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192/24対応。アナログ入力対応HDMIゾーンスイッチングも

ヤマハ、AVアンプ新“AVENTAGE”「RX-A3030」など3機種 − ESS製DAC初搭載で音質強化

公開日 2013/06/12 13:00 ファイル・ウェブ編集部
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ヤマハは、同社AVアンプのプレミアムライン“AVENTAGE(アヴェンタージュ)”シリーズの第三世代3機種を、7月から順次発売する。詳細は下記の通り。

・「RX-A3030」¥283,500(税込)7月下旬発売
・「RX-A2030」¥199,500(税込)7月下旬発売
・「RX-A1030」¥126,000(税込)7月上旬発売

RX-A3030

RX-A3030はゴールドもラインナップする


RX-A2030

RX-A1030
A3030は定格出力150W/ch(6Ω、0.06%THD)の9.2chモデルで、最大11.2chまでの拡張に対応する最上位機種に位置づけられる。A2030は定格出力140W/ch(6Ω、0.06%THD)の9.2chモデル、A1030は定格出力110W/ch(6Ω、0.06%THD)の7.1chモデルとなる。

3機種とも、ハイクラスAVアンプとして音質・臨場感・操作性を追求するAVENTAGEシリーズの開発思想はそのままに、さらなる音質強化を図り、DAC部を刷新した点が大きな特徴。新たにESS社製の最新DACデバイスを採用した。また映像処理系統には、ヤマハオリジナルの映像処理回路を搭載するなど、画質にもこだわっている。

なおヤマハによれば、AVENTAGEシリーズはこれまで同一の担当者が音質チューニングを施してきたが、今回のA3030/2030/1030は、それぞれ異なる担当者がチューニングをしていることもポイントだという。これにより、3機種それぞれに異なる音質傾向を持たせた。同社では、A3030を「圧倒的な解像度とスケール感」、A2030を「ウェルバランスな表現力」、A1030を「快活でパワフル」と、それぞれの傾向の違いを説明している。

さらに、AVENTAGEシリーズとしては初めて192kHz/24bitのハイレゾ音源に対応しているほか、今春発売のエントリーモデルで初対応した別売のBluetoothアダプター「YBA-11」との連携にも対応するなど、ネットワーク再生やスマートフォン連携などの各機能性もしっかり備えている。以下、製品の詳細を見ていこう。

新たにESS社製の最新DACを採用 − 徹底した高音質設計

内部は、高速熱帰還トランジスタと新設計の大容量ヒートシンクを採用した左右対称設計のフルディスクリート構成を採用。ハイパワーアンプ、オーディオ入力部とDAコンバーター部の電位差を解消して微小信号の再生品位を高める「D.O.P.G(DAC on Pure Ground)」コンセプトを従来モデルから継承している。

RX-A3030の内部構成

上述の通りDAC部を刷新しており、ESS社製の最新DACデバイスを搭載した。なお、ヤマハのAVアンプでESS製DACを採用するのは今回が初めてとなる。

ヤマハのAVアンプでESS製DACを搭載するのは今回は初めて

機種ごとに搭載DACのクオリティが異なっており、最上位A3030はSABRE32 Ultra「ES9016」とSABRE Premier DAC「ES9006」を1基ずつ、A2030は「ES9006」を2基、A1030は「ES9006」を1基採用する。ESS製DACの特長を活かし、高域の透明感がある豊かな響き、中域の密度感がある暖かみのある響き、低音の引き締まって臨場感のある再生を狙っている。

シャーシは、ヤマハが培ってきた機構設計のノウハウを集約し、左右対称コンストラクションの制振・高剛性シャーシを採用。設置時の安定性を高めて筐体の共振を分散し、電源トランスの微細な振動を抑える「アンチレゾナンステクノロジー」を応用した、AVENTAGEシリーズの特徴である「5番目の脚」も引き続き備えている。

AVENTAGEシリーズの特徴である「5番目の脚」も引き続き搭載

A3030/2030の2機種にはH型クロスフレームを使用し、さらに最上位となるA3030は底板を二重にしたダブルボトム構造と鋳鉄製レッグを採用する。

電源部は、3機種とも3回路分離型パワーサプライを採用している。オーディオ回路用、デジタル回路用、FLディスプレイ回路用とをそれぞれ独立させ、全動作モードのS/Nを高めた。

