2Kモデルとの棲み分けについても語る
40型4Kテレビは現代の「PROFEEL PRO」か? − 東芝・本村氏に聞く開発の背景
10月1日より開幕した「CEATEC JAPAN 2013」。東芝ブースでは、参考出展された50型/40型の4K REGZAが注目を集めている(関連ニュース)。特に40型モデルの披露は今回のCEATECが初めてだが、その詳細や今後の展開は未だ謎が多い。その姿に迫るべく、今回、同社の本村裕史氏と山内日美生氏に取材を敢行した。
■“プロ用途にも応えるハイアマ向け高画質テレビ”
「Z8Xシリーズは自然な画づくりや幅広く開放された画質調整項目などにより、プロの方々からの引き合いが驚くほど強かった。もっと小型のモデルを、という声を多くいただいたため、今回参考出展した50型/40型の開発に至った」と背景を語る本村氏。ただし完全なプロ用モニターではなく、チューナーを内蔵した“テレビ”というポイントは飽くまで崩さない考えだという。本村氏は「サイズを活かし、写真/動画編集やゲームのプレイなど、“テレビを観る”以外の用途も考えながら商品化を目指していく」と語る。
“プロ用途にも応えるハイアマ向け高画質テレビ”というその位置づけは、画質や使い勝手を追求したプロフェッショナル志向のブラウン管モニターとして多くのAVファンに愛された名機、ソニー「PROFEEL PRO」を思い起こさせる。
実際に発売する商品の画面サイズも含めた詳細な仕様、発売時期、価格帯など「全くの未定」とのこと。しかし本村氏からは「50型クラスのモデルは2014年度中に出せればと考えている。価格については、どういった仕様にするかにもよるが、大画面の4Kテレビとの逆転現象が起こったり、誰も買えないような価格帯にするつもりはない」という言葉を聞くことができた。
■小型4K REGZA、2Kテレビとの棲み分けは?
まず気になるのは、40/50型4Kテレビの位置づけだ。このサイズであれば2Kでも画質の成熟したモデルは多数登場しているし、東芝でも“プレミアム2K”を謳うフルHD解像度のハイエンドモデル「Z8シリーズ」を発表したばかり(関連ニュース)。この点について本村氏は「4Kには4Kの、2Kには2Kならではの提案があると思う。単純な上下の位置づけではなく、ユーザーが選択できるような棲み分けをイメージしている」と語る。
次に、仕様の大枠についてだ。端子類については「HDMI2.0は、当然搭載するべきだと考えている。そして、プロ用途も考慮するなら4系統をパラレルで使えるような仕様にするべき。そのほかDisplayPortもあってもいいかも知れない。このあたりは商品化の際の価格との兼ね合いで決めたい」(本村氏)とのこと。
また、リファレンスモニターとして使うのならば、キャリブレーション機能の搭載も求められるところだろう。「そういった機能はあってもいいかもしれない。欧州モデルでは、4Kテレビ『L9363』でガンマキャリブレーションに対応しているし、2Kテレビなら『WL863』などはガンマに加え、カラーキャリブレーションも可能。技術的に素地はあるので、搭載は不可能ではない」(山内氏)とのことだった。
カバーする色域についての考えも聞いてみた。8K/4K放送では広色域規格「ITU-R BT.2020」の採用が有力視されているが、「BT.2020への対応は、現状ではなんらかの技術的ブレークスルーがないと難しい。まずはハイビジョン放送の色域やカバー率拡大をしっかり押さえていく。写真編集用途も考えれば、AdobeRGBなどの対応も視野に入れていきたい」(山内氏)とのこと。
本村氏も「広色域化は全世界的メガトレンドなので、きちんと応えていきたい。現在はパネルというよりはバックライトで広色域化を図るのが主流。どういう方法がユーザーにとって良いのかを考え、決めていきたい」と語っていた。
今回CEATEC会場に参考出展されたモデルは飽くまで試作機であるため、画質ももちろん最終段階ではないというが、その映像からは、小型化することで4Kテレビの置き場所や用途が広がり、体験が変わる可能性が感じられた。
