BloggieはWiFi内蔵や防水モデルも
<CES>ソニー最新ビデオカメラのラインナップを徹底解剖 − 米でもPJ内蔵機が人気
例年、怒濤のように新製品を出してきたソニーのビデオカメラが、今年も他社を凌駕する強力なラインナップを取り揃えた。その数は3Dタイプまで入れるとハンディカムだけで全13機種。この全製品がCES会場に展示された。ハンディカムは日本でも最新型が同時発表されたが、こちらは全7機種。その数は約半分でしかない。それだけアメリカ市場の多様性があるということなのだろう。加えて、アメリカ市場向けにはBloggieの最新モデルも2機種発表され、CES会場で触ることができた。Bloggieは日本でも発売されていたが、説明員によれば昨年モデルで日本市場への投入は終了したとのこと。スマホの高性能化により、需要が急減していることが原因だという。
今回は日本で発表されたモデルと共通項目が多いものの、アメリカだけのモデルも紹介しながらラインナップの解説を行いたい。
さて、北米と日本との違いは、主としてメモリー容量の違いだ。日本では64GBや96GBといった大容量メモリーを搭載した機種が少なくないが、アメリカでは32GBがせいぜいで8GB程度でも十分と思っている人が多いのだという。要は、ユーザーの大半は価格重視で購入し、画質や機能性を重視する人はそれほど多くないことがラインナップに反映されているのだ。また、日本ではHDDモデルはすでにラインナップから消えているが、アメリカでは1機種だけをラインナップしている。ただ、基本的なラインナップ構成は日本と同じで、各シリーズの上位機が日本向けとして用意されたと考えばわかりやすい。
では、そのアメリカ向けに用意されたラインナップを見ていこう。2D機の最上位機種となるのが「HDR-PJ760V」である。型番に「PJ」が付いていることからもわかるように、この機種にはプロジェクター機能が搭載されている。しかも従来よりも輝度を向上させており、解像度はSDレベルだが100インチ程度まで拡大できるようになったという。EVFは角度可変が可能になり、メモリー容量は96GBもある。レンズは26mm相当の広角端を実現し、ズーム比は光学10倍で、17倍のエクステンデッドズームがつく。撮像素子は1/2.88型の665万画素「Exmor R CMOS」と、とにかく“何でも入り”の最上位機種だ。
ここで注目したいのが新開発された手ブレ補正システムだ。従来の光学式手ブレ補正はレンズユニットのみを駆動してブレを制御していたが、今回の方式ではセンサー部分まで一体化して補正制御を加える。名付けて「空間手ブレ補正」。これまでの手ブレは“10倍”の補正だったが、そこから“13倍”にまでブレ補正を向上させたのだ。最大のメリットは補正時でも光軸が曲がらないため、大きな補正を行ったときでも周辺部が甘くなったりしない。カメラを動かせば電源OFF時はレンズが気持ち悪いほど動いているが、電源を入れることで制御が始まり、この動きはかなり収まる。いずれにしても早くその効果を試してみたいものだ。
「HDR-PJ710V」は、PJ760VからEVFを外したモデルで、同時に内蔵メモリーは32GBと少なくなる。それ以外はPJ760Vと基本的に同じだ。一方、PJ機能がない最上位機としてラインナップされたのが「HDR-CX720V」で、カメラブロックはPJ760Vなどと同一だがEVFがなく、メモリー容量は64GBに抑えられている。価格はPJ760Vが1600ドル、PJ710Vが1300ドル、CX760Vが1500ドルとなる。