ヤマハオリジナルの映像処理回路を搭載

映像処理回路には、動き適応型/エッジ適応型デインターレース、マルチケイデンス検出に対応したヤマハオリジナルのものを搭載している。A3030/2030は、ディティール&エッジ強調、映像信号調整などのメニューにも対応。画質調整した内容は、最大6パターンまで本体に登録しておくことができる。

映像設定メニュー

ビデオ画質調整メニュー


細部強調やブライトネスなどの調整が行える。調整内容は最大6パターンまで登録しておくことができる
なおAVENTAGE従来モデルでは、A3020/2020の2機種でHQVの「VHD1900」を採用し、A1020のみオリジナル映像処理回路を採用していた。今回3機種に搭載されたオリジナルの映像処理回路は、3次元動き適応型I/P変換をはじめとするヤマハ独自の映像処理技術を投入し、画質にこだわったことがポイントで、HQVのベンチマークBD 2.0の項目を全てクリアしているという。さらに映像処理回路を必要に応じて完全にバイパスするビデオダイレクト機能にも対応している。

「VPS」機能が強化。仮想のリアプレゼンスSPを創出

次に機能面を見ていこう。ヤマハ独自の音場創生技術「シネマDSP」は、A3030が最上位の「シネマDSP HD3」を搭載。A2030/1030は「シネマDSP<3Dモード>」に対応する。

前方向に仮想のフロントプレゼンススピーカーを創出する技術「VPS(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)」には3機種とも対応しており、セリフ位置の高さ調整が行える「ダイアログリフト」やセリフ単体の音量調整が行える「ダイアログレベル調整」にも対応する。

なおA3030のみ、さらにこのVPSが強化されており、後方向に仮想リアプレゼンススピーカーを創出する新機能に対応した。

3機種とも音場補正機能はヤマハの新世代「YPAO-R.S.C.」を搭載しており、複数の計測ポイントからデータを総合的に判断して精度を高める「マルチポイント計測」に対応する。

さらにA3030は、室内の音響特製に合わせてシネマDSP効果を最適化する「DSPエフェクトレベルノーマライズ」や、聴取位置とスピーカーの位置関係を把握する「スピーカー角度計測」に対応。A3030/2030には、測定性能を向上させた改良型YPAOマイクが付属する。

HDMI接続による拡張性も強化 − 4KやMHLも

3機種ともHDMIは8入力/2出力を備えている。そのうち入力1系統は、対応スマートフォンなどと連携して1080pの映像や7.1chマルチch音声の伝送を行えるMHL規格に準拠する。

HDMIは8入力/2出力を装備(うち入力1系統はフロントに備える)

フロントに備えるHDMI入力1系統はMHLに対応する

HDMI入力された3D&ARCに加えて4K信号のパススルー伝送もサポートしているほか、入力信号の4Kアップスケーリング機能にも対応する。A3030/2030は、アナログ映像信号間のアップコンバージョン機能にも対応している。

また、メインルーム以外の部屋にあるHDMI対応機器に、メインルームとは異なるコンテンツを伝送して同時再生できる「HDMIゾーンスイッチング」機能を新たに搭載したこともポイントだ。

HDMIマルチゾーン出力に対応する

「HDMIゾーンスイッチング」機能を新たに搭載

特にA3030/2030は、HDMI入力コンテンツのほかに、デジタルおよびアナログ入力コンテンツやUSB入力コンテンツ、インターネットラジオなどの音声コンテンツも選択して伝送することができる。

192kHz/24bitまでのWAV/FLACに対応 − 充実の音楽再生機能

3機種ともDLNA1.5に準拠し、引き続きネットワーク機能に対応する。インターネットラジオ「vTuner」の聴取も可能。AirPlay機能にも対応する。ヤマハのスマートフォン/タブレット用操作アプリ「AV CONTROLLER」からの操作も行える。

ネットワーク再生および本体フロントに備えたUSB端子経由での音楽再生機能も強化しており、3機種ともAVENTAGEとしては初めて最大192kHz/24bitのWAV/FLACに対応した。

音楽再生としては、圧縮音源を補間する「ミュージックエンハンサー」機能にも対応。さらにA3030/2020の2機種は、従来モデルに引き続き、非圧縮音声/可逆圧縮音声を最大96kHz/24bitまでアップサンプリングする「ハイレゾリューションミュージックエンハンサー」に対応する。

