売上見通しを2000億円下方修正も通期営業利益は据え置き
ソニー、テレビ事業は「想定以上に改善」 − 2Q決算発表会レポート
■質疑応答 − 中国市場の見通しなどにも言及
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.デバイス分野の収益について、タイ洪水の保険料収入など抜いた場合どうなるのか?
A.同分野では洪水の保険収入とケミカル売却益を含んでいるが、それ以外でもイメージセンサーの売り上げがきちっと上がっていることもある。我々は高精細センサーを得意としているが、スマートフォンが高スペックのカメラを搭載してきていることは追い風だ。構造改革費用が減っていることも要因だ。なお、売却益などを除いても黒字となる。
Q.通期ではエレクトロニクスの黒字化を厳しくみているとのことだが、下期に何を想定しているのか。
A.世界のマーケットを見ると、成熟市場は景気についてはあまり良いニュースがない。新興国は、中国市場の景気感が当初より下向き。我々の見込みよりも下がっている。またデモなどの影響もあるので、各事業とも下期は慎重にみている。
Q.売上の減少はエレクトロニクスの台数減が大きいということだが、この原因をどう見ているか。
A.スマホが伸びるとコンデジの売上が喰われるということもあるが、要素技術をたくさん持っているので、コンパクトカメラでは我々が得意な高付加価値で利益をとっていく。セキュリティやメディカル、イメージセンサーも含めて広義のデジタルイメージングととらえているが、スマートフォンやタブレットの成長はイメージセンサーにとって市場が広がるということ。面でもって稼いでいきたいと考えている。なお、スマホについては予想通りの販売数量だ。
Q.上半期のセグメント情報で、ゲーム、MP&C、HE&Sが赤字。通期に向けてこれらの分野全体を黒字化していく考えなのか。それともどこかを黒字化してどこかは赤字でもという考えなのか。
A.ゲームは通期で黒字と考えている。MP&Cは、重点領域であるスマホが本年度はソニエリから100%子会社化し、現在は我々流に組み替え、建て直しをしている最中。構造改革などを実施していたり、全世界で販売部隊の組み直しなどを行っており今年は赤字と見ている。このセグメントは通期でも利益がでるところまでいかないと見ている。HE&Sで大きいのはテレビ部門。2013年度にブレークイーブンという計画にむけて色々と手を打っている。赤字の幅は想定以上に圧縮しているが、本年度に関してはまだ黒字にはならない。来年度に向けての黒字を予想している。
Q.中国の日本製品不買運動の影響はどう出ているのか。
A.できるだけ早く沈静化してほしいが、今回の見込みでは、2000億円下方修正のなかに中国関係で約300億円を織り込んでいる。ただしこの300億円がすべてデモの影響ではなく、市場自体の減速という要因もある。年間で見ると、中国は成長期待ということで年初始めたが、今時点では前年比で2ケタ、10%強程度前年を下回るのではないかと見ている。
Q.中国市場について、年明け以降、あるいは中長期にみてデモや不買運動の影響はどう出てきそうなのか。
A.(デモや反日運動といった)中国の状況がどう改善するかについては予測する立場でもないので、その点についての予測は差し控えたい。製造面では我々のサプライチェーンに対する影響は軽微であった。供給面で問題ないので、販売も自体が沈静化していくのを願っている。
Q.金融や音楽や映画が収益を下支えしているとのことだが、エレクトロニクスを含めた全体の成長戦略をどう考えているのか。
A.成長戦略。新体制になってコア事業を定めたし、テレビも黒字化を目指している。新規事業はメディカルでオリンパスとの提携を果たしたが、こちらは腰を据えて中長期的に伸ばしていくビジネスだと思っている。少し時間はかかると思っているが伸びるマーケットでもあるし、収益性も高い。いかせる技術もたくさん持っていると思うので期待してしっかりやっていきたい。
来期という目線で考えると、コア事業3つとテレビの改善で収益改善を図っていく。これは4月からやっていることで、ぶれていない。映画や音楽といった資産も持っている。ハードウェアをコンテンツと組み合わせて差異化するなど色々な工夫をやっていきたい。
Q.エレクトロニクスについて、欧米と国内の状況も教えて欲しい。
A.市況感について、日本、アメリカ、欧州についてはほぼ全カテゴリーで割と渋く見ている。シェアは個々のマーケットで色々あるが、コンデジ、PC、テレビなどは横ばいか下方だと見ている。日本ではテレビやコンデジはシェアが上がっているが、日本以外の先進国では横ばいか少しシェアを失っているという状況だ。
Q.スマートフォンの販売予想はどうして上方修正しないのか。
A.供給不足。一部チップセットの供給に問題があった。そういう条件下でも商品の組み替えなどで数字を作っていくので数字は据え置いている。期待感、足元の感触としては、結果として上方で終わったという報告をしたい。新機種の発売が年度末に寄っている事情もある。
Q.第2四半期は為替要因などがあった。来年の黒字化に向けていくつか施策を走らせている。商品力の強化ということで開発に力を入れる。100%子会社なので持てるものをすべてつぎこんでいく。また、マーケティング領域も強化を図っている。そしてタイムリーにお客様にものを届けるというサプライチェーンの見直しも行っている。構造改革などの結果もあって上半期の赤字がある。
A.第2四半期は為替要因などがあった。来年の黒字化に向けていくつか施策を走らせている。商品力の強化ということで開発に力を入れる。100%子会社なので持てるものをすべてつぎこんでいく。また、マーケティング領域も強化を図っている。そしてタイムリーにお客様にものを届けるというサプライチェーンの見直しも行っている。これをやるためにはグローバルに組織を変えるなどの必要があり、その過程での構造改革などの結果もあって上半期の赤字がある。ただし市場に出している商品は反響が良い。