HOME > ニュース > 【CES】Qualcomm、「Snapdragon 800」で4KやHEVCデコードなどデモ

スマホ向けの最新プロセッサー

【CES】Qualcomm、「Snapdragon 800」で4KやHEVCデコードなどデモ

公開日 2013/01/11 07:12 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
スマートフォン向けプロセッサー大手の米Qualcommは、2013 International CESで最新のプロセッサー「Snapdragon 800」「同600」を発表した。現在サンプル出荷を開始し、2013年の中盤までには同プロセッサーを搭載した機器が発売される見込み。

CESの同社ブースも「Snapdragon 800」一色で、様々なデモを通してその性能をアピールしていた。

Qualcommブースの様子。Snapdragon 800の性能を体験できるシアターには長蛇の列

Snapdragon 800は、最高2.3GHzで動作するコアを4基搭載したクアッドコアプロセッサー。これまでの「S4 Pro」に比べ、75%の性能を向上。また28nmのプロセスルールを採用したことで、省電力性能も高めた。

また、非同期型のSMPアーキテクチャーを採用することで、コアごとのピークパフォーマンスをコントロールすることが可能で、これも省電力性能の向上に寄与している。

ゲームを動かしながら、各コアとGPUの使用率をリアルタイム表示するデモ。写真のように画面を静止させているときは2コアとGPUしか動いていない。画面を動かすと4コアをフルに活用する

GPUも統合し、「Adreno 330」を搭載。これまでのAdreno 320に比べ2倍の性能を持っているという。

そのほか通信機能では、4G LTEの第3世代モデムを内蔵し、150Mbpsまでのデータ転送に対応。Wi-Fiも内蔵し、最新規格である802.11acにも対応。USB 3.0やBluetooth、FMもサポートする。

AV関連機能も充実。まずは4Kの映像のキャプチャーと再生をサポートすることが特筆される。また高解像度なディスプレイ(最大2,560×2,048)への出力や、MIiracastによる1080p動画のミラーリングも可能になっている。音声では、DTS-HDやドルビーデジタルPlusをサポートする。


H.264(左)とHEVC(右)の再生デモ。HEVCはH.264の2/3程度のビットレートで同等の画質を実現できていた
CESのブースでは、Snapdragon 800を使って、1080pのHEVC動画をリアルタイムデコードするデモを実施していた。HEVCは「High Efficiency Video Coding」の略で、H.264/MPEG-4 AVCの次の世代の、より圧縮率に優れた映像コーデックとして期待されている。

デモでは、同じ1080pの動画をH.264とHEVCでエンコードした動画を再生。同程度の画質に揃えながら、ビットレートはH.264が6Mbps程度、HEVCが4Mbpsとなっており、HEVCが圧縮効率に優れることを実証していた。もちろん、ビットレートが同じであればそれだけHEVCの方が高画質を実現できることになる。

4K動画やHEVCといったAVの最新トレンドを、携帯デバイス向けのプロセッサーがいち早くサポートしていることは興味深く、今後の動向に期待したい。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE