スマホからコントロールができる試作機も
<CES>パナソニックの新ビデオカメラを会田肇がチェック − ウェアラブルカメラの試作機なども登場
パナソニックは、CES2012の開催に合わせてビデオカメラのラインナップを一新。動画機能を備えたコンパクトデジタルカメラにも新たに5機種を投入した。その他、ウェアラブルカメラやWi-Fiを使ってスマホから撮影のコントロールができる試作機も公開した。
一新されたビデオカメラは最上位の「HC-X900M」を筆頭に全9モデル。日本で11日に発表された製品群(関連ニュース)と違うのは、X900Mとほぼ同じ機能を搭載しながらモニターを2D専用表示としメモリーを非搭載にした「HC-X800」を加えていること。
また、日本市場向けには存在しない、メモリーを内蔵せずSDカードに記録する「HC-V700」と「HC-V500」、「HC-V100」をメモリー内蔵モデルとは別にラインナップした。外観やそれ以外の仕様に違いはない。また、メモリー非内蔵モデルとして「HC-V10」もラインナップされた。
X900とX800は、パナソニックがこれまで得意としてきた3MOSのメリットをさらに活かしたモデル。3Dに対しても別売のコンバージョンレンズを使用するのは従来と同じながら、フルHDでの3D撮影を実現。本体レンズをワイド側に振ったことでF値がF3.2からF2.0へと大幅に改善し、新採用のクリスタルエンジンPRO2の採用で低照度画質もいっそう向上しているという。従来はねじ込むような形で取り付けていた3Dコンバージョンレンズもワンタッチで装着できるようになった。
また、X900には裸眼3D表示対応の3.5型モニターを搭載。115万ドットの高精細表示で高解像度な立体視が可能になっている。ただ、従来のコンバージョンレンズ使用時は、デジタルでの1.5倍ズームができるものの、光学ズーム機能は動作しなくなる。iA機能にも制約が出る。
デザインは従来の3MOS機を踏襲したもので、正直言って新鮮味には欠ける。それでもEVFは従来通り備え、3.5型モニターは大きく視認性で有利だ。タッチパネルの反応も良好で、メニュー構成もこれまでの流れを踏襲してわかりやすい。このあたりの造りはパナソニックならではの使いやすさへのこだわりが伝わってくる。
画質に対しては搭載レンズも見直して3MOSならではの高画質を活かす設計となった。LUMIX系レンズでも採用されているナノサーフェスコーティングが施され、反射光を抑えてゴーストやフレアの発生を削減。見た目にもメリハリのある表現が可能となった。
また、嬉しいことにやっとレンズ絞りに光彩絞りが採用された。これでボカしながらの撮影にやる気が出てきそう。惜しいのは3MOSに採用しているセンサーのサイズが小さめとなるため、背景がボケにくいという悩みは出てきそうということ。これは3MOSを搭載する関係上から来るサイズ上の宿命なのかもしれない。
期待できそうなのが新採用の手ブレ補正だ。「5軸ハイブリッド手ブレ補正」と呼ばれるこのシステムは、回転軸方向での補正を行うほか、ブレ検出のレンジ幅を拡大して補正アルゴリズムまでも見直した。これによってこれまで言われてきたブレ補正の弱さがかなり改善できたという。このあたりは近いうちに実機で試してみたいと思う。
V700はセンサーの改良により受光効率を高めたMOSを採用し、iAズーム時でフルHD撮影を実現した単板MOS採用モデルの最上位機だ。本機には内蔵メモリーを搭載しないが、日本と同様に64GBメモリーを内蔵したV700Mも用意している。なお、機能をV700と同じながら内蔵メモリーを32GBにした廉価モデル、V600Mが日本では用意されている。
このモデルでもっとも注目すべきは配線層の小型化、フォトダイオードの体積拡大によるMOSセンサーの受光効率を高めたことだ。これまでMOSセンサーは暗いところで感度を稼げないことが課題だったが、この対策により高感度時のノイズは大幅に低減したようである。
また、700mm相当のズーム効果を出しながらフルHDでの記録を可能にしたことも注目に値するだろう。さらに、レンズのアクチュエーターをマルチ化することで光学系の画質改善を図ったのもポイントになる。
北米専用モデルとして登場したのがメモリーレスのV500と16GBメモリーを内蔵したV500Mだ。広角端は32mm相当となるが、クリスタルエンジンPRO2の採用とハイブリッドO.I.S.を採用するモデルとなる。
ズーム機能は光学でなんと38倍!iAズームなら50倍相当にまで拡大できる。V100(メモリーレス)/V100M(16GBメモリー内蔵)は機能はかなり制限されているが、それでも光学手ブレ補正や広角端32mm相当を実現している。
