ホンハイとの協業などで経営強化
「2012年をシャープ復活の年に」 − シャープが経営戦略説明会を開催
なお、コモディティ化した商品という点については、テレビ事業の戦略についてメディアから質問が出た。この点について奥田氏は「ホンハイと関係のあるサプライヤー、テレビメーカーとの間でいかにしてパネルの操業度を上げるかについて、彼ら自身のテレビのデザイン活動を含めた打ち合わせをしている」と回答。「そのなかで、メーカーとの相互乗り入れができることについては、相乗効果としてトータルコストを引き下げて、大型液晶テレビ事業の強化、事業拡大につながるような打ち合わせをしている」と続けた。
また、テレビ組み立てを外部委託するような可能性についても問われたが「現在、組み立てについてホンハイに委託する計画はない」と回答。「シャープの海外生産拠点は、モジュールからテレビの生産までを一貫して行うラインになっている。ある意味、世界で一番通用する技術を持つ工場だと思っている」とした。
■IGZO技術の活用などで家電分野以外でもオンリーワン商品を創出
「これまでも家電を中心にオンリーワン商品を創出してきた」と語る奥田氏は、今後の商品展開に対して「家電分野については新たなニーズに対応し、カテゴリーシフトした商品を“新必需品”と位置付け、提案していく」とコメント。「ココロボ」のような商品に加え、省エネニーズ、健康・環境ニーズの高まりに応えられる白物家電などでオンリーワン商品を創出していくとした。
また、「家電商品以外の分野でもIGZOなどの新技術を応用したオンリーワン商品を創出していく」と説明。IGZO技術の高精細さや“AQUOS”で培った多原色技術を融合させた医療用画像診断モニターや、カメラモジュールとIGZOディスプレイを融合させたデジタル鏡など、家電以外の分野でも新たなオンリーワン商品を創りだしていくと語った。
グローバル戦略については「地域統括会社への権限委譲を加速してマーケティング機能の強化を図っていく」とコメント。これにより、中国や新興国を初めとする海外市場に向けたデジタル商品やローカルフィットモデルを積極的に販売し、売上拡大を図っていくと説明した。
そして、「今後の重点事業分野である健康環境、ビジネス機器、モバイル液晶、ソーラー事業の売上構成比を、現在の40%から中期的に60%に高める」と説明。「海外の売上構成比も、現在の50%から中期的には70%程度まで高めたい」と述べた。