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多くのブースでHDRのデモを実施

<IFA>IFA2015の映像トレンド総まとめ − HDRは「対応」から「画質競争」の段階へ

公開日 2015/09/09 17:58 折原 一也
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ドイツ・ベルリンで9月4日より開催された「IFA2015」。会場では今年も数多くの新製品が発表された。本記事では、IFA2015における薄型テレビのトレンドを折原一也が総括する。

「Ultra HD Blu-ray」と映像配信を見据えた“HDR”で盛り上がるIFA

IFA2015の薄型テレビのトレンドを総括するなら、「HDR」の一言に尽きるだろう。テレビメーカーのブースを訪問すると、日本勢のパナソニック、ソニーらはもちろん、韓国や中国勢までもHDRのデモを実施していた。

ソニーのプレスカンファレンスにもHDRが登場

IFAのプレスデー初日に、ソニーのプレスカンファレンスで平井CEOが自ら「HDRは映像の明るさを拡大する技術」と詳しく解説する一幕も見られ、参加した世界中のプレス陣は、「4Kの次はHDRだ」といっそう印象付けられたことだろう。

文句なしの画質ポテンシャルを見せつけた「Ultra HD Blu-ray」

IFA2015における高画質の取り組みのうち、最も注目したいのは「Ultra HD Blu-ray」だ。いち早く試作機を展示していたパナソニック(IFAにおける取材は山本敦氏が別途インタビューにまとめている)によると、2015年度内にUltra HD Blu-rayプレーヤーを発売したいとのこと。

パナソニックの試作機によるデモは、Ultra HD Blu-rayのホワイトペーパーVER.1.0に準拠したディスクを実際に回して再生しているというもので、認証さえ取れば製品として発売できる段階まで開発が進んでいる。

会場内の一般スペースに展示されていた試作機

HDRの画質と合わせてデモを実施

HDRの10bitでHEVC100Mbps(実際にデモに使用したディスクに記録されているレートはもう少し低い)の映像を、輝度800nitsまで再現できるプロトタイプの液晶モニターに上映したパナソニックによるデモは、明所が突き抜けたダイナミックレンジの広さと圧倒的な情報量を兼ね備えていた。HDRのデモ映像で典型的なのは「暗闇の中のネオン」などだが、明るい映像でも、ダイナミックレンジが向上することで解像感も上がるのだ。

さて、会場内でもう一社、Ultra HD Blu-rayプレイヤーの実機を展示していたのが韓国・サムスンだ。展示していた実機は「UBD-K8500(関連ニュース)」という型番がついた実動モデル。10bitのHDR対応で映画も上映していたが、デモとしての画質は今ひとつだった。同製品の発売日について、プレスカンファレンスでは2016年初頭発売、会場取材では2016年3月発売とのこと。いずれにせよ、来年の3月までには登場すると見て良さそうだ。価格は500ドルを予定している。

サムスンのUltraHD Blu-rayプレイヤー「UBD-K8500」も実動中

遂に日本メーカーも参入。パナソニックの4K有機ELテレビ

薄型テレビ関連のチェックに移ろう。会場内の展示モデルで、画質の良さという点で文字通り飛び抜けていたのがパナソニック初の4K有機ELテレビである「CZ950(関連ニュース)」だ。

VIERAの最上位モデルとして追加されるOLEDのCZ950

正確な色再現が今年のVIERAの画質の特長だ

採用するパネルは曲面型の65インチのタイプで、公式には非公開だがRGBW方式の韓国LG製パネルと見て間違いない。詳細は取材記事を読んで頂きたいが、有機ELのマスモニに極めて近い画質を早速実現したのは見事というほかない。

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