続いてミドルクラスのモデル。このクラスにも輝度アップしたプロジェクト機能を備えるモデルがあり、「HDR-PJ580V」と、PJなしの「HDR-CX580V」の2機種。両機種ともPJ機能以外は同一で、32GBメモリーを内蔵し、従来の同クラス機よりも小さくなったという。PJ機能が付いてこのサイズは驚異的とも言えるだろう。レンズは光学12倍でエクステンテッドズームでは20倍にまで拡大できる。広角端は26.8mm相当と上位機よりやや狭い。ただ、手ブレ補正についてはこのクラスでも上位機に採用したセンサー一体型手ブレ補正が採用されている。価格は「HDR-PJ580V」が900ドル、「HDR-CX580V」が800ドル。ちなみに日本ではこの機種は販売されず、メモリー容量を64GBとしたPJ590VとCX590Vがラインナップされる。
次のクラス“ステップクラス”とした新たなクラスは、エントリークラスよりも少しだけ上になる高機能モデルと位置づけられる。このクラスには唯一のHDDモデル「HDR-XR260V」がラインナップされる。その他、プロジェクター機能付きの「HDR-PJ260V」、PJ機能なしモデルの「HDR-CX260V」がある。カメラ機能は3機種とも同じで、このクラスにもGPS機能が備えられた。オシャレな新色のカラバリを用意し、レンズ周囲にも配色を加えるなど女性ユーザーを意識した造りとなっている。レンズは光学30倍で、エクステンテッドズームで55倍まで拡大できる。内蔵メモリーは16GBで、価格は「HDR-PJ260V」が650ドル、「HDR-CX260V」が550ドル、「HDR-XR260V」が700ドル。日本では32GBとメモリーサイズの大きい「HDR-CX270V」が用意された。
そして本当の意味でのエントリーモデルがPJ機能付きでメモリーなしの「HDR-PJ200」と、PJ機能なしで8GBメモリー内蔵の「HDR-CX200」だ。さらにPJも内蔵メモリーも非搭載の「HDR-CX190」が用意された。なお、PJ200に備えられたプロジェクター機能は唯一従来からのものを踏襲したため、投射できるのは60〜70インチ程度までとなる。レンズは光学25倍でエクステンデットズームは最大30倍程度まで拡大可能だ。手ブレ補正はシリーズ中、唯一電子補正となる。価格はPJ付きだが内蔵メモリなしの「HDR-PJ200」が440ドル、プロジェクタなし内蔵メモリ8GBの「HDR-CX210」が370ドル、さらにプロジェクタなし、内蔵メモリなしの「HDR-CX190」が300ドル。日本ではPJ機能付きで8GBメモリーを内蔵した「HDR-PJ210」が用意された。
ここまでは一通り2Dモデルだったが、もう一つの大物、それが3Dビデオカメラ「HDR-TD20V」だ。TD10の後継機でサイズを大幅に小さくし、容積で34%もの小型化と軽量化を実現したモデルだ。とにかくちょっと見た目には3Dビデオカメラとは思えない造りで、それでいて広角端を29.8mm相当まで広げ、センサーの画素数もアップ。500系のカメラが2台入ったものと考えればいいだろう。3D機としてはUSBケーブルの内蔵化も果たし、GPS機能が搭載されたのも新しい。メモリーは64GBが内蔵される。この機種は日米共に同一仕様で、アメリカでの価格は1500ドルで、従来並みの価格設定だという。なお、ここまでの全機種にはHDMIケーブルの付属も行われることも見逃せない。
アメリカ向けに登場したBloggieは無線LAN機能を搭載して動画配信までも視野に入れた「MHS-TS55」と、“Bloggie Sport”と名付けられた約5m防水機能付きの「MHS-TS22」の2機種。TS55は1080/30pの動画が撮れ、もちろん静止画も撮影可能。注目は動画撮影中でも配信ができるため、動画のライブ配信も可能になることだ。単純に動画や静止画をアップロードするのならスマホでもできてしまう。TS55はスマホよりも一歩先を行くネットワークカメラみたいなものと考えればいいだろう。
無線LANで飛ばすにはアクセスポイントの設定が必要になるが、それ以降は電源を入れてアップロード先を選べばそれだけで無線LAN経由でアップロードができてしまう。本機からコメントの入力も可能で、その内容は画面上で確認できるのだから便利この上ない。内蔵メモリーは8GBで、レンズは固定焦点。LEDライトも搭載する。価格は250ドルで、すでにソニーストアで販売を開始しているという。
