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HTCなど中台勢の躍進ぶりにも注目

<IFA>サムスン「GALAXY」新モデルの完成度をチェック

公開日 2012/09/04 10:52 折原一也
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IFA 2012のスマートフォン関連の出展は、プレスカンファレンスで「GALAXY」シリーズの新モデルを発表したサムスンに話題が集中する結果となった。

欧州では既に人気で、日本でも火の付きつつある5型級画面にタッチペン入力対応の「GALAXY note」シリーズの最新機種「GALAXY note II」のみならず、21倍ズームレンズ搭載のコンデジ型筐体にAndroid OSを搭載し、3G/4G/WiFi通信にも対応した「GALAXY Camera」を投入したことにも注目したい。

「GALAXY note II」はペン入力対応というスマートフォンの常識外の機能を真っ先に搭載し、3.5インチ前後の画面を搭載したスマートフォンとは異なる、システム手帳に近い5インチならではの新たな操作性を提案している。

事前の噂通りサムスンの「GALAXY note II」がIFAのタイミングに合わせて発表された

ソニーの「Xperia」の3機種と「Xperiaタブレット」もIFAで同時に発表された

旧機種の「GALAXY note」と比較すると、画面は16対9の5.5型有機ELに大型化し、より視認性が高まった。だがそのぶん筐体が縦長になり、手帳らしさは若干薄れた感がある。これまでより映像を楽しむ用途を強く意識したという印象だ。使い勝手についても、電話中にペンを抜くと自動で「S note」が起動してメモが行えるなど、作り込みがより丁寧に行われている印象だ。


●カメラの定義を揺さぶる「GALAXY Camera」

「GALAXY Camera」はスマートフォンによる写真の共有やSNSへの投稿が当たり前になる中、21倍というコンパクトカメラのなかでも高倍率なズームレンズに、Wi-Fiのみならず3G/4G回線まで搭載と、予想を上回る思い切ったスペックを当初から投入。4.8型の背面液晶も「HD Super Clear LCD」と異例の巨大さで使い勝手を高めている。

「GALAXY Camera」は光学ズームレンズ搭載で、外観はスマートフォンというよりコンパクトカメラに近い。ボタン類はズーム、シャッターのみ独立

カメラ機能はマニュアル撮影にまで対応。タッチパネル操作を活かしたタッチフォーカスも可能だった

「GALAXY Camera」のカメラ機能は、よくAndroid OSと一体化されている。一般的なスマートフォンでは実現できない光学ズームは、35ミリ換算で23mm〜483mmと優秀。標準の「Camera」のアプリからP/A/S/Mなどの撮影モードが選べ、同社デジカメに搭載する「Smart PRO」まで一体化させた、カメラ然とした作りとなっている。

撮影した画像はすぐにSNSやクラウドにアップ可能なことが3G/4G回線搭載のメリット

もちろん、「Instagram」などカメラアプリで撮影も可能。特殊撮影機能は使えないがズームがあるだけでもメリット大

一方で撮影後にはそのままSNSにアップでき、もちろんGoogle Play経由で入手したアプリによる公開も可能だ。じっくり操作して撮影してみると、「GALAXY Camera」の画質はコンデジとしては中庸で、AF精度が甘いなど、カメラとしての作り込みに課題もあるのだが、カメラというジャンルの定義そのものを揺さぶる魅力的な製品だ。なお、日本での展開は検討中とのことだ。

●音質重視のHTC「Desire X」なども登場

サムスンの「GALAXY」以外にも、海外メーカーの注目スマートフォンの発表があった。

まず、ユニークな製品としてHTCの「Desire X」を紹介したい。4インチの液晶を搭載したミドルクラスの製品で、音楽を試聴することに特化したモデル。日本でもおなじみの高音質オーディオ機能「Beats Audio」を搭載。ヘッドホンを接続した状態によるデモを聞くと、騒音のある会場でも音楽がエネルギッシュに届くダイナミックなサウンドで、まさに音楽を楽しむための高音質スマートフォンという印象だ。

CPUは1GHzのデュアルコアながらハイパフォーマンス端末という位置づけで、カメラを約1秒で起動させる独自チップを搭載。4インチ液晶を搭載する

「Beats Audio」はヘッドホン向けに内蔵された高音質テクノロジー。圧縮音源のサウンドをよりダイナミックな高音質な音に補完して再生するという

中国のスマートフォンメーカーのHuawai(ファーウェイ)も「Ascend」シリーズを発表。4.5インチ液晶の「G600」、4.0インチの「G330」、3.5インチ液晶の「Y201 Pro」という構成で、中国メーカーらしい丸みを帯びたデザインだ。

ファーウェイは低価格路線ながら高機能な端末までをカバーする中国メーカー。写真の「G330」は質感も向上している

最後にタブレットだが、7インチ、8インチサイズの端末が多数展示されていたことが目に付いた。

まず日本のメーカーでは、あのマクセルがタブレットを5機種を展示していた。最安値のモデルで99ユーロ、最も高価な9.7型モデルで199ユーロと価格を抑えている。ポーランドより東のヨーロッパで販売されているもので、欧州法人による商品であるという。

マクセルによるタブレットラインナップ群。7型〜9.7型のタブレットをスペック別に展開

各機種のスペック。99ユーロのC7はスペックを押さえており画面の狭くマルチタッチも2点のみの検出だが、操作性はまずまず

それ以外の製品は中国、台湾のメーカーによる製品で、ほとんどがリテールプライスとして300ユーロ以下を提示。7/8インチで800×600クラスの液晶とAndroid 4.0といったあたりが共通するスペックだ。

実際に操作してみても、タッチ操作は十分軽快で、Android OSの標準アプリも搭載しGooglePlayにも対応と、基本機能は揃っている。どれも日本市場については具体的な導入予定がないものだが、世界のタブレット市場でAndroidが影響力を増している現状を思い知らされた。

7/8インチが現在のタブレットの激戦クラスとなっており台湾メーカー、香港メーカーなども含めると10種類以上を見られた

ACERブランドで発売される8インチタブレット。TEGRA3プロセッサを搭載しており、価格は299ユーロ程度とやや高め


ARCHOS 101 XSは10.1型の1280×800のHD液晶に1.5GHzの A9プロセッサを搭載。Windows 8端末のようなキーボード合体・分離型が特徴。価格は379.99ユーロと高め

IFAの家電メーカーのブースを見ても、国内メーカー勢だけでなく、サムスン、LG、フィリップス、ヴェステル(トルコ)、ハイアール、ハイセンスなど中国勢まで、スマートフォン/タブレット連携をデモしないメーカーはないというほど過熱している。今後はオーディオ・ビジュアルの分野でも、スマートフォン/タブレットの重要性がますます高まることだろう。

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