「そのままでもプロが使えるくらいのクオリティのモデルを買った、という満足感を先端層に味わってもらえるような出来を目指す」と意気込みを語る本村氏。今後の動向に注目したい。
■“プロ用途にも応えるハイアマ向け高画質テレビ”
「Z8Xシリーズは自然な画づくりや幅広く開放された画質調整項目などにより、プロの方々からの引き合いが驚くほど強かった。もっと小型のモデルを、という声を多くいただいたため、今回参考出展した50型/40型の開発に至った」と背景を語る本村氏。ただし完全なプロ用モニターではなく、チューナーを内蔵した“テレビ”というポイントは飽くまで崩さない考えだという。本村氏は「サイズを活かし、写真/動画編集やゲームのプレイなど、“テレビを観る”以外の用途も考えながら商品化を目指していく」と語る。
“プロ用途にも応えるハイアマ向け高画質テレビ”というその位置づけは、画質や使い勝手を追求したプロフェッショナル志向のブラウン管モニターとして多くのAVファンに愛された名機、ソニー「PROFEEL PRO」を思い起こさせる。
実際に発売する商品の画面サイズも含めた詳細な仕様、発売時期、価格帯など「全くの未定」とのこと。しかし本村氏からは「50型クラスのモデルは2014年度中に出せればと考えている。価格については、どういった仕様にするかにもよるが、大画面の4Kテレビとの逆転現象が起こったり、誰も買えないような価格帯にするつもりはない」という言葉を聞くことができた。
■小型4K REGZA、2Kテレビとの棲み分けは?
まず気になるのは、40/50型4Kテレビの位置づけだ。このサイズであれば2Kでも画質の成熟したモデルは多数登場しているし、東芝でも“プレミアム2K”を謳うフルHD解像度のハイエンドモデル「Z8シリーズ」を発表したばかり(関連ニュース)。この点について本村氏は「4Kには4Kの、2Kには2Kならではの提案があると思う。単純な上下の位置づけではなく、ユーザーが選択できるような棲み分けをイメージしている」と語る。
次に、仕様の大枠についてだ。端子類については「HDMI2.0は、当然搭載するべきだと考えている。そして、プロ用途も考慮するなら4系統をパラレルで使えるような仕様にするべき。そのほかDisplayPortもあってもいいかも知れない。このあたりは商品化の際の価格との兼ね合いで決めたい」(本村氏)とのこと。
また、リファレンスモニターとして使うのならば、キャリブレーション機能の搭載も求められるところだろう。「そういった機能はあってもいいかもしれない。欧州モデルでは、4Kテレビ『L9363』でガンマキャリブレーションに対応しているし、2Kテレビなら『WL863』などはガンマに加え、カラーキャリブレーションも可能。技術的に素地はあるので、搭載は不可能ではない」(山内氏)とのことだった。
カバーする色域についての考えも聞いてみた。8K/4K放送では広色域規格「ITU-R BT.2020」の採用が有力視されているが、「BT.2020への対応は、現状ではなんらかの技術的ブレークスルーがないと難しい。まずはハイビジョン放送の色域やカバー率拡大をしっかり押さえていく。写真編集用途も考えれば、AdobeRGBなどの対応も視野に入れていきたい」(山内氏)とのこと。
本村氏も「広色域化は全世界的メガトレンドなので、きちんと応えていきたい。現在はパネルというよりはバックライトで広色域化を図るのが主流。どういう方法がユーザーにとって良いのかを考え、決めていきたい」と語っていた。
今回CEATEC会場に参考出展されたモデルは飽くまで試作機であるため、画質ももちろん最終段階ではないというが、その映像からは、小型化することで4Kテレビの置き場所や用途が広がり、体験が変わる可能性が感じられた。
「そのままでもプロが使えるくらいのクオリティのモデルを買った、という満足感を先端層に味わってもらえるような出来を目指す」と意気込みを語る本村氏。今後の動向に注目したい。