さて、CES2012開催に合わせて追加されたコンデジは、高感度MOSセンサーを搭載してフルHD動画も撮影できる「DMC-SZ7」、基本機能を同じながらセンサーをCCDにして動画をHD止まりとした「DMC-SZ1」。そして、センサーをSZ1と同じCCDを使う「DMC-FH8」、それと基本機能を同じにしてCCDの画素数を落とした「DMC-FH6」、実売100ドル未満で買える最廉価モデル「DMC-S2」もラインナップされた。
いずれの機種も日本市場にはないものだが、なかでもSZシリーズは日本国内で販売されている「DMC-FX90」(関連ニュース)の上位に位置する機種で、センサーはFZ150やなどに採用されている新世代のMOSを使用。シリーズ中、唯一HDR機能も備えるなど、高機能と画質にこだわったモデルとなっている。
最後に2つの参考出品モデルに注目してみたい。一つはWi-Fiを内蔵するデジカメとスマートフォンを連携させ、スマートフォンからデジカメのズーム操作や撮影を行えるようにしたもの。デモに使われていたデジカメは市販されているDMC-FX90がベースになっていた。Wi-Fi経由でP2P接続してスマートフォン側からのコントロールを可能にしている。
システム的には他社でも多く見られるものだが、この試作機でいいと思ったのはタイムラグが非常に小さかったこと。Wi-Fi接続で動作するとある程度のラグは発生すると思っていたが、このリアルタイム感はなかなか良かった。
ただ、デジカメとスマートフォンはあくまでP2P接続する1:1の関係であって、ネットを経由した遠隔操作には対応していない。見通せる範囲での接続が前提と考えた方がいいだろう。もちろん、この機能は試作の参考出品であり、これが商品化されるかどうかは未定だという。
もう一つの参考出品はヘッドセットのように装着して使うウェアラブルカメラだ。装着するとカメラはほぼ顔の向きと一緒になり、見ている方向と同じ映像がハンズフリーで撮影可能になるというわけだ。
ポイントはこれもWi-Fiを使ってスマートフォンから撮影のコントロールができることだ。撮影中の映像をスマートフォンでモニタリングでき、必要なシーンがいつでもすぐに捉えられる。カメラ自体は単焦点のパンフォーカスで、ズーム機能は備えられていないが、今後はデジタルズームで対応する可能性はあるという。スポーツをしているときや、カメラをあまり意識せずに気軽に撮影できたりするのが魅力となるだろう。
一新されたビデオカメラは最上位の「HC-X900M」を筆頭に全9モデル。日本で11日に発表された製品群(関連ニュース)と違うのは、X900Mとほぼ同じ機能を搭載しながらモニターを2D専用表示としメモリーを非搭載にした「HC-X800」を加えていること。
また、日本市場向けには存在しない、メモリーを内蔵せずSDカードに記録する「HC-V700」と「HC-V500」、「HC-V100」をメモリー内蔵モデルとは別にラインナップした。外観やそれ以外の仕様に違いはない。また、メモリー非内蔵モデルとして「HC-V10」もラインナップされた。
X900とX800は、パナソニックがこれまで得意としてきた3MOSのメリットをさらに活かしたモデル。3Dに対しても別売のコンバージョンレンズを使用するのは従来と同じながら、フルHDでの3D撮影を実現。本体レンズをワイド側に振ったことでF値がF3.2からF2.0へと大幅に改善し、新採用のクリスタルエンジンPRO2の採用で低照度画質もいっそう向上しているという。従来はねじ込むような形で取り付けていた3Dコンバージョンレンズもワンタッチで装着できるようになった。
また、X900には裸眼3D表示対応の3.5型モニターを搭載。115万ドットの高精細表示で高解像度な立体視が可能になっている。ただ、従来のコンバージョンレンズ使用時は、デジタルでの1.5倍ズームができるものの、光学ズーム機能は動作しなくなる。iA機能にも制約が出る。
デザインは従来の3MOS機を踏襲したもので、正直言って新鮮味には欠ける。それでもEVFは従来通り備え、3.5型モニターは大きく視認性で有利だ。タッチパネルの反応も良好で、メニュー構成もこれまでの流れを踏襲してわかりやすい。このあたりの造りはパナソニックならではの使いやすさへのこだわりが伝わってくる。
画質に対しては搭載レンズも見直して3MOSならではの高画質を活かす設計となった。LUMIX系レンズでも採用されているナノサーフェスコーティングが施され、反射光を抑えてゴーストやフレアの発生を削減。見た目にもメリハリのある表現が可能となった。
