アナログ時計のデザインに近づいた「LG G Watch R」
<IFA>LGの「8Kテレビ」視聴レポート ー テレビは有機ELに徹底注力
LGエレクトロニクスはIFA2014の会場に有機ELテレビの商品群を一斉に並べた。またディーラー向けに公開された8K(7680×4320)の映像も視聴することができた。
LGが出展した8Kテレビは既報の通り98型の液晶を採用している。一般公開のスペースから離れたディーラー専用の展示スペースで紹介されている。
本機の展示に使用されている映像ソースは、花や果物などを被写体にしたもので、担当者に確認したところ4Kソースをアプコン表示しているのではなく、ネイティブの8K映像をデモに使用しているという。パネルは120Hzで駆動している。展示はパネルが壁面に埋め込まれたようなかたちに見えるが、パネルの周囲にはベゼルも配置され、ボトムの部分にはLGのロゴも確認できることからモニターの形状にある程度セットされたプロトタイプのようだ。
映像は98インチの大画面ながら、ディスプレイに近接しても画素が判別できないほど精彩感が際立っている。緻密な被写体の輪郭がぼやけることなく緻密に再現される。色彩は派手さを抑えたナチュラルな色合いに仕上げられている印象だ。
同じディーラー向けスペースにはスタンド部分にスワロフスキーのクリスタルをあしらった湾曲ディスプレイタイプの有機ELも置かれている。3種類の大きさが異なるエレメントがスタンド部分に約460個ちりばめられていて、スタンド自体もカッティンググラスのようなものと、緩やかなアール形状を描くようなデザインのものが2機種用意されている。ベゼルを極小化した「Art slim design」を採用。「True Black」や「Life-like Color」技術により黒色を引き締めながら色彩感を高める映像技術が特徴。クリスタルの煌めきがパネルに表示される映像を邪魔することがないよう穏やかに配置されているので、映像への没入感が損なわれる感じは全く受けなかった。
パブリック向けの展示で一際注目を集めていたテレビが、77型の4K有機ELテレビだ。ディスプレイは湾曲形状とフラット形状が自動でスイッチできる、いわゆるフレキシブルタイプの仕様だ。画面の湾曲率は500R。画面が湾曲したままだと、いくら画面が大きいからとはいえ、家族がリビングで楽しむテレビとしてはベストな没入感を得られるスイートスポットが限られてしまう。ふだん家族が一堂に揃ってテレビ番組を楽しむ時にはフラットにして、ひとりでじっくりと映画に浸りたい時には画面をカーブさせて心ゆくまで没入するといった具合に、用途に応じて楽しみ方がスイッチできるなら、日本人の感覚ではまだ少し奇抜な印象を受けてしまう「カーブドテレビ」も、この先にテレビの次の進化として受け入れられる余地が十分にあると筆者は感じた次第だ。
それにしても今年のLGのブースは、特にハイエンドモデルを中心に有機ELテレビへ主力製品をシフトさせていく意志を感じさせるものになっていた。一昨年、去年まではブースのエントランスに3Dテレビの巨大なマルチディスプレイが設けられていたが、今年は同じ場所でスポットを浴びていたのは湾曲型の有機ELテレビだったし、主力機種としてハイライトされている製品は有機ELテレビが中心だ。先に取り上げた77型モデルのほかに65型の“フレキシブル”湾曲タイプのテレビや、79型・65型の湾曲固定タイプのテレビなどが商品化を済ませている。自社のLGの有機ELテレビに搭載されているパネルをグループ会社であるLG Displayで生産できることも強みだ。パネルの基幹技術には画質と歩留まりのバランスの良さから、赤・青・緑に白色のサブピクセルを加えた独自の「WRGB」を採用している。
なおLGは日本でもテレビ製品を発売しているが、湾曲型有機ELテレビの日本導入について展示説明員に聞いたところ、まだ検討中の段階だという。まずはぜひ、市場の反響を確認するためのプロトタイプ展示からでもスタートしてみて欲しいと思う。
