニーズに的確にマッチしたプロジェクターを揃え、提案していく
中野氏は、富士キメラ総研の調査データと同社の予測による、ホームシアタープロジェクターの国内市場規模の推移について説明。
「ホームシアタープロジェクターの販売規模は2005年をピークに年々低下している。主な原因は、大画面テレビのフルHD化が進むのと同時に、販売価格が下落してきたことによる影響があげられる。またエコポイントや地デジ化対策によるテレビの販売拡大によって、プロジェクターの注目度がなかなか上がらなかったこともある」。
「その結果、ホームプロジェクターがコアなシアターユーザーのものになってしまい、2010年時点では年間で17,000台前後の規模に落ち込んでしまった」と中野氏は説明。あらためて市場分析を徹底的に行い、ターゲットのセグメントごとに的確な製品を提案していくことで、マーケットの伸びを復調させることの重要性を語り、これを実行していくと宣言した。
同社がメインターゲットに置いているユーザー像は大別して3つであると、中野氏は説明した。
「本格派シアター」層は、ちゃんとした音響機器と高画質プロジェクターをシステムとして購入して、シアター専用ルームを所有しているユーザー。「リビングでシアター」層は、ふだんリビングにプロジェクターを設置して、映画やスポーツを家族みんなで楽しむユーザーだ。
そして「どこでもシアター」層は、リビングだけでなく、プロジェクターを様々な場所に持ち運んで、寝室でゆっくりと映画を楽しんだり、パーティーや外出先で大勢で大画面を楽しむというアクティブなユーザー。同社では「今まではこの3つの層が主と考えていた」と中野氏は語る。
だがこれからは、もう一つのコアターゲットとして「エントリーシアター」層の存在を明確化し、エントリー層のユーザーにも気軽に購入できる、安価なプロジェクターも提供していくべきという同社の戦略が示された。
同社のプロジェクター製品のラインナップでは、「本格派シアター」層には高画質の2Dモデルや、本格的なTW8000のようなモデルがふさわしいと考えたと中野氏は説明。また「リビングでシアター」層にはTW6000シリーズのような明るく使い勝手の良い3D対応機を、「どこでもシアター」層には「MG-850HD」をはじめとした一体型モデルを提案し、それぞれのユーザーにエプソンのプロジェクターならではの商品力を実感してもらいたい、とした。
また「エントリーシアター」層については、ビジネス用にも展開しているプロジェクター“Offirio(オフィリオ)”のラインナップも含めた総合力を活用し、大画面でゲームを楽しむユーザーも含めつつ、安価で手に入れられるプロジェクター製品の魅力を提案していく考えという。
新製品の販売チャンネルについては、AV専門店/家電量販/ネット通販の3つを想定しているという。AV専門店については映像や使い勝手をじっくりと確かめたいは本格派ユーザーを、家電量販は、店頭で実機を確かめたいリビング/エントリーユーザーをターゲットに商品の魅力を訴求していく。また価格に関して感度の高いユーザーについては、ネット通販での販売も提案していく考えた。
今回発表した“ドリーミオ”の新製品3機種5モデルを合わせたホームシアタープロジェクターの販売目標について、中野氏は今後1年間に6,000台を目標としていくことを明らかにした。内訳は3,000台をTW6000シリーズで、1,200台をTW8000シリーズで、MG-850HDは1,800台程度を売り上げていくことを想定しているという。中野氏は「ホームプロジェクターでも幅広いラインナップを展開して、市場を成長させていきたい」と宣言した。