また、嬉しいことにやっとレンズ絞りに光彩絞りが採用された。これでボカしながらの撮影にやる気が出てきそう。惜しいのは3MOSに採用しているセンサーのサイズが小さめとなるため、背景がボケにくいという悩みは出てきそうということ。これは3MOSを搭載する関係上から来るサイズ上の宿命なのかもしれない。
期待できそうなのが新採用の手ブレ補正だ。「5軸ハイブリッド手ブレ補正」と呼ばれるこのシステムは、回転軸方向での補正を行うほか、ブレ検出のレンジ幅を拡大して補正アルゴリズムまでも見直した。これによってこれまで言われてきたブレ補正の弱さがかなり改善できたという。このあたりは近いうちに実機で試してみたいと思う。
V700はセンサーの改良により受光効率を高めたMOSを採用し、iAズーム時でフルHD撮影を実現した単板MOS採用モデルの最上位機だ。本機には内蔵メモリーを搭載しないが、日本と同様に64GBメモリーを内蔵したV700Mも用意している。なお、機能をV700と同じながら内蔵メモリーを32GBにした廉価モデル、V600Mが日本では用意されている。
このモデルでもっとも注目すべきは配線層の小型化、フォトダイオードの体積拡大によるMOSセンサーの受光効率を高めたことだ。これまでMOSセンサーは暗いところで感度を稼げないことが課題だったが、この対策により高感度時のノイズは大幅に低減したようである。
また、700mm相当のズーム効果を出しながらフルHDでの記録を可能にしたことも注目に値するだろう。さらに、レンズのアクチュエーターをマルチ化することで光学系の画質改善を図ったのもポイントになる。
北米専用モデルとして登場したのがメモリーレスのV500と16GBメモリーを内蔵したV500Mだ。広角端は32mm相当となるが、クリスタルエンジンPRO2の採用とハイブリッドO.I.S.を採用するモデルとなる。
ズーム機能は光学でなんと38倍!iAズームなら50倍相当にまで拡大できる。V100(メモリーレス)/V100M(16GBメモリー内蔵)は機能はかなり制限されているが、それでも光学手ブレ補正や広角端32mm相当を実現している。
さて、CES2012開催に合わせて追加されたコンデジは、高感度MOSセンサーを搭載してフルHD動画も撮影できる「DMC-SZ7」、基本機能を同じながらセンサーをCCDにして動画をHD止まりとした「DMC-SZ1」。そして、センサーをSZ1と同じCCDを使う「DMC-FH8」、それと基本機能を同じにしてCCDの画素数を落とした「DMC-FH6」、実売100ドル未満で買える最廉価モデル「DMC-S2」もラインナップされた。
いずれの機種も日本市場にはないものだが、なかでもSZシリーズは日本国内で販売されている「DMC-FX90」(関連ニュース)の上位に位置する機種で、センサーはFZ150やなどに採用されている新世代のMOSを使用。シリーズ中、唯一HDR機能も備えるなど、高機能と画質にこだわったモデルとなっている。
最後に2つの参考出品モデルに注目してみたい。一つはWi-Fiを内蔵するデジカメとスマートフォンを連携させ、スマートフォンからデジカメのズーム操作や撮影を行えるようにしたもの。デモに使われていたデジカメは市販されているDMC-FX90がベースになっていた。Wi-Fi経由でP2P接続してスマートフォン側からのコントロールを可能にしている。
システム的には他社でも多く見られるものだが、この試作機でいいと思ったのはタイムラグが非常に小さかったこと。Wi-Fi接続で動作するとある程度のラグは発生すると思っていたが、このリアルタイム感はなかなか良かった。
ただ、デジカメとスマートフォンはあくまでP2P接続する1:1の関係であって、ネットを経由した遠隔操作には対応していない。見通せる範囲での接続が前提と考えた方がいいだろう。もちろん、この機能は試作の参考出品であり、これが商品化されるかどうかは未定だという。
もう一つの参考出品はヘッドセットのように装着して使うウェアラブルカメラだ。装着するとカメラはほぼ顔の向きと一緒になり、見ている方向と同じ映像がハンズフリーで撮影可能になるというわけだ。
ポイントはこれもWi-Fiを使ってスマートフォンから撮影のコントロールができることだ。撮影中の映像をスマートフォンでモニタリングでき、必要なシーンがいつでもすぐに捉えられる。カメラ自体は単焦点のパンフォーカスで、ズーム機能は備えられていないが、今後はデジタルズームで対応する可能性はあるという。スポーツをしているときや、カメラをあまり意識せずに気軽に撮影できたりするのが魅力となるだろう。