ほかにもCES2014でも発表した105型のアスペクト比21:9の湾曲5K(5,120×2,160画素)の液晶テレビも展示する。IPS方式のパネルを搭載している。本体のスタンド部分にharman/kardon製の7.2chサラウンドスピーカーが内蔵されていることも特徴で、特設シアターコーナーでは本機単体で没入感あふれるホームシアターが楽しめる実力も紹介されていた。
なお、今年の展示では3Dの展示がすっかり鳴りを潜めてしまった印象を受けた。LGの担当者に訊ねてみたところ、「3Dは今やLGのテレビでは“当たり前”の技術なので特別にハイライトしていないが、最新のカーブドテレビも含めて偏光メガネを使った3D表示にはしっかりと対応している」と、今やエッセンスとして組み込まれているため特段フィーチャーする必要がないのだと説明をしてくれた。スマートTV機能も上位機種を中心にLGのテレビにとって“当たり前”になりつつあるが、独自のプラットフォームである「webOS」をベースにしたサービスやアプリを紹介するコーナーは依然注目を集めていた。
シアターバーで注目したい製品もあった。「NB5540」は4chのスピーカーを搭載するバースピーカーとワイヤレスサブウーファーのセット。Bluetoothで接続したスマホの音楽を飛ばしてかんたんにワイヤレス再生が楽しめるほか、192kHz/24bit対応のUSB-DACも内蔵。FLAC形式のハイレゾ音源を再生して楽しむこともできるのが特徴だ。
ウェアラブルの展示で最も注目を集めていた製品は円形の文字盤が特徴的な「LG G Watch R」だ。Android Wearを搭載する、LGとして早くも第2弾となるスマートウォッチになる。一般公開のイベントに出展される機会はIFA2014が初めてということもあり、ハンズオンのコーナーには本当に黒山の人だかりができていた。1.3インチのフルサークル有機ELを搭載。レザーバンドは交換可能で、ファブリック製のプロトタイプも展示されていた。ヨーロッパでは250ユーロ前後で販売される予定。日本国内では販売予定や価格については明らかにされていなかった。
LGが出展した8Kテレビは既報の通り98型の液晶を採用している。一般公開のスペースから離れたディーラー専用の展示スペースで紹介されている。
本機の展示に使用されている映像ソースは、花や果物などを被写体にしたもので、担当者に確認したところ4Kソースをアプコン表示しているのではなく、ネイティブの8K映像をデモに使用しているという。パネルは120Hzで駆動している。展示はパネルが壁面に埋め込まれたようなかたちに見えるが、パネルの周囲にはベゼルも配置され、ボトムの部分にはLGのロゴも確認できることからモニターの形状にある程度セットされたプロトタイプのようだ。
映像は98インチの大画面ながら、ディスプレイに近接しても画素が判別できないほど精彩感が際立っている。緻密な被写体の輪郭がぼやけることなく緻密に再現される。色彩は派手さを抑えたナチュラルな色合いに仕上げられている印象だ。
同じディーラー向けスペースにはスタンド部分にスワロフスキーのクリスタルをあしらった湾曲ディスプレイタイプの有機ELも置かれている。3種類の大きさが異なるエレメントがスタンド部分に約460個ちりばめられていて、スタンド自体もカッティンググラスのようなものと、緩やかなアール形状を描くようなデザインのものが2機種用意されている。ベゼルを極小化した「Art slim design」を採用。「True Black」や「Life-like Color」技術により黒色を引き締めながら色彩感を高める映像技術が特徴。クリスタルの煌めきがパネルに表示される映像を邪魔することがないよう穏やかに配置されているので、映像への没入感が損なわれる感じは全く受けなかった。
