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HDAM-SA回路採用プリアンプを新搭載

マランツ、旗艦AVプリ「AV8802」。ドルビーアトモス対応/フルディスクリート電流帰還型プリ採用

公開日 2014/12/18 13:00 編集部 小澤貴信
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Hi-Fiコンポーネントのフラグシップ並の音質パーツを投入

電源トランスは同社の最上位プリメインアンプ「PM-11S3」と同等グレードのトロイダルトランスを搭載。AV8801に搭載されたものよりもコアサイズをアップし、巻き線にはOFCを、ケースにはアルミを使用した。二次巻き線はD/Aコンバーター、ボリューム、送り出しアンプ回路など、回路ごとに分割。シールドケースにより外来ノイズを遮断し、トランス周辺回路への輻射も抑制している。

AV8802の筐体内部

電源トランスにはPM-11S3と同等グレードのトロイダルトランスを搭載

AV8802専用に新開発されたカスタムブロックコンデンサーも搭載。AV8801では4,700μFを4基搭載していたが、AV8802ではニチコン製の10,000μFカスタムコンデンサーを4基搭載した。

さらに、プレミアムグレードのHi-Fiアンプにも用いられている高速ショットキーバリアダイオードやノイズキラー素子など、リスニングテストによって厳選した高品位パーツを多数採用している。

ニチコン製の10000μFカスタムコンデンサーを4基搭載

高速ショットキーバリアダイオードやノイズキラー素子もリスニングテストを繰り返して厳選した

また、電源はデジタル部に供給するものとアナログ部に供給するもので完全に分離。DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には専用の電源トランスを使用し、アナログ回路との相互干渉を排除している。

D/Aコンバーターには旭化成「AK4490」を採用

DACデバイスは、旭化成の最新32bitステレオDAC「AK4490」を7基採用。さらにDACは映像回路やネットワーク回路から独立した専用基板にマウントすることで、不要な干渉を避けている。

旭化成「AK4490」

澤田氏はAK4490を新たに採用した理由も説明。AV8801開発時に旭化成の32bit DACの前モデルをテストしたが、ディティール表現は良好だったものの、音にエネルギー感や勢いがないと感じられて実装を見送ったのだという。しかし、最新の32bit DACにおいては、細部の表現力に磨きがかかりつつ、弱点だった音の勢いも改善されていたため、今回の採用に至ったという。

AV8802はDACを専用基板に配置している

こちらは従来モデルAV8801のデジタル基板。DSPや映像回路と同じ基板に、DACが配置されていた

またAK4490はデジタルフィルターとスイッチキャパシター(信号をアナログ変換する部分)において複数のモードが選べる点も特徴とのこと。デジタルフィルターは「スロウ/シャープ」の2種類、さらに各フィルターごとに「ショートディレイ/ノーマル」を用意し、合計4通りから選択可能。スイッチキャパシターは3種類のモードを用意。合計12種類のサウンドからメーカーが好みのモードを選択できるようになっている。今回マランツは、HiFiに準じる形でスロウ/ノーマル/スイッチキャパシター1という選択で最適化を行った。

3ピースのトップカバー+ダブルステー筐体

筐体については、銅メッキのシャーシと3ピースのトップカバーをAV8802から引き続き採用。3ピースのトップカバーは、筐体の剛性を高め共振を抑制。シャーシは、メインシャーシにボトムプレートを加えたダブルレイヤードシャーシとし、不要振動による影響を防いでいる。メインシャーシへの銅メッキは、低インピーダンス化を実現し、グラウンド電位の安定させることでノイズが少なく揺らぎのない音場を実現したという。

3ピース構成のトップカバーを引き続き採用

トップカバーを3ピースとする理由も紹介された。トップカバーが高周波ノイズを受ける場所には一定の分布があるが、1ピース構成だと分布のある各所にそれぞれ対策を施すのが難しい。そこでカバーを3分割し、高周波ノイズの分布に応じて各所に最適な対策を施すという方法をとっているのだという。なお、AV8802では前モデル以上に入念な対策を行っている。

筐体を支えるフットも変更。前モデルのフットと同じ樹脂製だが、内部のリブを増やして強度を上げた。また、フット下部に貼られたフェルトには、クローバーの様に十文字にスリットを入れ、ダンピングを最適化。このスリットを加えたことで、如実な音質向上が得られたという。

新採用されたフット。フェルトには十時型にスリットが入っている

AV8801のフット(左)とAV8802のフット(右)。内部のリブが大幅に増えているのがわかる

次ページ4基の32bitフローティングポイントDSPを搭載

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