テレビ内蔵かタブレット活用か
【CES】日韓メーカーが火花を散らす「スマートTV」競争
■東芝は「Media Guide」アプリとクラウドサービスを北米にも展開
東芝は、日本では昨年末から「TimeOn」というテレビ向けクラウドサービスを始めているが、北米市場でもクラウドサービス「Toshiba Cloud TV Services」を開始することを今回のCESで発表した。その後グローバルにクラウドサービスを展開していくという。
北米でのクラウドサービスの中核となるのが、日本でも展開している「メディアガイド」アプリの北米版にあたる「Media Guide Service」のデモを行っていた。
Media Guideは既に昨年から北米で導入しているもの。これまではROVIのメディア情報を使用していたが、新バージョンでは東芝のサーバーに自社でデータベースを構築。これによって独自機能の実装などが行いやすくなるなど、メリットが大きいという。
同サービスは、クラウドと連動して友人に番組をリコメンドし、そこから予約を入れられるソーシャル連携機能も備えている。VODとの横断検索機能も一体化しており、開始当初からNetflixとウェブサイトとの連動検索が行えるという。
なお、開発の指揮を執っている東芝の片岡氏によると、日本で展開している「おすすめサービス」の応用として、過去の視聴傾向から好みを学習し、面白そうな番組、VODをユーザーに推薦するレコメンド機能の実装も考えているとのことだ。
この他にも「テレビと連動するリモコンアプリ」というレベルならば、中国メーカーも多数デモを行っていた。さらには北米向けにスティック型デバイスで映像ストリーミングを提供しているRokuやDishのサービスを利用している機器も多く見られた。
■テレビそのものではなく周辺機器を絡めたスマート化を模索する日本メーカー
日本のAVメーカーのスマートTV戦略は、テレビ内蔵の機能を強化するというより、操作性に優れるタブレットに専用アプリを提供し、番組情報などネットから提供される情報を連動させるという方向を目指している。
プロセッサーは年々その処理能力を高めており、製品の寿命が長いテレビでは、処理能力が足りなくなることもままある。サムスンなどはスマート機能を司るプロセッサーなどをカートリッジ化し、取り替えられるようにすることで、テレビ本体を買い替えなくても最新機能が利用できるようにしているが、日本メーカーはもっと割り切って、家電製品ではフォローしづらい面はタブレット・スマホでカバーしようとしているわけだ。日本におけるスマートTVも、この方向性で進むことだろう。