ハイレゾリューションミュージックエンハンサーにも対応する

そのほか、別売のBluetoothレシーバー「YBA-11」との連携もサポート。本体背面には、専用の給電端子を備える。

外形寸法、質量、搭載端子などのスペック

A3030は、外形寸法435W×192H×467Dmmで、質量19.9kg。A2030は、外形寸法435W×192H×467Dmmで、質量17.1kg。A1030は、外形寸法435W×182H×432Dmmで、質量15.1kg。本体カラーはブラックで、A3030のみゴールドもラインナップする。

背面端子部(写真はRX-A3030)

RX-A3030のリモコン

スピーカー出力以外の入出力端子は3機種とも基本的に同一で、HDMI入力×8/出力×2、コンポーネント入力×4/出力1、D4×1、S入力×4/出力×1、コンポジット入力×5/出力1、同軸デジタル入力×3、光デジタル入力×4、アナログLR入力×10/出力1、マルチchイン×1(8ch)、マルチchプリアウト出力×1(11ch)、LAN×1、USB×1を備える。

なお従来のAVENTAGEシリーズと同様、3機種ともメーカー製品保証期間は5年間の長期保証としている。

上述の通り、今回発表のAVENTAGEは3機種それぞれ異なる音質傾向を備えているという。Phile-webでは、岩井喬氏による最上位モデルA3030のレポートを掲載しているので、こちらも参照されたい。

【問い合わせ先】
ヤマハミュージックジャパン カスタマーサポート部
お客様コミュニケーションセンター
オーディオ・ビジュアル機器ご相談窓口
TEL/0570-011-808
TEL/053-460-3409

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドYAMAHA
  • 型番RX-A3030
  • 発売日2013年7月下旬
  • 価格¥283,500(税込)
【SPEC】●パワーアンプch数:9ch ●定格出力:150W/ch(6Ω、0.06%THD) ●実用最大出力:230W/ch(6Ω、10%THD) ●音声DAC:ESS SABRE32 Ultra ES9016×1、ESS SABRE Premier DAC ES9006×1 ●音場補正:YPAO R.S.C. ●入出力端子:HDMI入力×8/出力×2、コンポーネント入力×4/出力1、D4×1、S入力×4/出力×1、コンポジット入力×5/出力1、同軸デジタル入力×3、光デジタル入力×4、アナログLR入力×10/出力1、マルチchイン×1(8ch)、マルチchプリアウト出力×1(11ch)、LAN×1、USB×1 ●消費電力:280W(待機時電力:0.3W以下) ●外形寸法:435W×192H×467Dmm ●質量:19.9kg
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドYAMAHA
  • 型番RX-A2030
  • 発売日2013年7月下旬
  • 価格¥199,500(税込)
【SPEC】●パワーアンプch数:9ch ●定格出力:140W/ch(6Ω、0.06%THD) ●実用最大出力:220W/ch(6Ω、10%THD) ●音声DAC:SABRE Premier DAC ES9006×2 ●音場補正:YPAO R.S.C. ●入出力端子:HDMI入力×8/出力×2、コンポーネント入力×4/出力1、D4×1、S入力×4/出力×1、コンポジット入力×5/出力1、同軸デジタル入力×3、光デジタル入力×4、アナログLR入力×10/出力1、マルチchイン×1(8ch)、マルチchプリアウト出力×1(11ch)、LAN×1、USB×1 ●消費電力:280W(待機時電力:0.3W以下) ●外形寸法:435W×192H×467Dmm ●質量:17.1kg
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドYAMAHA
  • 型番RX-A1030
  • 発売日2013年7月上旬
  • 価格¥126,000(税込)
【SPEC】●パワーアンプch数:7ch ●定格出力:110W/ch(6Ω、0.06%THD) ●実用最大出力:170W/ch(6Ω、10%THD) ●音声DAC:ESS SABRE Premier DAC ES9006×1 ●音場補正:YPAO R.S.C. ●入出力端子:HDMI入力×8/出力×2、コンポーネント入力×4/出力1、D4×1、S入力×4/出力×1、コンポジット入力×5/出力1、同軸デジタル入力×3、光デジタル入力×4、アナログLR入力×10/出力1、マルチchイン×1(8ch)、マルチchプリアウト出力×1(11ch)、LAN×1、USB×1 ●消費電力:280W(待機時電力:0.3W以下) ●外形寸法:435W×182H×432Dmm ●質量:15.1kg