パブリック向けの展示で一際注目を集めていたテレビが、77型の4K有機ELテレビだ。ディスプレイは湾曲形状とフラット形状が自動でスイッチできる、いわゆるフレキシブルタイプの仕様だ。画面の湾曲率は500R。画面が湾曲したままだと、いくら画面が大きいからとはいえ、家族がリビングで楽しむテレビとしてはベストな没入感を得られるスイートスポットが限られてしまう。ふだん家族が一堂に揃ってテレビ番組を楽しむ時にはフラットにして、ひとりでじっくりと映画に浸りたい時には画面をカーブさせて心ゆくまで没入するといった具合に、用途に応じて楽しみ方がスイッチできるなら、日本人の感覚ではまだ少し奇抜な印象を受けてしまう「カーブドテレビ」も、この先にテレビの次の進化として受け入れられる余地が十分にあると筆者は感じた次第だ。
それにしても今年のLGのブースは、特にハイエンドモデルを中心に有機ELテレビへ主力製品をシフトさせていく意志を感じさせるものになっていた。一昨年、去年まではブースのエントランスに3Dテレビの巨大なマルチディスプレイが設けられていたが、今年は同じ場所でスポットを浴びていたのは湾曲型の有機ELテレビだったし、主力機種としてハイライトされている製品は有機ELテレビが中心だ。先に取り上げた77型モデルのほかに65型の“フレキシブル”湾曲タイプのテレビや、79型・65型の湾曲固定タイプのテレビなどが商品化を済ませている。自社のLGの有機ELテレビに搭載されているパネルをグループ会社であるLG Displayで生産できることも強みだ。パネルの基幹技術には画質と歩留まりのバランスの良さから、赤・青・緑に白色のサブピクセルを加えた独自の「WRGB」を採用している。
なおLGは日本でもテレビ製品を発売しているが、湾曲型有機ELテレビの日本導入について展示説明員に聞いたところ、まだ検討中の段階だという。まずはぜひ、市場の反響を確認するためのプロトタイプ展示からでもスタートしてみて欲しいと思う。
ほかにもCES2014でも発表した105型のアスペクト比21:9の湾曲5K(5,120×2,160画素)の液晶テレビも展示する。IPS方式のパネルを搭載している。本体のスタンド部分にharman/kardon製の7.2chサラウンドスピーカーが内蔵されていることも特徴で、特設シアターコーナーでは本機単体で没入感あふれるホームシアターが楽しめる実力も紹介されていた。
なお、今年の展示では3Dの展示がすっかり鳴りを潜めてしまった印象を受けた。LGの担当者に訊ねてみたところ、「3Dは今やLGのテレビでは“当たり前”の技術なので特別にハイライトしていないが、最新のカーブドテレビも含めて偏光メガネを使った3D表示にはしっかりと対応している」と、今やエッセンスとして組み込まれているため特段フィーチャーする必要がないのだと説明をしてくれた。スマートTV機能も上位機種を中心にLGのテレビにとって“当たり前”になりつつあるが、独自のプラットフォームである「webOS」をベースにしたサービスやアプリを紹介するコーナーは依然注目を集めていた。
シアターバーで注目したい製品もあった。「NB5540」は4chのスピーカーを搭載するバースピーカーとワイヤレスサブウーファーのセット。Bluetoothで接続したスマホの音楽を飛ばしてかんたんにワイヤレス再生が楽しめるほか、192kHz/24bit対応のUSB-DACも内蔵。FLAC形式のハイレゾ音源を再生して楽しむこともできるのが特徴だ。
ウェアラブルの展示で最も注目を集めていた製品は円形の文字盤が特徴的な「LG G Watch R」だ。Android Wearを搭載する、LGとして早くも第2弾となるスマートウォッチになる。一般公開のイベントに出展される機会はIFA2014が初めてということもあり、ハンズオンのコーナーには本当に黒山の人だかりができていた。1.3インチのフルサークル有機ELを搭載。レザーバンドは交換可能で、ファブリック製のプロトタイプも展示されていた。ヨーロッパでは250ユーロ前後で販売される予定。日本国内では販売予定や価格については明らかにされていなかった。