防水機能付きのTS22の動画記録も同じで、静止画は5メガピクセルで撮影可能。黒と赤、青の3色展開なのもうれしい。内蔵メモリーは4GBとなるため、価格はぐっとお安く180ドルで、こちらも販売がスタートしている。
今回は日本で発表されたモデルと共通項目が多いものの、アメリカだけのモデルも紹介しながらラインナップの解説を行いたい。
さて、北米と日本との違いは、主としてメモリー容量の違いだ。日本では64GBや96GBといった大容量メモリーを搭載した機種が少なくないが、アメリカでは32GBがせいぜいで8GB程度でも十分と思っている人が多いのだという。要は、ユーザーの大半は価格重視で購入し、画質や機能性を重視する人はそれほど多くないことがラインナップに反映されているのだ。また、日本ではHDDモデルはすでにラインナップから消えているが、アメリカでは1機種だけをラインナップしている。ただ、基本的なラインナップ構成は日本と同じで、各シリーズの上位機が日本向けとして用意されたと考えばわかりやすい。
では、そのアメリカ向けに用意されたラインナップを見ていこう。2D機の最上位機種となるのが「HDR-PJ760V」である。型番に「PJ」が付いていることからもわかるように、この機種にはプロジェクター機能が搭載されている。しかも従来よりも輝度を向上させており、解像度はSDレベルだが100インチ程度まで拡大できるようになったという。EVFは角度可変が可能になり、メモリー容量は96GBもある。レンズは26mm相当の広角端を実現し、ズーム比は光学10倍で、17倍のエクステンデッドズームがつく。撮像素子は1/2.88型の665万画素「Exmor R CMOS」と、とにかく“何でも入り”の最上位機種だ。
ここで注目したいのが新開発された手ブレ補正システムだ。従来の光学式手ブレ補正はレンズユニットのみを駆動してブレを制御していたが、今回の方式ではセンサー部分まで一体化して補正制御を加える。名付けて「空間手ブレ補正」。これまでの手ブレは“10倍”の補正だったが、そこから“13倍”にまでブレ補正を向上させたのだ。最大のメリットは補正時でも光軸が曲がらないため、大きな補正を行ったときでも周辺部が甘くなったりしない。カメラを動かせば電源OFF時はレンズが気持ち悪いほど動いているが、電源を入れることで制御が始まり、この動きはかなり収まる。いずれにしても早くその効果を試してみたいものだ。
「HDR-PJ710V」は、PJ760VからEVFを外したモデルで、同時に内蔵メモリーは32GBと少なくなる。それ以外はPJ760Vと基本的に同じだ。一方、PJ機能がない最上位機としてラインナップされたのが「HDR-CX720V」で、カメラブロックはPJ760Vなどと同一だがEVFがなく、メモリー容量は64GBに抑えられている。価格はPJ760Vが1600ドル、PJ710Vが1300ドル、CX760Vが1500ドルとなる。
続いてミドルクラスのモデル。このクラスにも輝度アップしたプロジェクト機能を備えるモデルがあり、「HDR-PJ580V」と、PJなしの「HDR-CX580V」の2機種。両機種ともPJ機能以外は同一で、32GBメモリーを内蔵し、従来の同クラス機よりも小さくなったという。PJ機能が付いてこのサイズは驚異的とも言えるだろう。レンズは光学12倍でエクステンテッドズームでは20倍にまで拡大できる。広角端は26.8mm相当と上位機よりやや狭い。ただ、手ブレ補正についてはこのクラスでも上位機に採用したセンサー一体型手ブレ補正が採用されている。価格は「HDR-PJ580V」が900ドル、「HDR-CX580V」が800ドル。ちなみに日本ではこの機種は販売されず、メモリー容量を64GBとしたPJ590VとCX590Vがラインナップされる。
