ホンハイとの協業などで経営強化
「2012年をシャープ復活の年に」 − シャープが経営戦略説明会を開催
また、別のメディアからは「ホンハイとの協業でコスト面を強化して、マーケティング等をシャープが行うということだと思うが、マーケティングはまさに御社が失敗してきた部分だと思うが?」という厳しい指摘も。
こちらについて奥田氏は「確かにプロデュースやマーケティングは弱かった。だからこそ、その力を海外に投入して強化していきたいと考えている」と回答。「例えばアメリカでも大型液晶テレビを販売してきたが、実は元々はそんなに売れるとは現地販売会社も思っていなかった。しかしアメリカに強い人材を投入することで変わった。人材が全てだと思うが、シャープの場合、例えば優秀なバイオリニストやピアニストがいても、全体的にコーディネートする人、マーケティングを出来る人が少ない。日本人に限らず、そうしたマネージメントできる人材を強化していきたい」と言葉を続けた。
また、副社長執行役員 営業担当 兼 海外事業本部長の煖エ興三氏も、「近年のシャープの最大の問題は、商品開発が商品企画からスタートしていること。だから後継機種しか出てこない。かつて持っていた、新しいマーケットを開拓、創造するような開発力がなくなってきている」とコメント。
マーケティング力も弱くなっているとし、“後半のマーケティング”という考え方も欠けていると説明。「例えば昭和28年に日本でテレビ放送が始まった。そこでテレビのセールスマンは、テレビを全く知らない人にどう売ったのか」と例を挙げながら、「前半のマーケティング(商品開発)が上手く回って新しい商品が誕生したとき、後半のマーケティングがしっかりしていないといけない。そういう商品開発、“マーケティングに始まりマーケティングに終わる”商品開発をしていこうと考え、組織を変えていく」と語った。
そして最後に、同社が今年で創立100周年を迎えることに言及。「これまでシャープは、ユニークな商品を出す企業として評価されてきた」と語る奥田氏は「ユーザー目線の商品を他社に先駆けて出すのがシャープのDNA」だとし、「引き続き、世の中にないオンリーワン商品と、コモディティ化した分野で戦えるビジネスモデルを構築することでグローバルで戦える企業を目指す」とコメント。「一歩ずつ着実に成果を出し、業績と信頼の回復に努めていく」と会見を締めくくった。