次のクラス“ステップクラス”とした新たなクラスは、エントリークラスよりも少しだけ上になる高機能モデルと位置づけられる。このクラスには唯一のHDDモデル「HDR-XR260V」がラインナップされる。その他、プロジェクター機能付きの「HDR-PJ260V」、PJ機能なしモデルの「HDR-CX260V」がある。カメラ機能は3機種とも同じで、このクラスにもGPS機能が備えられた。オシャレな新色のカラバリを用意し、レンズ周囲にも配色を加えるなど女性ユーザーを意識した造りとなっている。レンズは光学30倍で、エクステンテッドズームで55倍まで拡大できる。内蔵メモリーは16GBで、価格は「HDR-PJ260V」が650ドル、「HDR-CX260V」が550ドル、「HDR-XR260V」が700ドル。日本では32GBとメモリーサイズの大きい「HDR-CX270V」が用意された。
そして本当の意味でのエントリーモデルがPJ機能付きでメモリーなしの「HDR-PJ200」と、PJ機能なしで8GBメモリー内蔵の「HDR-CX200」だ。さらにPJも内蔵メモリーも非搭載の「HDR-CX190」が用意された。なお、PJ200に備えられたプロジェクター機能は唯一従来からのものを踏襲したため、投射できるのは60〜70インチ程度までとなる。レンズは光学25倍でエクステンデットズームは最大30倍程度まで拡大可能だ。手ブレ補正はシリーズ中、唯一電子補正となる。価格はPJ付きだが内蔵メモリなしの「HDR-PJ200」が440ドル、プロジェクタなし内蔵メモリ8GBの「HDR-CX210」が370ドル、さらにプロジェクタなし、内蔵メモリなしの「HDR-CX190」が300ドル。日本ではPJ機能付きで8GBメモリーを内蔵した「HDR-PJ210」が用意された。
ここまでは一通り2Dモデルだったが、もう一つの大物、それが3Dビデオカメラ「HDR-TD20V」だ。TD10の後継機でサイズを大幅に小さくし、容積で34%もの小型化と軽量化を実現したモデルだ。とにかくちょっと見た目には3Dビデオカメラとは思えない造りで、それでいて広角端を29.8mm相当まで広げ、センサーの画素数もアップ。500系のカメラが2台入ったものと考えればいいだろう。3D機としてはUSBケーブルの内蔵化も果たし、GPS機能が搭載されたのも新しい。メモリーは64GBが内蔵される。この機種は日米共に同一仕様で、アメリカでの価格は1500ドルで、従来並みの価格設定だという。なお、ここまでの全機種にはHDMIケーブルの付属も行われることも見逃せない。
アメリカ向けに登場したBloggieは無線LAN機能を搭載して動画配信までも視野に入れた「MHS-TS55」と、“Bloggie Sport”と名付けられた約5m防水機能付きの「MHS-TS22」の2機種。TS55は1080/30pの動画が撮れ、もちろん静止画も撮影可能。注目は動画撮影中でも配信ができるため、動画のライブ配信も可能になることだ。単純に動画や静止画をアップロードするのならスマホでもできてしまう。TS55はスマホよりも一歩先を行くネットワークカメラみたいなものと考えればいいだろう。
無線LANで飛ばすにはアクセスポイントの設定が必要になるが、それ以降は電源を入れてアップロード先を選べばそれだけで無線LAN経由でアップロードができてしまう。本機からコメントの入力も可能で、その内容は画面上で確認できるのだから便利この上ない。内蔵メモリーは8GBで、レンズは固定焦点。LEDライトも搭載する。価格は250ドルで、すでにソニーストアで販売を開始しているという。
防水機能付きのTS22の動画記録も同じで、静止画は5メガピクセルで撮影可能。黒と赤、青の3色展開なのもうれしい。内蔵メモリーは4GBとなるため、価格はぐっとお安く180ドルで、こちらも販売がスタートしている。